ワルキューレ メトロポリタン・オペラ2008年 [オペラ]
インターネットのおかげで、ほかほかの放送を聴きました。ロリン・マゼールがメトでワーグナーを指揮したというので話題になっているようです。メトは45年ぶりで、ワーグナーもとっても久しぶりなのだそうです。マゼールの「ワルキューレ」は1幕のみの録音をむかし聴きました。(クラウス・ケーニヒ、スーザン・ダン、ペーター・メーフェン ピッツバーグ交響楽団 1990年 TELARC )
メトの最新「ワルキューレ」、演出は1989年の公演がDVD発売されているもので、1986年の新演出の再演です。2006年の来日公演(NHKホール)に行きました。
感想は、オーケストラはともかく、歌手がねぇ・・というところ。私としては、まずはテノールが気になってしまうのはいつものこと^^; そのテノールですが、あまりにもバリトンっぽくて、度々、今何を聴いてるのだったっけ? ジークムントはどこ? 状態に陥ります。ながら聴きであまり集中していないせいもあるのでしょうけど・・。その上、そのバリトンが心地良くない・・ 正直、私としては相当に気分が悪くなるタイプ。なのに、例のヴェ〜〜〜〜ルゼをちょっと奇妙な発音でこれ見よがしにか、コントロールが甘くなるのか、引き延ばす・・ 終わりが不明という感じでちょっと落ち着かない気分がして、およそ19秒。それでも『キャリアを懸けている』ディーン・スミス(およそ21秒)には負け・・^^;;
関連記事:ヴェ〜〜〜〜〜〜〜ルゼ!
このテノール氏は、ジュネーブのトリスタンと東京のオペラの森の公演のオテロで聴いたことがありますが、映像だったからか、ここまでテノールらしからぬ声とは感じませんでした・・。
こんなテノール氏のせいで区別がつきにくいからか、フンディングの印象は希薄。ヴォータンとジークムントは共に舞台に乗っているときは、ジークムントはもう声も出せない状態ですから、かぶる場面が皆無なのは幸いです。
ジークリンデも暗くて重い感じで、若さも可憐さゼロで同情心がさっぱり刺激されません。私にとってはかなりのイメージずれです。この双子では、物語が彷彿、二人を巡る悲劇が心に迫るというわけにはきません。それから、ワルキューレたち、ほんとにうるさいというかやかましい・・こんなに騒々しいワルキューレたちは初めて。
この上演、少なくとも私のように主として歌を中心に聴く者にとっては、劇場鑑賞ならともかく、音だけで堪能は難しいというところでした。
ワーグナー:ワルキューレ
メトロポリタン歌劇場2008年2月2日
ロリン・マゼール指揮
ジークムント:クリフトン・フォービス
ジークリンデ:デボラ・ヴォイト
フンディング:ミハイル・ペトレンコ
ヴォータン:ジェイムズ・モリス
ブリュンヒルデ:リサ・ガスティーン
フリッカ:ミッシェル・デ・ヤング
★メトのワルキューレ(オットー・シェンク演出)まとめ
1986年9月 | 1988年3月 | 1989年 | 1997年4月 | 2006年6月 | 2008年2月 | |
新演出☆ | 放送 | DVD☆ | 放送 | 来日☆ | 放送 | |
指揮 | レヴァイン | レヴァイン | レヴァイン | レヴァイン | デイヴィス | マゼール |
ジークムント | ホフマン | ホフマン | レイクス | ドミンゴ | ドミンゴ | フォービス |
ジークリンデ | アルトマイヤー | リザネク | ノーマン | ヴォイト | ヴォイト | ヴォイト |
フンディング | ハウグラント | ハウグランド | モル | マカーディ | パーペ | ペトレンコ |
ヴォータン | エステス | アダム | モリス | モリス | モリス | モリス |
ブリュンヒルデ | ベーレンス | ベーレンス | ベーレンス | ベーレンス | ポラスキ | ガスティーン |
フリッカ | ファスベンダー | W.マイアー | ルートヴィヒ | シュヴァルツ | ナエフ | デ・ヤング |
★P.ホフマン、メトでの最初のジークムント 1984年2月 リザネク・ガラ、レオニー・リザネク、メト・デビュー25周年記念 ワルキューレ1幕(レヴァイン指揮 ホフマン、リザネク、マカーディ)
★P.ホフマンのジークムント まとめ:こちらの記事の下のほう
うふ♪ edcさんのこういう辛口の寸評がたまりません♪ (中毒に近いかしらん。)
by 佐々木真樹 (2008-02-11 19:30)
クリフトン・フォービス 東京オペラの森の「オテロ」聴き通すことができませんでした。
ワーグナーもヴェ~~~~ルゼを聞かせていただく限りでは聞きたくないテノール;;
ということは今年の注目引っ越し公演パリ国立オペラの「トリスタン」は迷うことありませんね。
ビシュコフにはちょっと未練があるのですが。
by ななこ (2008-02-11 20:11)
又お邪魔します。
クラウスケーニヒという名前に聞き覚えがあってちょっと調べたら、ハイティンク&バイエルン放送響のタンホイザーの録音を聞いてました。(1985年)
他の歌手は揃ってるのにタンホイザーだけどうもね・・;;という録音でした。
イエルザレムのヴァルターが素敵に聞こえてしまうくらいです。
ケーニヒはワーグナーテノールとして活躍してた人なのですね。
フォービスとなんだか似てる声質のような・・・
by ななこ (2008-02-11 22:29)
佐々木真樹さん
どうも〜〜♪♪ ワルクチばかり書いてごめんなさ〜〜い^^;という
気持ちですので、これでも控えてます・・です。
by euridice (2008-02-12 07:03)
ななこさん
>「オテロ」
どれも一種『苦行』かも。
何故こういうことをするのかと一瞬自己嫌悪に陥ったり・・^^;;;
>引っ越し公演
そうですね・・
>ハイティンク&バイエルン放送響のタンホイザー
そういえばそうなんですね。私はこのタンホイザー、何度も
買いそうになったけど、結局買いませんでした。
ワルキューレ1幕のほうを先に聴いていたからだと思います。
by euridice (2008-02-12 07:12)
オペラを鑑賞すると私もテノールの声は凄く気になりますねぇ。(^^;;)
UPして下さった音声ファイルを聞かせて頂きました。
若干ハスキーな感じに聞こえました。(^^;)
by YUKI (2008-02-14 14:15)
YUKIさん
>テノールの声は凄く気になります
やっぱり自分にとって心地良い声と歌い方じゃないと
オペラは長いですからね^^;
by euridice (2008-02-15 08:06)
こんばんは
ホフマンのジークムントはリザネック、アダムとの放送もあるのですね。1988年というのが微妙ですが、もし3人とも調子が良ければすごい演奏だったのではないかと思うのですがどうですか?
by たか (2008-02-20 20:57)
たかさん
1988年のメトの「ワルキューレ」はリザネク(1926.11.12-1998.03. 08 )の「ジークリンデさよなら公演」だったようです。誕生日が来たら62歳になるという年です。1986年のTV放送があってDVDもなっている「ローエングリン」は「オルトルートさようなら公演」だったとか。見てみたら、アダム(1926.08.01- )はリザネクと同い年なんですねぇ・・
ホフマンは確かに「微妙な」年だと思います。聞き流す分には気になるところはほとんどありません。声の美しさと魅力はそのままだと思います。ヘッドフォンでじっくり聴くと、たとえば1980年のバイロイトに比べて、良くないと思います。高い音を出しにくそうとか感じますねぇ・・このメトは1988 年3月ですが、1988年でもバイロイトのほうが調子が良いように感じます。1988年2月のメトのジークフリートの新演出出演を喉頭炎で全てキャンセルしていますから、このころはかなり調子が悪かったのではないでしょうか。
リザネクはオルトルートもジークリンデも大喝采ですね。若いころの録音も聴いたことがありますが、正直言って私はリザネクの声はあまり好きではありません。さよなら公演ともなると、普通に聴けばやはり気になりませんけど、ヘッドフォンでじっくり聴くと、年齢を感じざるを得ません。
アダムはバリトンですし、若者の役ではないですし、素敵です。
放送録音自体もあまり上質とは言えないと思います。混線(?)したりしているところもありますし・・
で、全部聴いてみました。悪くないです・・^^+++
by euridice (2008-02-21 14:56)
初演時のエステスの評判がいまひとつでビデオではモリスに代わったと聞いていたのですが、間にアダムが出ていたのですね。リザネクのジークリンデといえばフルトヴェングラー盤以来ですから半世紀近くも第一線で活躍したことになりますね。頭が下がります。
私が見た93年の来日公演はレイクス/ハース/ハウグランド/モリス/ジョーンズでした。レヴァインの指揮は深みには欠けますが、ビデオよりは数段良くなっているように思いました。
by たか (2008-02-21 18:06)
たかさん
>ビデオではモリスに代わった
へぇ〜〜そうなんですか・・
メトのデータベースによれば、
ワルキューレのモリス・ヴォータンは1989年から
(ラインの黄金のヴォータンは新演出時の1987年から)
それまでに、
エステス、マッキンタイヤー、ゾーティン、マツーラ、アダム
1989年以降は、モリス、ゾーティン、ヘイル ですが、
ほとんどがモリスですね。
2004年以降は二人ほど知らない歌手が8回ほど入っていますが、
その後またモリス。
by euridice (2008-02-21 22:03)
モリスはワルキューレのウオータンを1987年のCDでも歌っていますが、舞台では1989年からなのですか。その間に結構たくさんの人が歌ったのですね。個人的にはゾーティンのウオータンが聞きたかったと思います。
いずれにしても1988年にもホフマンがジークムントを歌っているのであれば、少なくとも1987年のCD録音はホフマンでも良かったはずだと思うのですが、レイクス/ノーマン/モル/モリス/ベーレンス/ルートビッヒという1989年のビデオと同じキャストになっているのは何か理由でもあるのでしょうかねえ?
by たか (2008-02-23 13:11)
たかさん
>1987年のCD録音
これはスタジオ録音でしたっけ?
>何か理由でもあるのでしょうかねえ
どうなんでしょう・・。
>モリスはワルキューレのウオータン
モリスの初ウオータン@ワルキューレは1984年バルチモアだそうです。
1985年サンフランシスコの放送録音とぼけぼけ映像を視聴しました。
指揮はデ・ワールト、レーンホフ演出で、
他の歌手はホフマン、アルトマイヤー、ジョーンズ、デルネシュ、トムリンソンです。
by euridice (2008-02-23 20:03)
>1987年のCD録音
CDは聞いていないのですが多分スタジオ録音だと思います。指輪をスタジオで録るのですからお金があったということですね(^^;
>1985年サンフランシスコ
良いキャスティングですね! シェローのバイロイトと結構ダブりますが、コンディションさえ良ければ1985年の方が良い演奏になったと予想します。
by たか (2008-02-27 21:23)
たかさん
ありがとうございます。
たしか「ジークフリート」「神々の黄昏」のCDは
テノールがゴールドベルクですね。
by euridice (2008-02-28 08:35)
今日(3月5日)のニューヨーク・タイムズに、来シーズンのメトロポリタン・オペラの記事がありました。
by サンフランシスコ人 (2008-03-06 02:27)
2008-9シーズンのメトロポリタンの「ニーベルングの指輪」
http://www.metoperafamily.org/metopera/season/subscriptions/ring/
by サンフランシスコ人 (2008-03-07 11:32)