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R.シュトラウス「アラベラ」新国立劇場 [劇場通い]

R.シュトラウス:アラベラ
ウルフ・シルマー指揮 東京フィルハーモニー交響楽団
a.jpgフィリップ・アルロー演出
新国立劇場2010年10月 18時〜21時半 1階前方の席

ヴァルトナー伯爵:妻屋秀和
伯爵夫人:竹本節子
伯爵の娘アラベッラ:ミヒャエラ・カウネ
伯爵の娘ズデンカ:アグネーテ・ムンク・ラスムッセン
マンドリカ:トーマス・ヨハネス・マイヤー
マッテオ:オリヴァー・リンゲルハーン
エレメル伯爵:望月哲也
ドミニク伯爵:萩原 潤
ラモラル伯爵:初鹿野 剛
フィアッカミッリ:天羽明惠
カルタ占い:与田朝子

大好きというオペラではありません。伝説やおとぎ話まで行ってしまえば、社会性とか階級というか身分というか、今流に言えば格差社会などは気にならないのですけど、このオペラの物語だと、どうも違和感がぬぐえません。1幕はけっこううんざりしてしまいました。でも、2幕以降は、社会とか身分とかを超えた、個々の純粋な人間性が伝わってきて、ところどころでは胸が熱くなるほど、共感できました。とんでもない行き違いと騒動の中で、一人一人異なるのですが、それぞれが他を貶め傷つけることなく対処できる。それこそが真に成熟した大人なのだと・・・ 楽しみの中に人間と人生に関わる深い意味がこめられている、これこそ観劇の大きな価値だと思います。私にとっては、耳に残って鳴り響いたり、ふと口ずさんだりできるような音楽では全然ないけれど、音楽が確かに感動の重要な要素なのだと感じます。

このオペラの初視聴は、レーザーディスクで、ゲオルグ・ショルティ指揮、オットー・シェンク演出によるオペラ映画。往時の名歌手がそろっています。何回か見ましたので、このオペラはこれで刷り込まれているところがあります。

しゃれたお話という感じ。オペラ的うそっぽさを感じない映像です。
娘の結婚に家庭経済の回復を期待する、貴族の精神構造というか、貴族社会の構造やひたすら理想の結婚相手の出現を夢見る女性の心理と生活は、理解の外であり、貴族という存在は、徹底的に不可解ですが、それが、あくまでも物語として、美しい音楽と共に楽しめる所以なのかもしれません。

video78.jpgアラベラ:グンドラ・ヤノヴィッツ
ズデンカ:ソーナ・ガザリアン
フィアケルミリ:エディタ・グルベローヴァ
マンドリーカ :ベルント・ヴァイクル
マッテオ:ルネ・コロ
伯爵夫人:マルガレーテ・リロワ
占い師 :マルタ・メードル

これのだいぶ後で見てけっこう面白かったのが、同じ演出によるメトロポリタン歌劇場の舞台収録映像でした。オペラ映画でみたショルティ指揮のと、舞台装置が同じ。ブレンデルのマンドリーカとマッキンタイヤーの賭け事にはまってる伯爵が、これは喜劇だ!と思わせてくれました。
video781.jpgクリスティアン・ティーレマン指揮 オットー・シェンク演出 メトロポリタン歌劇場1994 DG DVD
アラベラ:キリ・テ・カナワ、ズデンカ:マリー・マクローリン、フィアケルミリ:ナタリー・デッセイ、マンドリーカ:ヴォルフガング・ブレンデル、マッテオ:デヴィッド・キューブラー、伯爵夫人:ヘルガ・デルネシュ、伯爵:ドナルド・マッキンタイヤー

もうひとつ来日公演のテレビ放送。相当画質の悪い録画でしたが、とても説得力があり、実際に劇場で見た人たちの評判に納得でした。
video782.jpgサヴァリッシュ指揮 バイエルン国立歌劇場来日公演1988  TV
アラベラ:ルチア・ポップ、ズデンカ:ジュリー・カウフマン、マンドリーカ:ベルント・ヴァイクル、マッテオ:ペーター・ザイフェルト、伯爵:アルフレート・クーン、伯爵夫人:ゲルトルーデ・ヤーン、エレメール:ホプファーヴィーザー、フィアカーミリ:シンディア・シーデン



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コメント 2

yokochan

こんばんは。
ブルーが美しい舞台でした。
しかし、シュトラウスの音楽とマッチしていたかどうかは?ですが。

ご紹介の3つの映像、私も観ております。
ソフトフォーカスなショルティ盤が一番好きですし、行けなかったバイエルンの公演の放送にも思い入れがあります。
TBさせていただきました。

by yokochan (2010-10-19 00:00) 

euridice

yokochan さん、TBありがとうございます。

主要人物以外にもズデンカにお熱のメイドさんとか気になる人物もうろちょろしてて楽しかったですね。

by euridice (2010-10-19 07:34) 

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