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映画「乙女の祈り」 [映画]

乙女の祈りkeyakiさんのところで、オペラファンならニヤリ!とする映画 の紹介があったので、こちらでは、オペラファンなら、よりぞっとする映画ピーター・ジャクソン 監督(1994年)、乙女の祈り、原題:Heavenly Creatures をご紹介しましょう。邦題からはちょっと想像できない内容かも・・・

ニュージーランドで実際におこった母親殺しのお話。実はこの映画、プッチーニのオペラが効果的に使われているという話を聞いて、興味をもちました。

プッチーニのオペラ「蝶々夫人」の間奏曲は、映画で非常な緊張感をはらんだシーンで使われるのが印象的なのですが、この映画でも、まさに母親殺し実行シーンで鳴っています。他にはベイブ 都会へ行く」では、子豚のベーブが猟犬に追いかけられて命からがら逃げるシーン。不思議なほど、ぴったりです。

事件の前日、自宅のバルコニーで素人っぽく歌われる「ボエーム」からの『私、眠ったふりを・・』は、鳥肌が立ちそうです。このオペラの中でも、この曲は、ちょっと異質な凄みがあるように感じます。あの部分から、突如、音楽の質が変わって、深刻さというか重みを増すようです。
もう一曲は「トスカ」の「星はきらめき」で、親友との交際を止められた少女が、死んだほうがましと思い詰めるシーンで。ちゃんと歌付きで鳴ります。

ミュージカル「学生王子」からの曲や、フニクラフニクラなど、当時大人気だったというマリオ・ランツァの歌う曲など、また、映画「第三の男」のシーンなどが、空想癖の強い少女たちの趣味を象徴しています。

物語は思春期の少女の複雑な心理状態を丹念に描いたもので、理解できないと感じる人も多いと思いますが、音楽的にもおもしろい映画です。

関連記事:
マリオ・ランツァ
蝶々夫人
ボエーム


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コメント 5

keyaki

ビデオクリップの「ボエーム」の一節聞きましたが、結末を知っているせいか、なんかゾクゾクッとします。
by keyaki (2005-11-19 11:10) 

なつ

この映画、印象に残っています。
監督は、「ロード・オブ・ザ・リング」のピーター・ジャクソンですね。
思春期の少女たちが、現実より自分達が築き上げた虚構の世界にももめりこんでゆく過程が、恐かったです…
自分達の"祭壇"を作って、そこに彼女達の文字通りアイドル=偶像を祀るところで、マリオ・ランツァの他にテノールのユッシ・ビョルリングの写真もあったと思います。
by なつ (2005-11-19 16:34) 

なつ

連投すみません。タイプミスしました。
「虚構の世界にももめりこんで」じゃなくて、「のめりこんで」です
m(_ _)m
by なつ (2005-11-19 16:36) 

Sardanapalus

keyakiさんのところから飛んできました。euridiceさんは「ぞっとする」映画ですか。確かに、使われているアリアの歌詞が分かるのと分からないのとでは印象が違うでしょうし、オペラファンなら暢気には見ていられませんね。そういえば、ジャクソン監督は「指輪物語」でボロミアが殺されるシーンに、この「乙女の祈り」のように静かで美しい音楽をつけたかった、とか言っていたような記憶があります。元ネタはどんな感じだったのかな~と思っていましたが、アップしてくださったクリップを見て納得です!
by Sardanapalus (2005-11-19 20:13) 

euridice

keyakiさん、なつさん、 Sardanapalusさん、いらっしゃいませ^^!
>ユッシ・ビョルリングの写真
これには気がつきませんでした。

音楽の使い方がおもしろいと、映画のおもしろさも倍増しますね・・
by euridice (2005-11-19 23:10) 

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