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ヴェルディ「イル・トロヴァトーレ」新国立劇場 [劇場通い]

ヴェルディ:イル・トロヴァトーレ
ピエトロ・リッツォ指揮
東京フィルハーモニー交響楽団
tro.jpgウルリッヒ・ペータース演出
新国立劇場2011年10月

レオノーラ:タマール・イヴェーリ
マンリーコ:ヴァルテル・フラッカーロ
ルーナ伯爵:ヴィットリオ・ヴィテッリ
アズチェーナ:アンドレア・ウルブリッヒ
フェルランド:妻屋秀和
イネス:小野和歌子
ルイス:鈴木 准
老ジプシー:タン・ジュンボ
使者:渡辺文智

新国でこのオペラをみるのは2度目。新国2度目の新演出です。前の演出はもうほとんど覚えていませんが、今回のほうがおもしろいと思います。まあ、少々もたついて残念なところもありましたが・・一番印象的だったのはジプシー母さんのアズチューナ。彼女の歌には、心を動かされました。ルーナ伯爵とマンリーコは、自然に兄弟だと納得できる外見が、悲劇性を自ずと盛り上げていました。レオノーラはおなじみのソプラノ。新国「オテロ」のデズデモーナ同様、出会ったポーランド来日公演のデズデモーナほどの新鮮な魅力はなかった。急な代役のせいもあるのでしょう、やっぱり多少はまりきれない感じがありました。ごく普通の美しい舞台。不思議な存在の年寄りの騎士とみすぼらしい子どものコンビが舞台にほぼ常駐もあって、ただの伝統的舞台にならずにすんでもいました。妻屋さん、あいかわらず、かっこいい存在感のあるフェランドを熱演でした。
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コメント 2

keyaki

戦国の世に翻弄された人々...ちょっと日本の戦国時代っぽい雰囲気でしたね。あの亡霊は、最初は先代の伯爵=死神というところでしょうか。親に間違って殺されたジプシーの子供の亡霊と一緒というのも効果的だったとおもいます。
マンリーコとルーナ伯爵が、見た目が兄弟に見えるのってあまりないんですけど、見えましたね。育ちの違いもちゃんと出てましたし.....
トロヴァトーレって、テノールもバリトンもソプラノも体力勝負ですね。皆さん最後まで破綻なく歌いきっただけでもりっぱです.....マンリーコのあの歌の最後のアラァルミ-----は、もちょいのばしてほしかったけど.......無理して失速するよりはいいでしょう。
楽しかったです。
by keyaki (2011-10-19 10:40) 

euridice

マンリーコにもうちょっと陰りと華があると、悲劇性がさらにましたことでしょう。アズチューナはその自身にもはっきりとは自覚しない複雑な心理をよく表現して自然に感情移入できました。最後のあれはお前の弟だという決定的瞬間が音楽的にもお芝居的にもびしっと決まらなかった感じだったのがちょっと残念でした。一瞬の勝負で幕ですから、こちらの集中力の問題も絡んで、難しいでしょうね。
by euridice (2011-10-19 11:29) 

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