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シェリル・ミルンズ [オペラ歌手]

シェリル・ミルンズ(Br、1935.1.10- アメリカ)は、オペラ事始めのころ見たこの映像のスカルピアでした。1幕の登場から2幕を、頻繁に見ました。
余談ですが、3幕に意味を見出したのは、ずっと後、ボローニャ歌劇場の来日公演でした。

機会があって、リサイタルとスロヴァキア・オペラの来日公演「トスカ」に行きました。トスカは佐藤しのぶ、カヴァラドッシはP.ドヴォルスキーでした。生のスカルピアはあの映像の若々しさに比してお年を召したという感じがちょっぴりがっかりでした。リサイタルのほうは、いかにも大きくて立派で、オペラ以外の歌もとても魅力的、中でも何だったか忘れましたが、英語の歌がよかったです。だれもが口ずさむような普通の歌を魅力的に聴かせてくれる、さすがプロの歌手は違うわ.....なんて思ったものです。

録音では「マクベス」をよく聴きました。

映像では、メトロポリタン歌劇場「トロヴァトーレ」のルーナ伯爵が好きです。マンリーコを千回殺してもあきたらないとののしるところ、はまってます。ああいう台詞をいかにもほんとうらしく聴かせてくれるのが最大の魅力かしら。パヴァロッティ@マンリーコ、マルトン@レオノーラ、ザッジック@アズチューナ。

エルナーニ*歌劇同じくメトの「エルナーニ」カルロ5世もいいです。これもテノールはパヴァロッティ、敵役のバスがR.ライモンディ。最初は緑のドレスでお腹をふくらますカエルが思われて困ったヒロインも慣れればなかなかよくて、歌舞伎風の大芝居が魅力的。謀反の相談をする貴族連中の前にいきなり登場する場面、かっこいいです。

メトロポリタン・オペラ ヴェルディ 歌劇「シモン・ボッカネグラ」大芝居と言えば、同じくメト、「シモン・ボッカネグラ」シモン大往生も。それこそ、この映像、そこだけしか記憶にない.....。

どちらかと言うと、スカルピア、ルーナ伯爵といった紳士でありながら屈折した悪の大芝居が似合うと思います。声はもちろん好きですし、舞台姿がきまるのが最高です。

ナブッコ、パリ・オペラ座

西部の娘、メトロポリタン歌劇場


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コメント 8

TARO

ミルンズはアメリカでは絶大な人気があると聞いてますが、そのわりには日本では人気がいまひとつでしたよね。どうしてなんでしょうね。
日本人が大好きなベームが好んで起用した歌手だったのに。

>紳士でありながら屈折した悪の大芝居が似合うと思います。

そうですね。声・歌い方・容姿ともにノーブルなのに、ちょっと毒も秘めてますよね。
by TARO (2007-03-07 12:05) 

ななこ

私のトスカ体験もこの映画からです。
サンタンジェロ城やファルネーゼ宮殿で実際にロケしてつくったのですよね。ライナカヴァイバンスカも美しいですね。
この二人のファルネーゼ宮殿での場面は迫力あります。
(ドミンゴはちょっと太りすぎていますが)

ミルンズは屈折した役が本当に合いますね。
これは褒め言葉としてです。
スカルピア、ヤーゴ ルーナは絶品だと思います。

例えばモリスなどはどうもこういう役はぴんと来ません。
by ななこ (2007-03-07 14:34) 

keyaki

TAROさん
>日本では人気がいまひとつでしたよね。どうしてなんでしょうね。
やっぱり、ミルンズが活躍した頃は、オペラはヨーロッパ、ということだったでしょうし、ミルンズ自身も日本で歌うより、ヨーロッパで舞台に立つことを優先させたでしょうし。
メトでは、30年間で653公演、しかもメインキャストですから、すごいことですよね。
それと、RRと同じで、背が高くて、威圧感があるってことかな。
ミルンズとは、舞台も録音も共演が多いRRですが、この二人が舞台に立っているだけで、華がありますよね。アメリカ人で、これだけ時代物のコスチュームが似合う歌手ってめずらしいかもしれませんね。

edcさん、ミルンズとRRが、同じ衣裳を着た写真をTBします。
パリ・オペラ座のナブッコも画質が悪いですけど、DVD出てますね。
by keyaki (2007-03-07 23:20) 

euridice

>パリ・オペラ座のナブッコ
そうでした。きんきら豪華なだけでなく、物語がよくわかる映像でした。これもRRと共演ですね。バンブリーのアビガイッレもよいです。

>ミルンズとRRが、同じ衣裳を着た写真
どちらもお似合いです。ミルンズのイヤリングが艶かしい!
by euridice (2007-03-08 07:38) 

euridice

>私のトスカ体験もこの映画から
映像が普及し始めたあの当時はこのトスカが映像による入門って感じだったかもしれません。今は選択肢が多いから、どれとは言えないかもしれませんね。

ロケした場所が美しいのもいいですね。スカルピアの執務室が特に好きです。トスカの衣装と部屋の装飾、色彩がよく合って・・・
by euridice (2007-03-08 07:52) 

euridice

>>日本では人気がいまひとつ
そうだったんですか。keyakiさんのお説の通りでしょう。記憶があいまいで、リサイタルでのご本人のお話だったような気がしますが、アメリカでオペラ歌手は評価されない、なんとか賞をくれたのはイタリアだって冗談めかしてました。アメリカ人オペラ歌手としては草分け的存在だったのかもしれません。
by euridice (2007-03-08 08:04) 

YUKI

シェリル・ミルンズって主人公の敵の役等を歌うと何となく迫力があって素敵ですねぇ!(^_^)
「マクベス」や「トゥロバトーレ」のルーナとかをかなり歌ってらっしゃいますよねぇ?!
彼はマスネの「ラオールの王」も怖さたっぷりで強烈なほどの印象が残っています。
by YUKI (2007-03-08 18:30) 

euridice

YUKIさん
>マスネの「ラオールの王」
リマと共演ですね。これは未だ全然知らないオペラです。ミルンズはトマの「ハムレット」の録音もありますね(聴いてませんけど)
by euridice (2007-03-09 07:28) 

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