ドン・ジョヴァンニ [オペラ映像]
モーツァルト：ドン・ジョヴァンニ
指揮 マゼール パリ・オペラ座
演出 ジョセフ・ロージー監督
映画1978 LD DVD
☆☆☆☆☆
配役
ドン・ジョヴァンニ ルッジェーロ・ライモンディ
エルヴィーラ キリ・テ・カナワ
アンナ エッダ・モーザー
ツェルリーナ テレサ・ベルガンサ
レポレッロ ジョゼ・ヴァン・ダム
オッターヴィオ ケネス・リーゲル
オペラだ！なんて、気負わなくても、映画として、悪名高きドン・ファンの物語を楽しめると思いま す。メイク、扮装などが、どことなくグロテスクなのがまた魅力的です。歌はもちろん、お芝居も一流 のＲ．ライモンディの主人公ドン・ジョヴァンニ、ジョゼ・ヴァン・ダムのレポレッロの主従が、実にそ れらしいです。石像が晩さんに訪れ、主人公が地獄に引きずり込まれるフィナーレは圧巻です。主人公 に影のように付き添う黙役の青年（イザベル・アジャーニの弟が演じているとのことです）の存在も 怪 しい雰囲気を醸しています。ロケ地の歴史的建物も見る価値ありです。
この映画、国内版の画質がひどくよくないことを知りました。外国で発売されたDVDを観る機会がありましたが、実に別物というほど、色彩と質感が違います。いったいどういうことなのでしょうか。外国版は、日本語字幕がないこと、リージョン１であることなど、やはり日本人が普通に鑑賞するには壁があるのが残念です。きちんとしたまともな国内版がなぜ発売されないのか不思議です。
2005年10月のはじめ、ベルギー王立歌劇場（モネ劇場）の来日公演にいきました。というわけで、ほとんど十年ぶりに手元にある映像を改めて観てみました。はじめに観たとき印象的でなかったのは、やっぱり同じみたいです。その他のところのコメントは、全部、今回改めて観ての感想。（2005年10月記）
ブログ記事-1
ブログ記事-2
その他
１）☆☆☆☆フルトヴェングラー指揮、パウル・ツィンナー演出、ウイーン・フィル ザルツブルク音楽祭1954 LD
ドン・ジョヴァンニ：チェーザレ・シェピ、エルヴィラ：リーザ・デラ・カーサ、アンナ：エリーザベト・グリュンマー、ツェルリーナ：エルガ・ベルガー、レポレッロ：オットー・エーデルマン、オッターヴィオ：アントン・デルモータ、マゼット：ワルター・ベリー
エルヴィラがシュヴァルツコップの他は同じ配役のライヴ録音もよく聴いたものです。好きな演奏です。私にとって、舞台映像としては、これが定番かしら。ドン・ジョヴァンニは、デモーニッシュさに欠けるみたいですが、時代的なものもあると思います。イヤリングが印象的な伊達男振りですが、31歳の実年齢にしては、多少精彩に欠けるような気もします・・・ 対して、どんぐりまなこのレポレッロはあくのつよさが強烈で印象的です。女性三人もオッターヴィオ、マゼットも相当強烈な印象があります。
２）☆☆☆☆ダニエル・ハーディング指揮 ピーター・ブルック演出2002 TV
ドン・ジョヴァンニ：ペーター・マッティ、エルヴィーラ：ミレイユ・ドランシュ、アンナ：アレクサンドラ・デショーティーズ、ツェルリーナ：リーザ・ラーション、オッターヴィオ：マーク・パドモア、レポレッロ：ジル・カシュマイユ、マゼット：ネーサン・バーグ、騎士長：グヨン・オスカーション
演劇的な自然さがすばらしいです。何もない舞台、女性は一応ドレスですが、普段着のような衣装にもかかわらず、もの凄く説得力があります。出演者全員、その登場人物にしか見えません。音楽、歌、動作が完璧に一致、調和して心地よい興奮を誘います。
３）フェレンツ・フリッチャイ指揮 Car Ebert演出 ベルリン・ドイツ・オペラ1961 ドイツ語 白黒映像 LD
ドン・ジョヴァンニ：ディートリッヒ・フィッシャー・ディースカウ、エルヴィーラ：ピラール・ローレンガー、アンナ：エリザベス・グリュンマー、ツェルリーナ：エリカ・ケース、レポレッロ：ワルター・ベリー、オッターヴィオ：ドナルド・グローベ、騎士長：ヨゼフ・グラインドル、マゼット：イヴァン・サルディ
イタリア語の響きになじんでいても、ドイツ語もなかなかいい響きです。たまに、ワーグナーみたいに聞こえる部分があったりするのもおもしろいです。舞台は簡素。階段が効果的で、立体感が出ていいです。衣装も普通の時代物という感じですが、すっきりしています。演出もごく普通。登場人物もことさらの演技をするわけではないのですが、ちゃんとその人物の存在を感じさせてくれて、違和感がありません。
４）ムーティ指揮、ジョルジョ・ストレーレル演出 スカラ座1987 LD DVD（外国版）
ドン・ジョヴァンニ：トーマス・アレン、レポレッロ：クラウディオ・デズデーリ、エルヴィーラ：アン・マレー、アンナ：エディタ・グルベローヴァ、ツェルリーナ：スザンナ・メンツァー、オッターヴィオ：フランシスコ・アライサ、マゼット：ナターレ・デ・カロリス
十年前にはじめて観たときも、あまりおもしろいと思わなかったのですが、改めて観ても印象は変わりません。舞台は構図も色彩も、まるで泰西名画のように美しい。でも、登場人物は、ストップモーションで舞台の構成美を支えているのだけど、躍動感が感じられません。全体的に精彩に欠けるように思います。
５）ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮 ミヒャエル・ハンペ演出 ザルツブルグ音楽祭1987 TV DVD
ドン・ジョヴァンニ：サミュエル・レイミー、エルヴィーラ：ユリア・ヴァラディ、アンナ：トモワ・シントウ、ツェルリーナ：キャサリーン・バトル、オッターヴィオ：ゲスタ・ウンベルイ、レポレッロ：フルッチョ・フルラネット
６）ジェイムズ・コンロン指揮 ミヒャエル・ハンペ演出 ケルン歌劇場1991 TV
ドン・ジョヴァンニ：トーマス・アレン、エルヴィーラ：キャロル・ヴァネス、レポレッロ：フルッチョ・フルラネット、ツェルリーナ：アンドレア・ロスト、ドン・オッターヴィオ：キエル・マグナス・サンドヴェ、ドンナ・アンナ：キャロリン・ジェイムズ、騎士長：マティアス・ヘレ、マゼット：ラインハルト・ドルン
カラヤンのザルツブルクのと演出は基本的に同じだということです。ビデオ録画したのだけど、なぜかところどころひどく画像が乱れる。どうもおもしろいとは言えない映像です・・・ このオペラ、それぞれ、かなり印象が違うような気がします。そこそこおもしろいというわけにはいかないみたい。
７）アーノンクール指揮 ユルゲン・フリム演出2001 TV DVD
ドン・ジョヴァンニ：ロドニー・ギルフリー、エルヴィーラ：チェチーリア・バルトリ、オッターヴィオ：ロベルト・サッカ、騎士長：マッティ・サルミネン
８）クラウディオ・アバド指揮 リュック・ボンディ演出 ウィーン国立歌劇場管弦楽団 アンディア・ウィーン1990 TV
ドン・ジョヴァンニ：ルッジェーロ・ライモンディ、エルヴィーラ：カリタ・マッティラ、アンナ：シェリル・ステューダ、レポレッロ：ルチオ・ガッロ、オッターヴィオ：ハンス・ペーター・ブロホヴィッツ、ツェルリーナ：マリー・マクローリン
８）チェコスロバキア国立歌劇場1991 TV
９）ダニエル・ハーディング指揮 マルティン・クシェイ演出 ウィーン国立歌劇場管弦楽団 ザルツブルク音楽祭2006年 DVD外国版
ドン・ジョヴァンニ：トーマス・ハンプソン、エルヴィーラ：メラニー・ディーナー、アンナ：クリスティーネ・シェーファー、レポレッロ：イルデブラント・ダルカンジェロ、オッターヴィオ：ピオトル・ベツァラ、マゼット：ルカ・ピサローニ、ツェルリーナ：イザベラ・バイラクダリオン、騎士長：ロバート・ロイド
10）スカラ座 2011年
11）エクサン・プロヴァンス2002年
12）スカラ座2006年
13）
12）ベルリン国立歌劇場来日公演2007年
13）
指揮 マゼール パリ・オペラ座演出 ジョセフ・ロージー監督
映画1978 LD DVD
☆☆☆☆☆
配役
ドン・ジョヴァンニ ルッジェーロ・ライモンディ
エルヴィーラ キリ・テ・カナワ
アンナ エッダ・モーザー
ツェルリーナ テレサ・ベルガンサ
レポレッロ ジョゼ・ヴァン・ダム
オッターヴィオ ケネス・リーゲル
オペラだ！なんて、気負わなくても、映画として、悪名高きドン・ファンの物語を楽しめると思いま す。メイク、扮装などが、どことなくグロテスクなのがまた魅力的です。歌はもちろん、お芝居も一流 のＲ．ライモンディの主人公ドン・ジョヴァンニ、ジョゼ・ヴァン・ダムのレポレッロの主従が、実にそ れらしいです。石像が晩さんに訪れ、主人公が地獄に引きずり込まれるフィナーレは圧巻です。主人公 に影のように付き添う黙役の青年（イザベル・アジャーニの弟が演じているとのことです）の存在も 怪 しい雰囲気を醸しています。ロケ地の歴史的建物も見る価値ありです。
この映画、国内版の画質がひどくよくないことを知りました。外国で発売されたDVDを観る機会がありましたが、実に別物というほど、色彩と質感が違います。いったいどういうことなのでしょうか。外国版は、日本語字幕がないこと、リージョン１であることなど、やはり日本人が普通に鑑賞するには壁があるのが残念です。きちんとしたまともな国内版がなぜ発売されないのか不思議です。
2005年10月のはじめ、ベルギー王立歌劇場（モネ劇場）の来日公演にいきました。というわけで、ほとんど十年ぶりに手元にある映像を改めて観てみました。はじめに観たとき印象的でなかったのは、やっぱり同じみたいです。その他のところのコメントは、全部、今回改めて観ての感想。（2005年10月記）
ブログ記事-1
ブログ記事-2
その他
１）☆☆☆☆フルトヴェングラー指揮、パウル・ツィンナー演出、ウイーン・フィル ザルツブルク音楽祭1954 LDドン・ジョヴァンニ：チェーザレ・シェピ、エルヴィラ：リーザ・デラ・カーサ、アンナ：エリーザベト・グリュンマー、ツェルリーナ：エルガ・ベルガー、レポレッロ：オットー・エーデルマン、オッターヴィオ：アントン・デルモータ、マゼット：ワルター・ベリー
エルヴィラがシュヴァルツコップの他は同じ配役のライヴ録音もよく聴いたものです。好きな演奏です。私にとって、舞台映像としては、これが定番かしら。ドン・ジョヴァンニは、デモーニッシュさに欠けるみたいですが、時代的なものもあると思います。イヤリングが印象的な伊達男振りですが、31歳の実年齢にしては、多少精彩に欠けるような気もします・・・ 対して、どんぐりまなこのレポレッロはあくのつよさが強烈で印象的です。女性三人もオッターヴィオ、マゼットも相当強烈な印象があります。
２）☆☆☆☆ダニエル・ハーディング指揮 ピーター・ブルック演出2002 TVドン・ジョヴァンニ：ペーター・マッティ、エルヴィーラ：ミレイユ・ドランシュ、アンナ：アレクサンドラ・デショーティーズ、ツェルリーナ：リーザ・ラーション、オッターヴィオ：マーク・パドモア、レポレッロ：ジル・カシュマイユ、マゼット：ネーサン・バーグ、騎士長：グヨン・オスカーション
演劇的な自然さがすばらしいです。何もない舞台、女性は一応ドレスですが、普段着のような衣装にもかかわらず、もの凄く説得力があります。出演者全員、その登場人物にしか見えません。音楽、歌、動作が完璧に一致、調和して心地よい興奮を誘います。
３）フェレンツ・フリッチャイ指揮 Car Ebert演出 ベルリン・ドイツ・オペラ1961 ドイツ語 白黒映像 LDドン・ジョヴァンニ：ディートリッヒ・フィッシャー・ディースカウ、エルヴィーラ：ピラール・ローレンガー、アンナ：エリザベス・グリュンマー、ツェルリーナ：エリカ・ケース、レポレッロ：ワルター・ベリー、オッターヴィオ：ドナルド・グローベ、騎士長：ヨゼフ・グラインドル、マゼット：イヴァン・サルディ
イタリア語の響きになじんでいても、ドイツ語もなかなかいい響きです。たまに、ワーグナーみたいに聞こえる部分があったりするのもおもしろいです。舞台は簡素。階段が効果的で、立体感が出ていいです。衣装も普通の時代物という感じですが、すっきりしています。演出もごく普通。登場人物もことさらの演技をするわけではないのですが、ちゃんとその人物の存在を感じさせてくれて、違和感がありません。
４）ムーティ指揮、ジョルジョ・ストレーレル演出 スカラ座1987 LD DVD（外国版）
ドン・ジョヴァンニ：トーマス・アレン、レポレッロ：クラウディオ・デズデーリ、エルヴィーラ：アン・マレー、アンナ：エディタ・グルベローヴァ、ツェルリーナ：スザンナ・メンツァー、オッターヴィオ：フランシスコ・アライサ、マゼット：ナターレ・デ・カロリス
十年前にはじめて観たときも、あまりおもしろいと思わなかったのですが、改めて観ても印象は変わりません。舞台は構図も色彩も、まるで泰西名画のように美しい。でも、登場人物は、ストップモーションで舞台の構成美を支えているのだけど、躍動感が感じられません。全体的に精彩に欠けるように思います。
５）ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮 ミヒャエル・ハンペ演出 ザルツブルグ音楽祭1987 TV DVD
ドン・ジョヴァンニ：サミュエル・レイミー、エルヴィーラ：ユリア・ヴァラディ、アンナ：トモワ・シントウ、ツェルリーナ：キャサリーン・バトル、オッターヴィオ：ゲスタ・ウンベルイ、レポレッロ：フルッチョ・フルラネット
６）ジェイムズ・コンロン指揮 ミヒャエル・ハンペ演出 ケルン歌劇場1991 TVドン・ジョヴァンニ：トーマス・アレン、エルヴィーラ：キャロル・ヴァネス、レポレッロ：フルッチョ・フルラネット、ツェルリーナ：アンドレア・ロスト、ドン・オッターヴィオ：キエル・マグナス・サンドヴェ、ドンナ・アンナ：キャロリン・ジェイムズ、騎士長：マティアス・ヘレ、マゼット：ラインハルト・ドルン
カラヤンのザルツブルクのと演出は基本的に同じだということです。ビデオ録画したのだけど、なぜかところどころひどく画像が乱れる。どうもおもしろいとは言えない映像です・・・ このオペラ、それぞれ、かなり印象が違うような気がします。そこそこおもしろいというわけにはいかないみたい。
７）アーノンクール指揮 ユルゲン・フリム演出2001 TV DVDドン・ジョヴァンニ：ロドニー・ギルフリー、エルヴィーラ：チェチーリア・バルトリ、オッターヴィオ：ロベルト・サッカ、騎士長：マッティ・サルミネン
８）クラウディオ・アバド指揮 リュック・ボンディ演出 ウィーン国立歌劇場管弦楽団 アンディア・ウィーン1990 TV
ドン・ジョヴァンニ：ルッジェーロ・ライモンディ、エルヴィーラ：カリタ・マッティラ、アンナ：シェリル・ステューダ、レポレッロ：ルチオ・ガッロ、オッターヴィオ：ハンス・ペーター・ブロホヴィッツ、ツェルリーナ：マリー・マクローリン
８）チェコスロバキア国立歌劇場1991 TV
９）ダニエル・ハーディング指揮 マルティン・クシェイ演出 ウィーン国立歌劇場管弦楽団 ザルツブルク音楽祭2006年 DVD外国版ドン・ジョヴァンニ：トーマス・ハンプソン、エルヴィーラ：メラニー・ディーナー、アンナ：クリスティーネ・シェーファー、レポレッロ：イルデブラント・ダルカンジェロ、オッターヴィオ：ピオトル・ベツァラ、マゼット：ルカ・ピサローニ、ツェルリーナ：イザベラ・バイラクダリオン、騎士長：ロバート・ロイド
10）スカラ座 2011年
11）エクサン・プロヴァンス2002年
12）スカラ座2006年
13）
12）ベルリン国立歌劇場来日公演2007年
13）
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