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トリスタンとイゾルデの聴きどころ [音楽]

バーンスタイン指揮:トリスタンとイゾルデの聴きどころ
 今では全曲、初めから終りまで好きですけど、 キース・ウォーナー演出の「リング」ではないけど、 実はジグゾーパズルのような聴き方をしました。 最後の一片がはまってから、もう相当経ちます。

はっきり記憶していることだけですが、列記してみます。

1)二幕 so stuerben wir, um ungetrennt とトリスタンが歌いはじめる少し前から ブランゲーネの警告まで

この部分は、ヴィスコンティ監督の映画「ルートヴィッヒ」で、 場面と音楽が一致して、非常に印象的でした。 ルートヴィッヒの別荘をエリーザベトが訪問する場面です。 歌なしでこの部分が流れています。ワーグナーのオペラを全く 知らない頃で、この部分をCDで見つけるのに苦労しました。
相当期間、ここばかり聴いていました^^;

2)一幕 イゾルデに呼ばれたトリスタンがやっと船室に姿を 見せるところ。あの管楽器(えっと?何でしたかしら)の響きが たまりません。期待と不安、恐れの入り交じった複雑な感情そのもの です。

3)一幕 ブランゲーネとトリスタンの対話。なにしろ、 やっとトリスタンの声が聞けるところですし。今風にしかも下品に言えば、 半端でなくつっぱっているトリスタンの心が痛々しいというか・・・
(バーンスタイン盤のこの部分に関して、吉田秀和氏が詳細に書いていらっしゃるのを 後に読みました。納得の内容でしたが、上手く書くものだと感心しました)

(余談ですが、女声は、特にこの曲を聴きはじめのころ、聴くだけでは区別がむずかしかったです。 で、いいなあと思ったところ、調べてみると、意外にブランゲーネの歌が多いことに 気がつきました)

4)一幕 媚薬を飲む直前から、一幕の終りまで。 声の変化がはっきり感じられて、表現力のすごさに圧倒されます。 声と言えば、クルベナールと合唱の完全な部外者の脳天気ぶりと 完全に別世界に入っている恋人二人、ただ一人事情を知るブランゲーネ これらの断絶が声とオーケストラの演奏だけではっきり伝わってきます。 こういうの、もの凄い快感です。

5)一幕 トリスタンとイゾルデの対話。攻撃的で皮肉なイゾルデに、 徐々に煽られていき、抑え切れなくなり、ついには切れるトリスタン、 この両者の絡み合いが非常におもしろいです。

6)二幕 逢い引きの場。激しく求めあったあとの、 durch des Todes Tor, ではじまるトリスタンの美しい旋律 (よくカットされるようで、ここがないとがっかりします)

この前の激しい求め合い、はじめは強烈すぎて、ついていけないような 感じでしたが、ここも今は好きです。

(余談ですが、「ブリキの太鼓」という映画を昔見たのを思い出したり・・・  恋いする男女がやっとの思いで会ったとき、着ているものを一枚一枚、 引きちぎるように放り投げながら駆け寄り、裸で抱き合うというシーンがありました・・・ 映画とは言え、あっけにとられました・・・)

7)二幕 マルケ王の嘆きに続く、トリスタンの歌とイゾルデの答えから 二幕終りまで。実に悲しく美しいです。今は、一番好きなところかもしれません。

8)二幕 マルケ王の嘆き。はじめのころはやはりちょっと退屈でしたけど、 これを黙ってきいている二人の心情も併せて、聞くと、非常に劇的です。

9)三幕 トリスタンの譫妄状態。こときれるまで全部いいですが、 Ach, Isold, Isolde! Wie schoen bist du! に至る穏やかな旋律が 息をのむほど美しいと思いませんか。

10)三幕 息をひきとったトリスタンを(たぶん)抱えて嘆くイゾルデ。 フィナーレももちろん好きですが、ここがもっと好きです。

(前奏曲とあのいわゆる愛の死だけという聴き方をする人もいる~いない?~らしいのが 信じられません・・・ そういうコンサートもあるし、CDもありますが、予告編としても あんまりおもしろいとは思いません。)

まだまだ、ありますが、10箇所で切りがいいので、とりあえずここで終了します。


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