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ヴェルディ「ルイザ・ミラー」 [オペラ映像]

Luisa Millerこのオペラ、ヴェルディの中では、相当なじみのない部類、少なくとも私にとってはほとんど完璧に興味の外でしたが、この映像、たぶん手当たり次第のオペラ映像三昧のころ手に入れて、しまいこんであったみたいです。一度ぐらい、ぼーと見たのでは、話がほとんどわからないというか、すぐ忘却の彼方に・・・。かなり入り組んだ筋立てです。日本語字幕無しも一因でしょう。おまけに私の耳では、記憶に残るメロディーが全然なかった・・ 

六分以上も続く序曲、特徴的なメロディーもリズムも感じられず、かなり退屈。
幕が上がると牧歌的風景の中に女声のほうが絶対多数って感じの合唱団の姿。女性団員が指揮をしながら、唐突に村一番の器量よしで性格も最高のルイザちゃん讃歌を歌います。朝っぱらから、村中総出で、ルイザちゃん起きて!と歌うのはちょっとねぇ.... トゥーランドット姫じゃないんだし^^; なんて思いながら見てましたが、ネット検索情報によれば、この日はルイザのお誕生日だったらしいです。

しばらく我慢していると、ルイザ(S)、ルイザの父親、退役軍人?(Br)、そしてよそ者のルイザの恋人自称カルロ(T)が登場。ルイザは彼への想いを、父親はどこの馬の骨かわからない男との娘の恋の行く末に対する不安を、カルロが登場後は二人が幸福感を歌い上げ、全員去って、父親だけ残ったところに、領主である伯爵の秘書官だか事務官だか代官だかが登場。

この男ヴルム(Bs)、ルイザを妻にと望んでいて、彼女が受け入れればという条件付きで父親の了解を得ているのだか、事が進まないのでいらついています。当時のことですから、父親が命令しさえすれば済むこととルイザの父親に迫ります。父親は自分は横暴な父親ではないと拒否。ヴルムは、カルロが領主の息子であることをばらします。父は娘がだまされているのではないかと悩み、神の加護を祈ります。ここで幕。

領主である伯爵の館内。ヴルムと伯爵。ヴルムは伯爵に息子ロドルフォの恋を告げ、伯爵は息子の結婚相手として、姪で息子とは幼なじみのフェデリカ(Ms)を伴ってきたと告げます。伯爵は息子の親不孝を嘆きます。
「伯爵登場のアリア」... 息子が幸福をつかみ、権力を得るのを見るために、命がけなのに、息子はそれを知らず、反抗する・・・何と言う親不孝者か!!!

フェデリカはもともとロドルフォが好きだったけど、父の命令でロドルフォへの想いを断ち切って、某公爵家に嫁いだのですが、夫が戦死し、今は夫の身分と財産を相続している上、ドイツ帝国皇后と親しいので、伯爵は息子の出世のためにこの結婚をなんとしても成立させたいのです。

ヴルムに呼ばれたロドルフォが登場。父子の言い争い。フェデリカ登場。かつての幼なじみ同士の言い争い。

ミラー家の庭。父は自称カルロの身分を明かし、この恋をあきらめるよう娘を説得。そこへロドルフォ登場。彼女との結婚の決意を語ります。追いかけるように伯爵。反抗的な態度をとった父親を逮捕。娘のほうも逮捕しようとしますが、息子に秘密をばらすと脅されて、娘を放します。

実は、ヴァルター伯爵、従兄弟でもあった前領主を暗殺して新領主になったばかりなのです。前領主はならず者に襲われたということになっているのですが、瀕死の彼をロドルフォが見つけ、事の真相を聞いていたというわけ。父の犯罪を告発もできず、胸にしまった息子。この暗殺にはヴルムも加わっています。彼はもともと前領主に仕えていたようです。前領主には跡継ぎがなく、従兄弟の現領主がとりあえず後継者ということだったらしいのですが、前領主が結婚することになったことをヴルムから聞かされ、跡継ぎ誕生を懸念して、暗殺に及んだらしい・・・

一人残されたルイザのところにヴルムが来て、父を助けたかったら、自分宛の手紙を書けと強要。内容は、ロドルフォとの恋は、彼の身分を知って、富と地位が目当てで彼を誘惑したのであって、実はヴルムを愛している。ロドルフォの怒りを避けるために、今晩、駆け落ちしましょう。
この手紙作戦こそ、原作、シラーの戯曲の題「たくらみと恋」の「たくらみ」で、これはヴルムが伯爵に提案、了解を得たもの。

父の命はお前にかかっているとさんざん脅され、泣く泣く署名。ヴルムはさらに、領主の館に来て、フェデリカの前でロドルフォではなく、愛しているのはヴルムだということを証明するように要求。次の場面でこれが実行される。

策略通り、ロドルフォはルイザのヴルム宛の手紙を読む羽目に。嫉妬と疑念に苛まれ、怒りを爆発させた後、一転、ルイザとの甘い思い出を歌います。

そして、ヴルムを呼びよせ、決闘を迫りますが、ヴルムはいきなりあらぬ方向に銃を発射、銃声に驚くロドルフォを尻目に逃走。

悲しみにくれるルイザ。父が釈放され戻ってくる。父はルイザの犠牲に感謝する。ルイザが自殺をほのめかすので、父は自殺は神に対する大罪であると考えを変えるようにと説得する。ルイザは自殺を思いとどまり、明朝父娘二人でこの地を捨てて放浪の旅に出ようということになる。父娘の悲しい二重唱。明朝などと言わず、さっさと夜逃げすればよかったのに・・・

寝る前の祈りをしているルイザ。そこに、フェデリカとの婚礼を前にしたロドルフォ登場。水差しに毒を入れる。ロドルフォは手紙を示して詰問。答えないルイザ。ロドルフォは激しい喉の渇きを訴える。ルイザは水差しからくんで、彼に与える。一口飲んだロドルフォ、「この水は苦いな」とルイザに差し出し、彼女もそれを飲んでみる。恨み言をいいつつ、毒がまわって苦しみはじめるロドルフォ。心配してもう一口水を..と勧めるルイザ。こいつ毒のことを知って勧めているのか?と疑心暗鬼のロドルフォ。なおもルイザをののしり続ける。

ここで、なぜかDVDがストップ。残念なことに、クライマックスの詳細がわかりません。

この後、多分ルイザが事実を話し誤解がとけるも、時すでに遅く二人は息絶えるのでしょう。ルイザの父親、伯爵、ヴルムらが駆けつけるも、為す術もなし。ロドルフォは最後の力を振り絞り、ヴルムを刺し殺し、父伯爵に向かって、全てあなたの罪だと叫ぶらしいです。

ヴェルディ:ルイザ・ミラー
リヨン・オペラ 1988年
マウリツィオ・アレーナ指揮
ジャック・ラッセル演出

ルイザ:ジューン・アンダーソン(S)
伯爵の息子、ロドルフォ:市原太朗(T)
ルイザの父、ミラー:エドワルド・トゥマジャン(Br)
領主ヴァルター伯爵:ポール・プリシュカ(Bs)
伯爵家の家来、ヴルム:ロムアルド・テサロヴィチ(Bs)
伯爵の姪、公爵夫人:??(Ms)

メトロポリタン歌劇場の映像
luisamiller.jpg

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コメント 2

keyaki

市原太朗さんの「この穏やかな夜には」いいですね。
アップありがとうございます。
こういう落ち着いた声というのかな、変に甘っちょろくない声、好きです。
by keyaki (2006-05-28 09:50) 

euridice

keyakiさん、聴いてくださってありがとうございます^^;
同感です。いいですよね....
見かけは、パタリロみたいですが、なかなか品がいいです^^!

http://www.k3.dion.ne.jp/~wharfull/LOVELOG_IMG/200504168c17fc02-s.jpg
by euridice (2006-05-28 10:35) 

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