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トリスタンとイゾルデ [オペラ映像]

ワーグナー:トリスタンとイゾルデ

レナート・バーンスタイン指揮
1981 ミュンヘン、バイエルン放送交響楽団 DVD
☆☆☆☆☆
 配役
tristanb.jpgトリスタン ペーター・ホフマン
イゾルデ ヒルデガルド・ベーレンス
クーベナル ベルント・ヴァイクル
ブランゲーネ イヴォンヌ・ミントン
マルケ王 ハンス・ゾーティン
若い水夫 トーマス・モーザー
羊飼い ハインツ・ツェドニク
メロート ヘリベルト・シュタインバッハ
舵取り ライモンド・グルンバッハ

ライブ録音のCDがPHILIPSから出ていますが、これは当時テレビ放送されたものの録画映像でしょう。画質は一応見られるレベルなのがうれしいです。演奏会形式とはいっても、正装してオーケストラの前で歌うのではなく、オーケストラの後ろに狭いながら舞台があり、それらしい衣装で、小道具などは一切なしですが、心理描写は十二分の熱演です。バーンスタインの指揮姿もいいです。正規版CDは、三回の公演、ゲネプロ、修正のための演奏などを総合して編集されているそうです。テレビ放送のほうが修正、編集は少ないと思われますが、確かに臨場感、生の感動は強いようです。正規版の発売、もしくはテレビ放送を期待しています。

2018年7月、正規版映像が発売されました。ワーグナー : 楽劇「トリスタンとイゾルデ」(演奏会) (Wagner : Tristan und Isolde / Leonard Bernstein | Chor und Symphonieorchester des Bayerischen Rundfunks) [Blu-ray] [Live] [輸入盤] [日本語帯・解説付]








その他の映像
1)ダニエル・バレンボイム指揮 パトリス・シェロー演出 スカラ座シーズン開幕公演2007年12月 2009年9月TVクラシカジャパン
トリスタン:イアン・ストーリー、イゾルデ:ワルトラウト・マイアー、ブランゲーネ:ミシェル・デ・ヤング、クルヴェナル:ゲルト・グロチョスキ、マルケ王:マッティ・サルミネン、メロート:ウィル・ハルトマン
見ながらちょっと落ち着かなかった衣装や舞台の時代、場所など、結局どうでもいいという気になりました。これで、トリスタンがまさにトリスタンだと感じられたら、もう最高で、夢中になれる映像だったかも・・ (2009年2月に縁あって劇場で鑑賞)

video051.jpg2)☆☆☆ダニエル・バレンボイム指揮 バイロイト音楽祭1983 ポネル演出 LD DVD
トリスタン:ルネ・コロ、イゾルデ:ヨハンナ・マイアー、ブランゲーネ:ハンナ・シュヴァルツ、クーベナル:ヘルマン・ベヒト、マルケ王:マッティ・サルミネン、メロート:ロベルト・シュンク
映像では舞台の美しさがわからないのではないかと思います。
この演出はこの後1986年と1987年に再演されます。そのときのトリスタンはペーター・ホフマン、イゾルデは1986年初日ジャニーヌ・アルトマイヤー、2回目イングリット・ビョーナー、後半と1987年はカタリーナ・リゲンツァ。

video055.jpg3)☆☆☆ピエール・ブーレーズ 指揮 バイロイト音楽祭来日(大阪) 1967 ビデオ(白黒)
トリスタン:ヴォルフガング・ヴィントガッセン、イゾルデ:ビルギット・ニルソン、マルケ王:ハンス・ホッター、ブランゲーネ:Herthe Toepper、クーベナル:Hans Andersson
演奏のテンポに違和感がなくて気にいりました。イゾルデは角度によっては美しく、それらしく見えるし、演技がうまいのに驚きました。お腹が出ているのと、胸がすごすぎるのでスタイルが悪いし、髪形がよくないです。表情は時によくないが、時にいいです。ブランゲーネは文句なしにいいと思いました。クーヴェナールは品がない感じがします。トリスタンは...... 私のイメージするトリスタンじゃないです、やっぱり。声も見かけも老けているし、...1幕を見たかぎりでは不満。期待が大きかったから、ちょっとがっかり。(2幕)2幕の終のトリスタンの歌はよかったです。マルケ王もすごくいいというか、うまいというか、品もあるし。前に聞いたバイロイトのベーム指揮のCD(大体同じキャストだったと思います)よりこの演奏の方がずっと好きです。2幕の私の好きなトリスタンの歌、カットです。(3幕)よくないと思いました。演技下手が音楽をじゃましているのか、歌がそれほどでないから、演劇的にも盛り上がらないのか、クーヴェナルも、トリスタンもとにかく芝居にならないから、退屈。感情移入ができないから、イゾルデが登場しても彼女の歌が虚しいです。

video052.jpg4)ズービン・メータ指揮 バイエルン国立歌劇場 ペーター・コンヴィチュニ演出 1998 TV DVD(外国版)
トリスタン:ジョン・フレデリック・ウェスト、イゾルデ:ワルトラウト・マイアー、ブランゲーネ:マリヤナ・リポヴシェク、クーベナル:ベルント・ヴァイクル、マルケ王:クルト・モル
前に見たバイロイトのマイヤーよりもずっと好き。はじめはなんだか....だったブランゲーネもだんだんよくなった。クーベナルもOK マルケ王はいいけど、ちょっと落ち着きがないような......。
フィナーレは、死後結ばれるという設定なのか、トリスタンが起き上がってイゾルデと共に舞台の外に出てしまう。二人で幕を閉めて、そこで、イゾルデは例の愛の死を歌う。台本通りのフィナーレがいいと思うけど、 ま、いいでしょう。けっこうおもしろく観てしまいました。トリスタンはま許容範囲でしょうか。でも、声だけならともかく、見ると、どうもふざけているようにしか見えん奴だなあ???  これって喜劇として演出されているのかもしれません...........

5)Jiri Kout指揮 ベルリン・ドイツ・オペラ来日 ゲッツ・フリードリッヒ演出 1993 TV DVD
トリスタン:ルネ・コロ、イゾルデ:ギネス・ジョーンズ、ブランゲーネ:ハンナ・シュヴァルツ、クーベナル:ペーター・エーデルマン、マルケ王:ロバート・ロイド
トリスタンもイゾルデも容姿だけじゃなくて、声も、やっぱり老けましたね.....   (1994.4.6記)

video059.jpg6)カール・ベーム指揮 フランス国立管弦楽団 ニコラウス・レーンホフ演出 オランジュ音楽祭 ピエール・ジュルダン  1973 LD DVD
トリスタン:ジョン・ヴィッカーズ、イゾルデ:ビルギット・ニルソン、クーベナル:ワルター・ベリー、ブランゲーネ:ルート・ヘッセ、マルケ王:ベングト・ルンドグレン
強風の中。暗くてほとんど何も見えず、せっかくの簡素でよさそうな舞台もよくわかりません。2幕の好きな部分がカットなのが残念です。(1991.12.28記)

video05_jm.jpg7)ダニエル・バレンボイム指揮 バイロイト音楽祭1994 ハンナ・ミューラー演出 TV
トリスタン:ジークフリート・イェルザレム、イゾルデ:ワルトラウト・マイアー、ブランゲーネ:ウタ・プリュー、クーベナル:ファルク・シュトルクマン、マルケ王:マティアス・ヘレ
首のまわりにわっかのある衣装、目障りです。髪型も似合わない感じ。「最高の演出」って評もあるけど、私は全然好きじゃなかった。実際に舞台を観れば美しいのかもしれないけど、テレビでは、全然でした。映像的には魅力なし。舞台上の動きが硬いというか、全体的に硬直してる感じ。叫んでる感じが強くて心地よくないです。(1996.12.26記)

video056.jpg8)ジェームズ・レヴァイン指揮 ディーター・ドルン演出 メトロポリタン歌劇場 DVD(外国版)
トリスタン:ベン・ヘップナー、イゾルデ:ジェーン・イーグレン、クーベナル:ハンス・ヨアヒム・ケテルゼン、マルケ王:ルネ・パーペ、ブランゲーネ:カタリーナ・ダライマン
沈黙・・・

trisoabad.jpg9)クラウディオ・アバド指揮 ルツェルン音楽祭2005年 TV(NHK-BS2)
トリスタン:ジョン・トレレーヴェン、イゾルデ:ヴィクトリア・ウルマーナ、ブランゲーネ:藤村実穂子、マルケ王:ルネ・パーペ
演奏会形式 2幕のみ

trisospain.jpg10)ベルトラン・ド・ビリー指揮 アルフレート・キルヒナー演出 バルセロナ、リセウ劇場2002
トリスタン:ジョン・トレレーヴェン、イゾルデ:デボラ・ポラスキ、クルヴェナル:ファルク・シュトルックマン、ブランゲーネ:リオバ・ブラウン、マルケ王:エリック・ハルフヴァルソン
disgusting ....

video05_swiss.jpg11)アルミン・ジョルダン指揮、スイス・ロマンド管弦楽団 オリヴィエ・ピー演出 ジュネーブ大劇場2005年 外国版DVD
トリスタン:クリフトン・フォービス、イゾルデ:ジャンヌ=ミシェル・シャルボネ、クルヴェナル:アルベルト・ドーメン、ブランゲーネ:藤村実穂子、マルケ王:アルフレード・ライター
2幕以降、なかなかおもしろい。

12)琵琶湖ホール 2010年

13)グラインドボーン音楽祭 2007年

録音
cd051.jpg1)バーンスタイン指揮 バイエルン放送交響楽団1981 ライブ  PHILIPS
トリスタン:ペーター・ホフマン、イゾルデ:ヒルデガルド・ベーレンス、ブランゲーネ:イヴォンヌ・ミントン、クーベナル:ベルント・ヴァイクル、マルケ王:ハンス・ゾーティン、若い水夫:トーマス・モーザー、牧人:ハインツ・ツエドニク、メロート:ヘリベルト・シュタインバッハ

演奏時間、約266分と書いてあります。ヴィスコンティ監督「ルートヴィッヒ 神々の黄昏」で異常に盛り上がる音楽のもとを聴きたくて。当時は5枚組で、1枚ずつケースに入っていました。後に4枚組で、ひとつのケースになりました。ジャケットの絵がとても気に入っています。1幕ずつ3回にわけてミュンヘン、ヘラクレスホールで演奏会形式で上演されたもののライブ録音。
この録音、毀誉褒貶が非常に激しいようです。職業的批評家も、素人批評家も意見が両極端にわかれています。絶賛の最右翼はこれ、オペラ・ノート~バーンスタイン/バイエルン放送交響楽団、他 吉田秀和 ヴァーグナー『トリスタンとイゾルデ』p118-  私は、他人の意見とは無関係に、大好きです。情景と心理が見える演奏だと思います。参照(1)    参照(2)

ディオニソスさんとオデュッセウスさんのサイト<小さな音楽家たち>の、「楽劇の魅力と不思議」というコーナー、興味深いです。トリスタンとイゾルデの聴きどころ、私も投稿させていただきました。(2004.11.22)

2)バレンボイム指揮 バイロイト音楽祭1987.8.2 ポネル演出 NHK-FM
トリスタン:ペーター・ホフマン、イゾルデ:カタリーナ・リゲンツァ、クーベナル:ボード・ブリンクマン、ブランゲーネ:ハンナ・シュヴァルツ、マルケ王:マッティ・サルミネン、若い水夫&メロート:グラハム・クラーク、牧人:ヘルムート・パンプフ

演奏時間、およそ230分。同好の方のお陰で聴けました。感激です。映像が出ている1983年バイロイト音楽祭のものと同じプロダクションです。

『ホフマンの演奏では1987年のバイロイトでのトリスタンがお気に入りの一つです。いまでも、トリスタンを聴きたくなったらバーンスタイン盤ではなく、このエアチェックを聴きます。1981年の録音では歌をきちんと歌っているだけに聴こえるのですが、6年後のバイロイトではとても切ないトリスタンを見事に歌いきっています。この年の1回目のサイクルはきくに耐えない絶不調で中継用の録音をやり直したのですが、それでもみごとです。リゲンツァのイゾルデもいいです。』この録音を譲ってくださった方の評です。

3)バレンボイム指揮 バイロイト音楽祭1986 ポネル演出 Celestial Audio
トリスタン:ペーター・ホフマン、イゾルデ:ジャニーヌ・アルトマイヤー、クーベナル:エッケルハルト・ヴラシハ、ブランゲーネ:ワルトラウト・マイヤー、マルケ王:マッティ・サルミネン、メロート:ロベルト・シュンク、若い水夫:グラハム・クラーク、牧人:ヘルムート・パンプフ
2005.9.29入手

4)大植英次指揮  Christoph Marthaler新演出 バイロイト音楽祭2005.7.25  ネットラジオ http://www.br-online.de/bayern4/frequenzen/index.shtml Bayern 4 Klassik(ドイツ)32kbps WMP (一幕)
mms://straum.nrk.no/akh  ノルウェー NRK170kbps WMP (二、三幕)
25日11:00pmごろ~
Montag 25. Juli 2005, 15:24 Uhr 日本時間7月25日午後11時ちょっと前から
トリスタン:ロバート・ディーン・スミス、イゾルデ:ニナ・シュテンメ、クーベナル:アンドレアス・シュミット、ブランゲーネ:ペトラ・ラング、マルケ王:クワンチェル・ヨウン

ネットラジオ、同時生中継。まあ、なんという時代になったのでしょう!! FM放送よりも、はるかに安定して聴きやすい。演奏時間、およそ230分。
ネットラジオで音はいいとは言えないにしても、トリスタンの声、軽いし、ニュアンスに欠けるような。魅力的とは言い難い。 声で心理を表現していない、こういうのを一本調子というのかしら。三幕はほんとに死にそうだった。死ぬ前は、もう完全にへろへろでした。イゾルデはいいようだけど、お相手がこれでは・・・。
トリスタンの歌手、新国立劇場「ワルキューレ」でジークムントだった。視覚的にもとても魅力的とは言い難い。衣装は、明るい青の背広姿だったみたいだし、化けられないでしょう。
ブランゲーネは上野で観た「パルジファル」のクンドリーだった。
舞台写真、配役:http://www.bayreuther-festspiele.de/Anfangsseite/Deutsch.htm
(2005.7月記)

2006年8月2日
ペーター・シュナイダー指揮  Christoph Marthaler演出 バイロイト音楽祭2006.8.1  ネットラジオ
トリスタン:ロバート・ディーン・スミス、イゾルデ:ニナ・シュテンメ、クーベナル:ハルトムート・ヴェルカー、ブランゲーネ:ペトラ・ラング、マルケ王:クワンチェル・ヨウン
http://real1.radio.hu/bartok/index.htm

trisomser.jpg5)クリスチャン・ティーレマン指揮 ウィーン国立歌劇場ライブ 2003 NHK-FM
トリスタン:トーマス・モーザー、イゾルデ:デボラ・ヴォイト、クーベナル:ペーター・ウェーバー、ブランゲーネ:ペトラ・ラング、マルケ王:ローベルト・ホル

雑音もあるが、トリスタンの声、ウツクシクナイと感じます。 こもったようで耳障りな部分が多いようです。 この人、バーンスタインのトリスタンで若い水夫、カラヤンのオランダ人ではかじとりを歌っていましたが、そのころはきれいな澄んだ声だったのに。 ショルティの影のない女で、皇帝でしたが、これは好きじゃなかったです。とにかくこのカップル、必死で歌ってるというか、叫んでるという感じがします。長くドイツ物を歌っている歌手にしては、ドイツ語もいかにも外国人的というか、頑張ってますねという印象で、英語のような発音も・・・ プロンプターの声がよく聞こえます。

cd052.jpg6)カルロス・クライバー指揮 ドレスデン国立管弦楽団1982 DG
トリスタン:ルネ・コロ、イゾルデ:マーガレット・プライス、ブランゲーネ:ブリギッテ・ファースベンダー、クーベナル:ディートリッヒ・フィッシャーディースカウ、マルケ王:クルト・モル、メロート:ヴェルナー・ゲッツ

どこかさめた感じがします。登場人物の人間関係が希薄というか・・・ トリスタン、とってもやわらかい声がちょっと...... 各演奏者がそれぞれ勝手に自己陶酔って感じがしてしらけるみたいです。

cd053.jpg7)ベーム指揮 バイロイト音楽祭1966 ヴィーラント・ワーグナー演出 DG
トリスタン:ヴォルフガング・ヴィントガッセン、イゾルデ:ビルギット・ニルソン、ブランゲーネ:クリスタ・ルートヴィッヒ、クーベナル:エーベルハルト・ヴェヒター、マルケ王:マルtッティ・タルヴェラ、若い水夫:ペーター・シュライヤー

これこそ定番とか、最高と言う人が多いようなので、がんばってみましたが、わかりません.......トリスタンは弱く歌うところは気にならないけど、強く歌うところでは年齢を感じてしまうのが...... イゾルデも繊細さを感じないのが...... 。 他のみんなの心を奪う演奏かもしれないけど、私は奪われないわ.... 「おどろおどろしさ」を感じる聴き手もいるようですけど、感じられないのがとても残念です。

cd059.jpg8)カラヤン指揮 ベルリン・フィル EMI
トリスタン:ジョン・ヴィッカーズ、イゾルデ:ヘルガ・デルネシュ、ブランゲーネ:クリスタ・ルートヴィッヒ、クーベナル:ワルター・ベリー、マルケ王:カール・リッダーブッシュ、メロート:ベルント・ヴァイクル、牧人&若い水夫:ペーター・シュライヤー

このトリスタン、好きな声ではありません...... そうとう強烈な「媚薬」を飲まないと心を奪われるなんて無理みたい。

cd054.jpg9)バレンボイム指揮 ベルリン・フィル1995 TELDEC
トリスタン:ジークフリート・イェルザレム、イゾルデ:ワルトラウト・マイヤー、ブランゲーネ:マリヤーア・リポヴェシュク、クーベナル:ファルク・シュトルックマン、マルケ王:マッティ・サルミネン

第一印象は全体的に繊細さが乏しい感じ。トリスタンはこの人の声はいろいろきいたけど、とらえどころがないというか、心を奪われることはなし。ニュアンスの変化に乏しい。鼻にかかった、息がつまったみたいな声にきこえてしまう。二人のバランスもよくない感じ。オーケストラも合唱も今までにきいたのと聴こえ方がずいぶん違うような。でも、これだけきいていればそれなりに悪くないというべきかも。イゾルデはメゾっぽすぎるというか、凄すぎる.......。

cd055.jpg10)ウィルヘルム・フルトヴェングラー指揮 フィルハーモニア管弦楽団、コヴェント・ガーデン合唱団 1952 EMI
トリスタン:ルートヴィッヒ・ズートハウス、イゾルデ:キルステン・フラグスタート、ブランゲーネ:ブランシュ・ボム、クーベナル:ディートリッヒ・フィッシャーディスカウ、マルケ王:ヨーゼフ・グラインドル、若い水夫&牧人:ルドルフ・ショック、メロート:エドガー・エヴァンス

音はいいです。歌手に若さ、情感が欠けているように感じますが、好みの範囲でしょう。はっとするところはないし、特別の感動はなかったですけど、ききやすいかも。

cd056.jpg11)カルロス・クライバー指揮 バイロイト音楽祭1974  HYPNOS
トリスタン:ヘルゲ・ブリリオート、イゾルデ:カタリーナ・リゲンツァ、ブランゲーネ:イヴォンヌ・ミントン、クーベナル:ドナルド・マッキンタイヤー、マルケ王:クルト・モル、若い水夫&牧人:ハインツ・ツェドニク

音はけっこうよくて、ききやすいです。トリスタンの声は、けっこう若々しい感じで嫌じゃないです。でも、歌い方はちょっと・・・。3幕なんか、全部ではないけど、本当に死にそう・・
        
12)カルロス・クライバー指揮 ウイーン国立歌劇場1973 EXCLUSIVE
トリスタン:ハンス・ポップ、イゾルデ:カタリーナ・リゲンツァ、クーベナル:ナイトリンガー、マルケ王:ハンス・ゾーティン

音、悪いです。トリスタンの声はほとんどきこえません。でも、劇的というか、感情があふれている感じ。トリスタンが、じゃありません、全体的な演奏の印象です、念のため。

cd057.jpg13)カラヤン指揮 バイロイト音楽祭1952 OERA D'ORO
トリスタン:ラモン・ヴィナイ、イゾルデ:マルタ・メードル、ブランゲーネ:Ira Malaniuk、クーベナル:ハンス・ホッター、マルケ王:Ludwig Weber、メロート:ヘルマン・ウーデ、牧人:Gerhard Unger、若い水夫:Werner Faulhaber

低音がものすごく響くのは、再生装置、それとも、録音のバランスが変なのかしら? トリスタンの音を引き延ばすような歌い方が気になります。全体的には、なかなかの迫力でした。

cd058.jpg14)カルロス・クライバー指揮 スカラ座1978 ライブ MYTO RECORDS
トリスタン:スパス・ヴェンコフ、イゾルデ:カタリーナ・リゲンツァ、クーベナル:ジークムント・ニムスゲルン、ブランゲーネ:ルーツァ・バルダーニ、マルケ王:クルト・モル

音はよくないけど、聴けないほどではないです。トリスタンの声がきこえにくいみたい。

15)アントニオ・パッパーノ指揮 コヴェント・ガーデン管弦楽団&合唱団 2005.8 EMI (3CD+BONUSDVD)
トリスタン:プラシド・ドミンゴ、イゾルデ:ニナ・シュテンメ、クーベナル:オラフ・ベーア、ブランゲーネ:藤村実穂子、マルケ王:ルネ・パーペ、メロート:ジャレド・ホルト、若い船乗り:ロランド・ヴィリャソン、牧童:イアン・ボストリッジ、舵手:マシュー・ローズ

2004年11月23日~2005年1月9日、ロンドン、アビーロード第1スタジオ 演奏時間はおよそ226分
かなり速めの演奏だと思うのだが、間延びするというか、単調な感じというか、じれったい感じが次第につのってくるような・・・   要するに、この曲に私が求める抑揚、すなわち、陰鬱さが決定的に欠如しているようだ。微妙なニュアンスもない。オーケストラも声も、終始一貫ほぼ一定に響き渡る大きな音、音、音・・・・ 最新スタジオ録音だから、当然音はもの凄くいい。「年齢を感じさせない若々しいよく響く声」って言われるに違いない御大をはじめ、歌手たちのあっけらかんとした歌い口も、オーケストラのなんとも明るい響きも、私にとってはかなり苦痛。しだいに、お尻のあたりからむずむずしてきて、途中からは意地で、最後まで聴いた。演奏時間から見ると、バーンスタインのよりおよそ40分短い。それでも感じるこのじれったさは何だろう・・・ 聴き手の責任?!
参考までに、演奏時間はおよそ226分だそうです。バーンスタイン盤は、およそ266分と書いてあります。(2005.8.1記)

16)レイフ・セーゲルスタム指揮 スウェーデン王立歌劇場管弦楽団&合唱団  NAXOS
トリスタン:ヴォルフガング・ミルグラム、イゾルデ:ヘドヴィヒ・ファスベンダー、クーベナル:グンナー・ルンドベリ、ブランゲーネ:マルティナ・ダイク、マルケ王:レンナルト・フォルセン、メロート:マグヌス・シューレ
録音:2004年6月14-19日 ストックホルム、コンセルトフス[デジタル]

2幕にカットあり。演奏時間210分
EMIの新録音と前後して出た新スタジオ録音。話題だし、安い上、ほとんどポイントで間に合ったので、うわさのEMI盤と一緒に、買ってみました。(2005.8.5記)

cd0521.jpg17)ロベルト・ヘーガー Heger指揮 ベルリン国立歌劇場管弦楽団 1943年  
トリスタン:マックス・ローレンツ、イゾルデ:パウラ・ブフナー、ブランゲーネ:マルガレーテ・クローゼ 、クーベナル:ヤロ・プロハスカ、マルケ王:ルートヴィヒ・ホフマン、若い水夫:Benno Arnold、牧人:Erich Zimmermann、メロート:Eugen Fuchs、舵取り:Felix Fleischer

本当に久しぶりにヒストリカル・レコーディングに手を出してみました。確かに音は悪くないです。とにかくちゃんと聞こえます。やはりかなり大幅なカットがあるようです。二幕、やはり私の大好きな部分、なかった・・・
 「圧倒的な声量」との惹句を某ネットショップで見ましたが、どの歌手も確かに大声であることは間違いないです。「圧倒的な声量で」  微妙な心理のひだを感じつつ、聞き入るという雰囲気ではないです。ニュアンスが全然ないというわけではないのですが、やはり声量と強さが勝っています。ちょっと疲れます。

この辺りのワーグナー歌唱を聞き慣れている方によると『声の分厚さ、重量感、馬力などの違いは否定し難いものがある』ということです。しかし、それは価値としての『違い』ではなく、時代の嗜好の違い、また歌手が自分独自の歌唱を追究するなかでその目指すものの違いだと思いました。それは、指揮者も同様だと思います。他の模倣は絶対に拒否するのが芸術家であれば、誰一人同じ演奏を目指すことはあり得ないでしょう。幸い私たちは録音技術、さらにはリマスター技術?の進歩によって、前の時代の演奏に触れることができるわけです。選択範囲は広く、よりどりみどり、自分好みの演奏に出会える確率も以前よりずっと高くなったということでしょう。この録音がかつて「一世を風靡した」ことを否定するつもりはないし、これはその当時の頂点を形成していると思います。だからといって、これだけを絶対として、新たな演奏を頭から否定しさるのは、後の世に生まれたものとしては、ちょっと惜しいのではないでしょうか。私としてはバーンスタインの録音に出会えて、感謝です。(2005.3.3記)

cd0522.jpg18)レジナルド・グッドール指揮 ウェイールズ・ナショナルオペラ管弦楽団、合唱団 1980/81年 スタジオ録音 タワーレコード再販2006.12
トリスタン:ジョン・ミッチンソン、イゾルデ:リンダ・エスター・グレイ、ブランゲーネ:アン・ウィルケンズ 、クーベナル:フィリップ・ジョル、マルケ王:グウェン・ハウエル、若い水夫:ジョン・ハリス、牧人:アーサー・デイヴィす、メロート:ニコラス・フォルウェル、舵取り:ジェフリー・モーゼス

この指揮者にはファンが少なくないようで、この人の録音は評価が高い。そういう情報を目にしてきました。パルジファルは簡単に手に入ったので、すでにずっと前に聞きましたが、いいとは思いませんでした。歌がなければ別にかまいませんけど・・・ トリスタンは早くに品切れ廃盤状態だったようで、目にすることがありませんでしたが、評判だけは続いていました。やはり評判だけは間違いなかったようで、タワーレコードが再販したようです。というわけで、とりあえず入手。歌手は全員地元イギリス勢。歌唱はドイツ語。私の感性になじまない演奏ではないようです。かなりバーンスタインのテンポ感に近い部分もけっこうあります。バーンスタインのがこびりついてますから、その感覚で予想して聴いてしまうところがどうしてもあるのですが、少なくともテンポに関しては、共通するものがあるようです。声はやはり物足りないというか、陰影不足を感じますし、張り、切れがないというか。歌に聞き惚れるのは無理。当然ながら、プロとして水準以上の歌唱なんでしょうけど、それだけじゃあねぇ・・というところ。こういうのを何と表現すればいいかと思いますが、つまり、表現力不足ってことでしょうか。音符を声に変換するだけなら、プロの歌手なら、余程の不調や失敗のないかぎり、だれだってできて当たりまえ。2幕、stuerben wir,.... のところに至って、強くそう感じました。そろそろ、飽きの風が吹いてきたみたいです。次第に、いらいらしてきました・・・ 歌手がひたすら歌ってますと感じるの嫌いです。ごく短時間なら我慢しますけど、続くと耐えられない。ソプラノもここまでくると必死さが際立って、しらけます。やはり力の配分の問題が大きいのかもしれません。ブランゲーネの叫び声もいくらなんでもリアルすぎ。化け物見たわけじゃないんだから。
マルケ王、ひたすら朗々系で、退屈そう。それにしても、皆さん、語尾のt がやけに目立ちます。マルケにこたえるトリスタン。やっぱり朗々とそのまんまがだらだらと続く。スタジオ録音でこれ?って感じ。逢い引きがばれた後は、前とは全面的に気分が変わるはずのところだと思いますけど、全体的にそれが感じられません。(2幕まで)

3幕でよくなるなんてことはないわけでした。ひたすら、歌いまくっているわ・・と思っているうちはまだいいのですが、やはり次第にいらいらしてきます。激しく強く歌うところになると、だめさが露呈。どうせ魅力のない声までかすれちゃったり、うわずったり、スタッカット歌いになったり・・・ ほんとにあえいでほしくない。 イゾルデも結局うるさい系。まあね、いくら私でも、聞き惚れるような歌手さんだったら、知名度もっと上がってるんじゃないのかしらっていうところ。指揮者のすごい評判も実際どういうところに起因しているのかしら。指揮者と同じぐらい表現力のある歌手を得られれば、ほんとに凄い演奏になったかもしれません。舞台上演ならともかく、わざわざのスタジオ録音ですからできない相談じゃないんじゃないかしら。この歌手がいい、あるいは、歌手でいいと思ったんだとすれば、なにをか言わんやです。 歌手さん達もお仕事ひとつこなしました、で終わりですね。演奏時間およそ258分

HMVにあったレビューです。
『各所のクライマックスの雄大で圧倒的なエネルギーは、信じられないほどだ。-山崎浩太郎氏』 グッドオール(グッドール)の《トリスタン》が復活する。1995年に海外盤で発売されたCDが廃盤になったあと、10年近くも入手難だったのだから、待望の復活である。
よく間違われるが、この演奏は原語のドイツ語版である。英語訳詞版は《ニーベルンクの指環》(CHANDOS)だけだ。
そして、スケールは大きいが間延びした部分も少なくない《指環》や《パルジファル》(EMI)とは対照的に、この《トリスタン》には、弛緩する部分がまったくない。深く呼吸し、大きくうねりながら、全曲が滔々と流れてゆく。そして各所のクライマックスの雄大で圧倒的なエネルギーは、信じられないほどだ。
例えば第2幕の〈愛の二重唱〉の終わりの大爆発。こんな凄い演奏はフルトヴェングラーもクナッパーツブッシュもC.クライバーも、誰もやっていない。また第3幕のトリスタンの死の「痛さ」と、それを嘆くイゾルデの悲しみ。それらすべてを呑み込んでいく長大な〈愛の死〉。
グッドオールという人の波瀾の人生は、この《トリスタン》を人類に遺すためにあったとさえ、思う。 イゾルデ役エスター・グレイの、渾身の絶唱も忘れがたい。[文;演奏史譚 山崎浩太郎] HMV』(2006.12月記)

このレビュー、大げさとしか思えません。この指揮者の「波瀾の人生」は全然知りませんけど、この演奏がそれを知りたいと思わせてくれるほどのものではなかった。

劇場で
1)2007年10月 ベルリン来日
2)ミラノ・スカラ座 2009.2.21
3)新国立劇場 2010.12.29








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