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論評集-4 [1983年刊伝記]

強制休暇のあと・・・
 ・・・も、シェローのジークムントに対する熱狂の嵐はやまない。
 「ほとんどヒステリー状態にまで高まった、この大喝采を受けたのはペーター・ホフマンだった。これは決して不当ではない。同じように感動的で夢中にさせるジークムントに出くわすためには、バイロイト音楽祭の歴史をおそらくはるかにさかのぼらなければならない。このジークムントは、演出家の配役実行のおかげで、ホフマンによって、血と肉から成る現実の、まさに映画的な、人を魅了する身体、死の場面で俳優の究極的可能性を発揮させた身体を得たのだった」(オルフェウス 1978年10月号)

8383.jpg 「ホフマンのジークムントは、これまでに見ることが出来たワーグナーの舞台で、最高にすばらしいもののひとつだ。愛の場面を演じるジークムントとジークリンデの自然さは、彼らのロマンチックな雰囲気を高めている。頭韻詩は自然な表現手段になっている。つまり、ひとつひとつの言葉が重要な意味を持つようになり、長く抑圧されてきたあらゆる感情が、言葉と音によって突然あらわになり、ついには情熱的な愛へと高揚する。第一幕は観客の叫び声のうちに終了した。ブリュンヒルデが死を告げに彼の前に現れるとき、このジークムントは、なんと男らしく、抑制が効いていることかと、だれもが唖然とした。そして、その後に、その場にいた人なら、誰一人決して忘れることはないであろう、短いけれども精神が集中する場面になる。すなわち、死の場面だ」(Der Merker 1979年 8月号)
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