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ただ単に•••5 [1983年刊伝記]

物凄く大切なことだから、安易に論じてほしくない・・・
 それから、化物屋敷の話のような事も起こるが、こういう現象の描かれ方には、腹が立つ。私はこういう現象を非常に大切に思っているので、安易な興味本位の論争の種にしてほしくない。テレビの司会者であるフランク・エルストナーが「人間82」「辛口?」というショーで、私にぶっつけ本番のインタビューをしたことがある。私はルクセンブルクの彼の自宅で、朝の四時ごろまで、こういう現象について話したことがあった。彼は興味津々だった。テレビ対談が行われることになったとき、前もってリハーサルをする必要があるかどうかきかれた。しかし、対談のリハーサルなど、いったいどうやってすればいいのだろうか。後で、全然違うことを言うか、それとも、ただただ申し合わせたことを、オウムみたいに繰り返しぺちゃくちゃしゃべるかだ。そんなことは誰でもすぐわかる。あるいは、つい張り切り過ぎて、それが自ずと効果をあげるということもある。というわけで、リハーサルは無しとうことになった。
 そこで、そのショーで、質問はいきなりだった。ショー・ビジネス界では、ギャグが求められ、観客は機知に富んだ大袈裟な答えを期待しているということが分かっていたから、その時、おおまじめな答え方はしなかった。そうでなければ、こういう話題を公開の場に出すことは防げたはずだ。放送の後、このインタービューに対する問い合わせが40件も殺到した。私は何も言わなかった。このことに関する記事はどれもでっちあげだった。ただし、ほんとうにこのような現象に心をひかれる人たちのグループでなら、そういうことについて話をするだろう。それが黙殺されてしまっても、別にそんなに不愉快でもない。なぜならば、私にとってそれは事実だからだ。だが、そういうことは、まじめに話しても無駄だということはわかっている。たいていは、そんなことは、笑い飛ばされて終りだ。
 そう、私は解明したいとも思わない。そこに、だれかがスプレーを持って現れて、スプレーを吹きつけたら、私のお化けが突然目に見えるようになるなどということは望まない。だれもそれに対して何もできないということは分かっている。こういう現象も私には嫌なことではない。私は一瞬気がつく。ついさっき閉めたはずの二つの窓が開いている。そして、そこには、私以外はだれもいない。なんとなくすばらしいじゃないか! あるいは、ついいましがたかぎをかけた、ドアが開いている。何かE.T.のような存在が私をからかっているのだといつも思う。そんなことでパニックに陥ることはない。それは悪意を持った存在ではないと思う。もしも部屋という部屋を通り抜けて戸棚が飛んだとしたら、そして、そんな物が存在すれば、私は引越すだろう。そういうのはどうしようもないし、そういうことに対してぐずぐずといつまでも腹を立てている理由もない。家に帰ったら、快適な気分になりたいし、私のことが好きじゃない存在と関わりたくない。しかし、私のところに住まわせている存在は、とても良いお化けだ。(いずれにしても、お化けというのは、おかしな表現だと思う)私がちっともパニックを感じていないのだから、これは絶対間違いない。ドアが開いて、それから、ひとりでにゆっくりと閉まれば、これは不思議なことだが、少なくとも私にとっては、別に心配する理由はない。加えて、おそらく、私がとにかく好んで何か不可解なことを体験したがっているということは、つまり、そういうことなのだろう。今、私にとってこれは現実だ。
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