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ワーグナー作曲 オペラ「トリスタンとイゾルデ」 [オペラ]

ルキーノ・ヴィスコンティ DVD-BOX2 3枚組 ( イノセント / ルードウィヒ 完全復元版 / 熊座の淡き星影 )トリスタンとイゾルデの物語は、ヨーロッパでは広く流布されている伝説のひとつらしいです。ドニゼッティの喜劇オペラ「愛の妙薬」は、トリスタンとイゾルデが飲み、破滅的な恋に陥った「媚薬」がモチーフになっています。現実にそんな激しい恋におちる男女がどれほどいるのか、そんな経験ゼロの私には想像もできませんが、そういう物語にはひきつけられます。

ワーグナーの「トリスタンとイゾルデ」に興味をもったきっかけは、ヴィスコンティ監督の映画「ルートヴィヒ」でした。レンタル・ビデオ三昧していたころに出会いました。すっかり取り憑かれて、何度も繰り返し観ました。この中で、ワーグナーのオペラがつかわれていたわけです。特に印象的だったのが、タンホイザーの「夕星の歌」とトリスタンとイゾルデの「愛の二重唱」でした。どちらも歌はなく、管弦楽だけで演奏されています。画面との相乗効果がほんとうにすばらしいです。他に、シューマンの「子どもの情景」も印象的です。

Wagner: Tristan und Isoldeタンホイザーはすぐどの部分かわかりましたが、トリスタンとイゾルデのほうは、CDを買ったものの、場所を特定するのにちょっと手間取りました。そのためにはじめて買ったCDが、バーンスタイン指揮でした。あのジャケットのペーター・ベーレンスの版画もとても気に入っています。まるで主役二人がモデルのようじゃないですか?

コーンウォールは、アイルランドに貢ぎ物をしていましたが、これを拒否。コーンウォール王の甥トリスタンは、アイルランドの王女イゾルデの婚約者と一騎打ちをして、これを討ち取ります。しかし、自身も毒を塗った剣で深手を負います。この毒を消し、傷を癒すことができるのはアイルランドの王女イゾルデ。そこで、トリスタンは小舟に乗ってアイルランドへ渡ります。タントリスと名乗って治療を受けます。イゾルデは、彼が婚約者の仇であることを見抜き、刺し殺そうとしますが、トリスタンのまなざしに心をひかれ、見逃します。
まもなく両国は立場が逆転。ある日、トリスタンはコーンウォール王の求婚の使者としてイゾルデの前に現れます。イゾルデと侍女が乗ったコーンウォールへの輿入れの船上から、このオペラは始まります。

二人は互いへの恋心を秘めたまま、イゾルデは敵愾心をつのらせ、トリスタンは感情を押し殺します。一幕は挑発するイゾルデ、内にこもるトリスタン。この拮抗関係が、侍女の機転かとっさの打開策か、彼女の差し出した愛の媚薬によって崩れ、二人はなりふりかまわず、すべての束縛から解放され、心を開きます。船はコーンウォールに到着、マルケ王が、若く美しい王妃を迎えます。

二幕、もはや二人を止めるものは何もありません。それでも、人目をしのんで逢い引きを繰り返します。しかし、気づくものはすぐに気づき、ねたみにかられたトリスタンの親友の計略にまんまとはまり、逢い引きの現場に踏み込まれます。人格者マルケ王は嘆き、トリスタンは恥じ、親友に決闘を挑み、重傷を負って倒れます。

三幕、トリスタンの故郷カレオール。剣の毒と傷のため気絶したままのトリスタン。忠実な従者クルヴェナルが運んだのです。悲しい調べに意識を取り戻すトリスタン、すぐにイゾルデを狂おしく求めます。譫妄状態に陥るトリスタン。従者クルヴェナルは傷の治療のため、背に腹は代えられずで、イゾルデを呼びにやったのでした。待ちこがれるトリスタン。到着したイゾルデの腕の中で息絶えます。マルケ王、トリスタンを陥れた友、侍女ブランゲーネたちもやってきます。なぜかとんでもない行き違いのなか、戦闘が行われ、クルヴェナルをはじめ、何人もが生命を落とします。悔やむ王。トリスタンの死を嘆きつつくずおれ、息絶えるイゾルデ。

好きな部分が少しずつ増えて、今は、およそ4時間半、どこをとっても聴き所ですが、自分の感性に合って心地よい演奏であることが、不可欠だと思います。私の場合、特に、声。これが気持ちよく感じられないと、いけません。

映像・録音・劇場で
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コメント 5

佐々木真樹

はじめまして。
コメントを書くのは初めてですが,euridiceさんのブログでとりあげる内容が私の大好きなジャンルなので,実は,よくお邪魔しております。
トリスタンとイゾルデ,ワグナーの中で一番好きです。(&ルードウィヒはヴィスコンティの作品の中で好きなものベスト3に入ります。)
私が持っているのは,クナッパーツブッシュ指揮のものです。(バーンスタインは,残念ですがハイライト集だけ。)
トリスタンとイゾルデの二重唱,何度聴いてもゾクッときます。
by 佐々木真樹 (2005-07-18 09:33) 

euridice

はじめまして。読んでくださってるとのこと、うれしいです。

この映画は映画館でも観ましたが、レンタルビデオでも何度繰り返し観たかわからないほどです。オペラというものに興味を持つ前でしたが、後になって、これってとってもオペラ的な映画だったんだ...と思ったものです。

>(バーンスタインは,残念ですがハイライト集だけ。)
是非、全曲聴いてみてください。あのハイライト、選曲というか、抜粋の仕方が変わってておもしろいです^^;

どうぞ、また気楽にコメントもしてください。お待ちしてます。
by euridice (2005-07-18 10:21) 

TARO

ワグナーの未発表のピアノ曲だかが使われてたのも、この映画でしたっけ。
「トリスタンとイゾルデ」はロミー・シュナイダーが湖を渡ってくるシーンでした?なんか最近とみに記憶力が・・・
by TARO (2005-07-18 23:43) 

euridice

>ロミー・シュナイダーが湖を渡ってくるシーンでした?
そうです。湖の島の別荘のルートヴィッヒを訪問して、妹のゾフィとの結婚を勧めるところです。ルートヴィヒはトリスタンの上演に来てほしいと言います。そんなシーンだったと思います。私も記憶力は衰えっぱなしです・・・から、間違っているかもしれません^^;

>ワグナーの未発表のピアノ曲
これは確かでしょう。サントラのCDが手元にあります。エンドロールで鳴ってたような・・・
by euridice (2005-07-19 00:35) 

TARO

euridiceさん

もうなんか、昨日のことも覚えていられなければ、昔のことも思い出せないんですよ。まして映画・・・

気を取り直して、
>湖の島の別荘のルートヴィッヒを訪問して、妹のゾフィとの結婚を勧めるところです。

あ、やはりそうでしたか。美しい映像でしたね。
ロミー・シュナイダーは私の好きなタイプとはちょっと違うんですが、あれだけ美しいとやはり魅きつけられますね。

それにしても関連記事に「犬部屋模様替え」って・・・。
by TARO (2005-07-19 12:51) 

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