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マリー・アントワネット [映画]

マリー・アントワネット (通常版)見たいような見たくないような・・と思いつつ、ついに見てしまいました。テレビです。

結論、おもしろかった。淡々とというか、だらだらと続く日常の描写は、ちょっと退屈・・と感じる部分もありましたけど、マリー・アントワネットの気分もきっとそうだったんだろうと思うと、けっこう感情移入してしまったり・・ 作られた歴史上の人物ではない、偉大ではないけど、かといって悪女でもないし、それほど軽重浮薄でもない、ごく普通のまともで、忍耐強く適応力も、しっかりとした判断力もある若い女性が、生き生きと存在していました。マリー・アントワネットが、いかにものお姫さまではないのが気に入りました。こういう描き方が新鮮というだけでなく、こちらのほうが真実だったのではないかと、納得でした。

ああいう時代の流れの中で、十代で見知らぬ世界にひとり放り出された女性がもっと賢く行動するべきだったと思うのは無理な要求でしょう。革命の民衆たちによる国王一家のヴェルサイユからパリへの強制移動・・・で終わっているのは、良い決断だったと思います。とにかく可愛そうな場面を見なくて済んでうれしかった。

マリー・アントワネットについては、まずは学校の歴史で知ったと思いますが、シュテファン・ツヴァイクの小説には引込まれました。ソフィア・コッポラ監督の映画ではとりたててどうということもなかったフェルゼン伯爵が、何と言っても印象的な登場人物でした。そして、この小説をもとにしたと思われる、タイロン・パワーがフェルゼン伯爵だった映画「マリー・アントワネット」には、新宿の映画館まで何度か通って、総入れ替えなんてなかったので、繰り返し見たものです。それでも、もうすっかり細かい内容は忘れてしまいましたけど。

ちょうどハイビジョン特集でハプスブルク帝国 第2回「女帝マリア・テレジア」を放送していたのを偶然見ました。各種登場するマリア・テレジアの肖像と、映画のマリア・テレジア、ほんとにそっくりでした。やっぱりこちらは女傑というか、凄い人だったみたい。子ども16人とか、スペクタクルが必要だという信念とか、統制のとれたオーストリア軍の再編と軍隊での体罰厳禁とか、帝国内の諸民族の言語、文化、習慣を尊重する形での義務教育を始めたとか、教会からも税金をとるようにしたとかなんとかかんとか・・へぇ〜〜と思うことがたくさんありました。それにしても、よくわかりませんけど、フランスは多民族国家だったオーストリアにとっても相当の異文化だったのかも・・


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Orfeo

TBありがとうございました。

ソフィア・コッポラというのは、かなり才能がありそうですよね。
味付けも大胆で、見るものをぐいぐいと引き込んでいく。
次の作品も楽しみにしたいです。
by Orfeo (2007-12-27 12:06) 

Cecilia

以前コメントいただいていましたが、TBさせていただきました。
いろいろな記事を見ましたが、ロックのこととマカロンカラーのことしか話題になっていなかったのが不満です。
ギロチンの場面はなかったけれど、一人の女性として描いているのは結構おもしろいと思ったので。
記事の中でロココの音楽とロック音楽が違和感があると書きましたが、私も普段いろいろ聴いているのでロック音楽のほうもそれなりに楽しめました。
クリスティ指揮レザール・フロリサンの音楽が楽しめ、この記事の後も延々とラモーやクープランのことを書きましたが、自分にとってとても勉強になり楽しかったです。
by Cecilia (2007-12-27 14:25) 

euridice

Orfeoさん、こちらこそありがとうございます。
>ソフィア・コッポラ
強い個性があるのでしょうねぇ・・
違和感なしに引込まれました。
by euridice (2007-12-27 20:28) 

euridice

Ceciliaさん、
>以前コメントいただいていました
そうでした。こちらからもTBさせていただきました。
この映画、見てよかったです。音楽についても違和感なしでした。
by euridice (2007-12-27 20:28) 

Cecilia

TBありがとうございます!
映画に使われているラモーのオペラの記事です。
「カストルとポルクス」
http://blog.so-net.ne.jp/santa-cecilia/2007-01-22
「プラテー」
http://blog.so-net.ne.jp/santa-cecilia/2007-01-23
http://blog.so-net.ne.jp/santa-cecilia/2007-01-24
「優雅なインドの国々」
http://blog.so-net.ne.jp/santa-cecilia/2007-01-26

マリー・アントワネットついでに・・・
実写版「ベルばら」をご覧になったことありますか?
http://blog.so-net.ne.jp/santa-cecilia/2007-01-29-1
by Cecilia (2007-12-27 21:05) 

euridice

Ceciliaさん、記事のリンクありがとうございます。この映画の音楽、心地よかったですが、知っている曲はなかったと思います。改めてCeciliaさんの記事を読んで、映画の記憶とラモーのオペラなど、付き合わせることができました。二度のオペラ観劇シーンは印象的でしたね。

>実写版「ベルばら」
これは存在も知りませんでした。ちょっとびっくり・・
「ベルばら」は有名だから知っているし、一部マンガを見たこともある程度で、
ファンではないです。世代的にちょっとずれるのかもしれません。
by euridice (2007-12-28 07:49) 

なつ

私が6月に書いた感想文にTBさせて下さい。

ソフィア・コッポラが「アメリカ人」「女性」であるという自分の立ち位置を崩さずに題材と向き合ったのに、好感が持てました。
ロケとセットはものすごく豪華ですね。正しいお金の使い方しているなーと思いました。

>各種登場するマリア・テレジアの肖像と、映画のマリア・テレジア、ほんとにそっくりでした。
私がよく行く下高井戸シネマのロビーに、マリア・テレジアを演じたマリアンヌ・フェイスフルがアラン・ドロンと共演した『あの胸にもう一度』のポスターが貼ってありますが、若き日の彼女、細くてお洒落!
by なつ (2007-12-28 22:50) 

euridice

なつさん、TBありがとうございます。おじゃまさせていただきました。

>ロケとセットはものすごく豪華
こういうこと、映画では大事ですね。

>マリア・テレジア
肖像も若い頃のはスリムで、実に聡明そうな女性
年を重ねるにつれて、堂々とふくよかになっていますね。
by euridice (2007-12-29 12:52) 

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