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ベルリオーズ「ベンヴェヌート・チェリーニ」 [オペラ映像]

2008.9.22追記
目下クラシカジャパンで放送中。字幕のお陰でおもしろかったこと。お風呂に入るのが地獄落ちと同じかそれ以上に嫌な、テレサの許嫁フィエラモスカ!
ドタバタ喜劇ですけど、しっとりとした美しい旋律もあります。やっぱり前にも一部載せたテレサの歌が好きです。チェリーニ(テノール)との二重唱もいいです。放送はメイキング付きです。

以下は2007.9.26の記事です。
このオペラ、まったくのお初で、このタイトルが何であるかも全然知りませんでした。若くて美しいソプラノが出演という話題から、視聴すること^^;に・・ hasidaさん、ありがとうございますm(_ _)m

このソプラノ、今シーズン、新国立劇場の「フィガロの結婚」で伯爵夫人の予定だということで、楽しみです。この「フィガロの結婚」新国では三回目の再演ですが、毎回興味をひくことがあり、皆勤となる予定です。新演出時は、ケルビーノ(エレナ・ツィトコーワ)とバルバリーナ(中村 絵里)が印象的で、どちらも今や新国のアイドル^^+ 再演は、伯爵(ヴォルフガング・ブレンデル)と伯爵夫人(エミリー・マギー)がお目当てでした。初演時の伯爵夫人(ジャニス・ワトソン)も、よかったです。今シーズンはスザンナ(ラウラ・ジョルダーノ)とフィガロ(ロレンツォ・レガッツォ)の評判でチケットを確保したのですが、伯爵夫人(マイヤ・コヴァレヴスカ)も興味の対象に加わったというわけです。(2007.10月追記:ラウラ・ジョルダーニ、キャンセル。健康上の理由と発表ですが、トリノのファルスタッフとダブっていました)

さて、このオペラ、まずベルリオーズなんですね。ベルリオーズは有名な幻想交響曲や管弦楽のイタリアのハロルドなどはけっこうよく聴いたものです。でも、「トロイ人」と「ファウストの劫罰」は数種類の映像を視聴しましたが、オペラはどうも苦手です。

次にタイトルを検索。中世イタリアの「偉大な彫刻家」の名前。彫刻家がどうすればオペラになるのかと思ったら、なんというか放蕩の限りをつくしたとんでもない人物らしい。数回の殺人も含まれるというから、凄いものです。で、このオペラは、数々の犯罪ですでに訴えられていた上、何回目かの殺人を犯したチェリーニ、保護者のローマ教皇もかばいきれず、ついに年貢を納めざるをえなくなったところ。しかし、ティーンエージャーの相思相愛の恋人がいるし、死にたくないチェリーニ、見逃してくれなければ、作りかけの彫刻を壊すと、教皇を脅迫。彫刻家としてよほど価値があったんでしょうか、教皇、一晩でその彫刻を完成したら許すことに。そこは、巨匠チェリーニ、見事にやり遂げ、恋人との結婚も果たし、めでたし、めでたしの、ドタバタ喜劇。

お目当ての新国の伯爵夫人、このオペラではタイトルロール、チェリーニの若い恋人テレサですが、オペラ標準的にはなかなかの美人、スタイルも良く、確かにトップ・モデルで行けそうです。が、女優としては・・期待過剰か、私の期待していた「凄い美人」とはどうも違う・・感じ。まさしくティーンエージャーというか、社交界デビューの良家のお嬢さま、地味・・というか。 

演出はいわゆる時代変更ですが、近未来的。スターウォーズに出て来たようなロボットが可愛いです。テレサは、はじめ遠目にはディズニーのお姫さまっぽいですが、途中からティンカーベルみたい。

初演以後、序曲ぐらいしか演奏されることがなかったそうです。そりゃそうでしょう。耳に残る旋律やリズムは少ないし、喜劇的人物ではなさそうなタイトルロールなのに、ドタバタ喜劇ですし、それにしてもローマ教皇を相当おちょくってて、この演出ではふざけた状況で聖体拝領までやってるし・・ 

それでも、どこかで耳にしたような美しい旋律もありますので、右下の画像につけました。マイヤ・コヴァレヴスカの声が聴けます。やはり新国立劇場の「ホフマン物語」新演出時、ミューズ&ニクラウス役で印象的だったエリナ・ガランチャと同じ北の国ラトヴィアのリガ出身だそうです。

ベルリオーズ(1803–1869):ベンヴェヌート・チェリーニ


ザルツブルグ音楽祭2007年
ワレリー・ゲルギエフ指揮
フィリップ・シュテルツル演出

チェリーニ:ブルクハルト・フリッツ
チェリーニの恋敵フィエラモスカ:ローラン・ナウリ
クレメンス七世:ミハイル・ペトレンコ
チェリーニの恋人テレサ:マイヤ・コヴァレヴスカ
テレサの父:ブリンドリー・シェラット
アスカーニオ:ケイト・オルドリッチ
DVD


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コメント 14

hasida

いえ、私も最初は「地味」とか「何か華が無い」とか家内に言っていたのですが、見れば見るほど元少年(オジサン)のツボに入ってきまして・・・
これを繰り返し見た後に例の「ファウスト」のゲオルギューを見て「オバサンだぁ」になってしまいました。
録音でごまかされているかもしれませんが、見た目華奢な割りにデカイ声が無理なく出ているような気もします。スザンナではなくて伯爵夫人をやる声質というのも判る気がします。私は行けませんが「フィガロ」大いに期待してよいのではないでしょうか(変な演出みたいですけど)。
by hasida (2007-09-26 21:53) 

euridice

>スザンナではなくて伯爵夫人をやる声質
そう思います。
>見た目華奢な割りに
強い声ですね。アップした部分など、とても魅力的です^^;
伯爵夫人、ほんとに楽しみです。
by euridice (2007-09-26 23:45) 

ななこ

彼岸花の群生地、お近くですか?!

コヴァレヴスカ
容姿はスザンナ、声質は伯爵夫人ですね。
メゾっぽいような感じもあるような・・

ベルリオーズははまった時期があります。
スーザングラハムのマルグリットが好きでした。
このオペラは知りません;;
by ななこ (2007-09-27 00:03) 

euridice

>彼岸花の群生地
駅のポスターなどで毎年見る巾着田、近そうですけど、まだ行ったことがありません。

子どものころ、土手や田んぼの畦にたくさん咲いていました。葉っぱなしで、いきなり派手に咲くので目立つ花ですね。土手の球根を掘って、庭に植えたことがあります。毒があるそうで、翌日友だちも一緒に学校を休んだ記憶があります。

だれか植えるのか、この辺では道ばたでも見かけます。上は生け垣の前、芝生の中から数年前から毎年芽を出します。
by euridice (2007-09-27 07:24) 

なつ

edcさん
紹介、ありがとうございます。
これがシコフが降りた『ベンヴェヌート・チェリーニ』なんですね。
スケジュールにこれが入ったとき、「新作オペラ?」と思ってしまったものでした (^^;
シコフ、歌手として舞台に戻ったようで、ひとまずほっとしています。

コヴァレヴスカ、ほんとうにコンテッサに合いそうな声ですね!
by なつ (2007-09-27 22:17) 

TARO

確かにチラッと聞いただけでも、すごく魅力的な感じが。「フィガロ」ますます行きたくなってきました。(行けるかどうかは判らないですけども。)

群生ではないにしても、このぐらいまとまって咲いていたら、かなり目を惹きますね。Wikiを見たら、「食べちゃったら後は彼岸(死)しかない」というのが名前の由来という説もあるんだとか・・・怖・・・
by TARO (2007-09-27 22:31) 

euridice

なつさん
>シコフが降りた『ベンヴェヌート・チェリーニ』
この情報、私もどこかでちらっと見て、新作オペラかと思ってました^^;
by euridice (2007-09-28 07:06) 

euridice

TAROさん
>「フィガロ」
行けるといいですね・・

>名前の由来
なるほど、おまけにお彼岸に咲きますし・・ 
by euridice (2007-09-28 07:14) 

hasida

本当に無名なのですね、このオペラ。

遅くとも「オペラのすべて'86」という音友のムックで題名は知っておりました(当然20年以上前)。不思議なのがこの作品を丸1頁で紹介していることで、これは「運命の力」「ドン・カルロ」と同じ扱いで、ヴェルディでもマイナーな10作品には3分の1頁しか割いていないのです。ロッシーニだと「エジプトのモゼ」「ランスへの旅」など取り上げられてもいません。で、その当時もデイヴィス指揮の唯一の録音が廃盤で入手不能、ですから有名になりようはなかったようです。
(もっとも「マイスタージンガー」もショルティ最晩年の録音が出る前の一時期に国内盤全て入手不能だったことを偶々知っております)

その次の接点が、今は
http://www.kurata-wataru.com/berlioz/berlioz.html
で読める文章がfjで公開されたとき、これも15年ほど前でしょうか。
そのとき以来機会があれば、と、この題名がインプットされていたのでした。
(ただしここで書かれている初演失敗の理由は、ザルツブルグの演出を見る限り失当と思われます。)
by hasida (2007-09-28 22:49) 

euridice

hasidaさん
執筆者にお好きな方がいらしたんでしょうか。
>「ランスへの旅」
いつごろからか知りませんが、ずいぶん有名になりましたね。

>本当に無名
ということで、音声ファイルの前後ですが、ビデオクリップをアップしました。ここが一番気にいりました^^;;
2番目の画像をクリックしてください。重いので、読み込みに時間がかかるかもしれません。
by euridice (2007-09-30 22:44) 

hasida

>お風呂に入るのが地獄落ちと同じかそれ以上に嫌な、テレサの許嫁フィエラモスカ!
これはポンペーオとの会話でしょうか?
面白いとは思っていましたが、こういう細かいところは全然分かってません。
クラシカジャパンを見えるようにはしていないので(地元ケーブルTVでは選べない・・)DVD化を気長に待ちます。

by hasida (2008-09-22 22:07) 

euridice

hasidaさん
テレサの家の召使い達に追い回されている場面で、「お風呂にいれるぞ!」と脅されてました・・
by euridice (2008-09-25 06:33) 

ななこ

録画はしましたがまだ未視聴です。
ベルリオーズの作品はみんな好きです。
音楽の雰囲気がなんとなく。
基本的に美しいですし。

こちらのクリップ拝見しますとドタバタハチャメチャな舞台みたいで私には理解出来ないかも?と思いましたが、ミハイル・ペトレンコの名前に記憶が・・・
確かどこかの印象的なフンディングではなかったですか?

これはちょっと頑張って視聴しなくてはと思いました。

by ななこ (2008-09-26 20:36) 

euridice

ななこさん
>ミハイル・ペトレンコ
そうです。エクサンプロヴァンスの映像でフンディングでした。
目立ってました。こちらでのぶっとんだ教皇様もなかなかはまってます。

by euridice (2008-09-27 08:25) 

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