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バイロイト音楽祭2011年「ローエングリン」TV放送 [オペラ映像]

ワーグナー:ローエングリン
Neuenfels-Lohengrin-Bayreuth-2011-Vogt-Dasch.jpgハンス・ノイエンフェルス演出
アンドリス・ネルソンズ指揮
バイロイト音楽祭2011年

ローエングリン:クラウス・フロリアン・フォークト
エルザ:アネッテ・ダッシュ
テルラムント:トマス・トマソン
オルトルート:ペトラ・ラング
国王:ゲオルク・ツェッペンフェルト
伝令:サミュエル・ユン

NHKオンデマンドで8月29日まで、210円/幕/1日見放題です。

NHK BSプレミアムで14日夜から15日早朝にかけて生中継されたのを見ました。1幕の途中まで生放送につきあったのですが、引き込まれることがなく、暑くて眠いので寝てしまいました。きょうまで居眠りしてはの戻り視聴で、やっと最後まで見終わりました。

直感的に理解し引き込まれる人もいるのかもしれませんけど、私の場合はだめでした。なんというか要するに理屈っぽい演出なのでしょう。ピンと来ないことが多すぎます。ネズミの世界になっているらしいのは、幕間の演出家や歌手などの話からも、まあ理屈としてはわからなくもないのですけど、大いに納得ということはないです。

わけがわからないもの。
国王の位置づけというか人物像。フィナーレに白鳥の卵?が割れて?登場するエルザの弟。へそのをを引きちぎって立ち上がる気味悪い胎児です。大道具を動かしたり、小道具を渡したりするただの黒子でもないような作業服の一団。

不可解なことは置いておいて、2幕後半以降の舞台は美しいと思いました。特に2幕教会への行列の場面でのエルザとオルトルートのドレスがとても素敵です。女性たちの衣装も華やかな彩りが、白のエルザと黒のオルトルートとの対照が際立って、絵本の世界でした。

ネズミの衣装は非常に凝ったものでした。ピンク色の子ネズミが可愛いです。

ローエングリンとエルザは、二人とも十二分に美しいですが、私のデフォルトになっているゲッツ・フリードリヒ演出の1982年バイロイト音楽祭の映像に比べると、両人ともごっつい感じ。フォークトのローエングリンは、新国HPに引用された批評氏の言うように、ホフマンと共通の雰囲気を醸すことが、確かにたまにありました。この演出では「騎士」という感じはゼロ。「大工」でないのは確かとしか言えない。何者なのかわからない。と言えば、ネズミの大群?以外は、どういう存在なのかわからないです。「ローエングリン」というオペラを全然、もしくは、あまり知らないでみたら、どんな感じなのでしょうか。

音だけ聴いていたほうが抵抗がないようです。いわゆる変な演出なら、コンビチュニーの教室のローエングリンの方が、直感的に理解できて、はるかにおもしろいと思います。

関連記事:
バイロイト音楽祭2011年「ローエングリン」
ローエングリン 2006年 バルセロナ
「ローエングリン」バイロイト音楽祭1982年

↓ちょっとだけ^^;; 縦横比が変ですけど・・




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新米ファン

地デジ化せぬままTV無しの生活なので、NHKオンデマンドで、(幕間がないので)全幕いっきに観ました。ローエングリンが登場しない場面も観たのは久々(^^ゞでした。
演出については、ネットで複数の方の「解釈」を読みましたが、やはり「こじつけ」にしか感じられないですネ。伝統的ではない演出も好きですが、納得出来なければ結局失敗だと思います。でも、オペラの観客は体重(推定)200kgのジークムントでも喜んで拍手するのだからどうせ目は見えてない、何やってもいいんだ、とナメられても仕方ないところもあるかも、と思ったり…。せっかく容姿もピッタリで演技も歌も出来るソリストが勢揃いだったのにもったいないと思いました。ただ、「名乗りの歌」の後の通常カットされる場面、初めて視聴しましたが、とても良かった。あそこでいきなり、良い意味で、物凄く人間臭くなるのですね!こういう俗な演出には欠かせない場面なのではないでしょうか?

>フォークトのローエングリンは(・・・)、ホフマンと共通の雰囲気を醸すことが、確かにたまにありました

髪型のせいもあるかも知れないですが、時々、特に横顔等、「そっくり!」と思う事がありましたね!
ただ声は、やはり私は、せめてここぞ!という所くらい、もう少し強い声が欲しいデス。新国はわざわざ観に行かなくてもいいかなと思ってしまいました…。それでもカーテンコールで感極まってる姿など、可愛い人柄みたいですね(身贔屓!)。
と言う事で、やはりこの後ホフマン氏の「ローエングリン」DVDを観てしまったのでした。
by 新米ファン (2011-08-17 13:38) 

kametaro07

BSの不具合を直したにもかかわらず、直前まで映らず、かなりあせりました。
ちょうど始まるときに映ったときはホっ^^;
私は歌手さんと演奏さえ良ければ演出は古風でも斬新でも良いし、理屈もそれほど追及しないので、この演出は良いと思えました。
ソリストに自由に歌い、演技する空間があったので演技と歌は真に迫ったものだったと思います。
フォークトに力強さがあるのは実際に聴いて知ってますが、フォークト嫌いのワグネリアンはいると思っていたので、あそこまで凄い賞賛の嵐になるとは予想してませんでした。

by kametaro07 (2011-08-17 18:39) 

ペーターのファンです。

ローエングリンの話題は素通りできずコメントを拝見していましたら、他人と思えぬ方がいらっしゃるのでびっくりしました。

>地デジ化せぬままTV無しの生活

はい、私もです。こんなところにご同類がと思ったら、新米ファン様ではありませんか。奇遇ですねえ。
PCと冷蔵庫は必要不可欠でも、テレビと電子レンジはなくても何とかなると思ってのんびりしています。オンタイムで見たい聞きたいのはウィーンフィルのニューイヤーくらいなので、年末までに何とかなればと思っています。

しかし、教室に大工にネズミ王国、次は何が出るか賭けでもしようかという気になります。オーソドックスで良いと思いますが。
NHKオンデマンドで見てから、新国立に出かけるか考えるつもりです。
by ペーターのファンです。 (2011-08-17 21:42) 

euridice

新米ファンさん、ペーターのファンです。さん

>NHKオンデマンド
これは思いつきませんでした。
幕間がないのは良いですね。

kametaro07 さん
うつって良かったですね。

うちは先月半ばから地デジ民放の電波が変です。
NHKのBSは調子がいいので助かりました。









by euridice (2011-08-18 07:15) 

euridice

新米ファンさん

>「名乗りの歌」の後の通常カットされる場面
私も「見る」のは初めてです。
通常だと、白鳥に歌いかけて、エルザのところに
戻ってきたとき、突如エルザへの想いをあふれさせるわけですけど、
「通常カットされる部分」があるほうが唐突感が緩和されますね。

>どうせ目は見えてない、何やってもいいんだ、とナメられても仕方ない

当然演出家は作曲家の意図を無視していないと言いますが、見て直感的に理解できないような舞台を見ながら、なじみの音楽を楽しむ・・これがオペラなのかも・・自分が納得できず、いらいらしたりするのは、それこそ、目をつぶるべきなのでしょう。自分を納得させてくれる演出が、自分にとって良い演出とも言えると思います。何が目前でくりひろげられていても、それを超えて音楽が訴えかけてくるのが理想として、それだけの演奏を提供できる、指揮者や歌手はそうはいないと思います。

ホフマンのバイオグラフィに「歌手も、そして観客もまた、もっぱら声と音楽によって、感情を表現すること、そして、それを聴くことに慣れており、そこにだれか立っているということは、はっきり言って余計なことなのです」というのがありますが、当時は舞台の暗さとか、演技しない歌手とか、200キロの白鳥の騎士とかだけのことだったのが、今は原典を超越した演出が加わわり、むしろそれが中心になったということなんでしょう。私が写真のスライドショーにオペラをつけるのもなかなか意味深長なわけです。だれも認めてはくれませんけどね^^;;






by euridice (2011-08-18 07:42) 

新米ファン

kametaro07 さん、
>フォークトに力強さがあるのは実際に聴いて知ってますが
やはり生で聴いた方が力強いですか?映像を観ていて、突然声が大きくなったりすることがあったので、録音マイクに難ありなのかなと思ったりもしたのですが。それなら来年2月のチケット争奪戦には頑張って参戦しようかとまた考え始めました。

ペーターのファンです。さん、
>PCと冷蔵庫は必要不可欠でも、テレビと電子レンジはなくても何とかなる
今夏は冷蔵庫と扇風機が壊れることが何より怖かったです(^^;
この辺は最近また大きな地震・余震が多くて不安なのですが、また停電になったらTVは役立たずなのでポータブルラジオでしのぎます!

euridiceさん、
>私が写真のスライドショーにオペラをつけるのもなかなか意味深長
すみません、ボンクラ者で気付きませんでした…<(_ _)>
それにしても、1日で気温が10℃も下がるのをひと夏に2度も経験すると、自然の力の凄さを改めて感じますね。自然エネルギーがもっと有効利用出来るようになって欲しいものです!
by 新米ファン (2011-08-20 00:31) 

kametaro07

新米ファンさん
ジュネーヴで聴いたパルジファルでその輝くような力強さには圧倒されました。特に最初は正に清らかな愚者だったので、その変身ぶりに驚かされたというところです。
ただバルセロナのパルジファルでは演出のせいでそこまで力強く歌うことはありませんでした。
演出によって歌い方は変えると思うので、来年の新国の演出がどういうものになるか?2007年バーデン・バーデンで歌ったように天上人のように歌うか?今回のバイロイトのように人間味を出して歌うか?
その時のご本人の調子もあるでしょうし・・・。
それに力強さというのは人によって感じ方が違うものかもしれません。
ずっしりとした重さのある力強さは望めません。
でもバイロイトの観客の賞賛がその力強さを物語っているのでは?
映像で突然声が大きくなったのは音声のミスでしょう。
収録は必ず全員マイクをつけますから、衣擦れの音が入ってしまったりもしてましたね。

euridiceさん
>私が写真のスライドショーにオペラをつけるのもなかなか意味深長なわけです。
仰る通りです!
花々、野鳥、景色など癒されます。
>フォークトのローエングリンは(・・・)、ホフマンと共通の雰囲気を醸すことが、確かにたまにありました
実際に劇場で鑑賞した人はさらにそう思う瞬間が多かったかもしれませんね。
フォークトがごっつくなったのは力強さを出すために努力したのでしょう。
これ以上は丸くならないでほしいとは思いますが・・・。

by kametaro07 (2011-08-21 16:10) 

yokochan

こんにちは。
未デジ化のわが部屋、見逃しましたが、おかげさまでオンデマンド視聴することができました。
ありがとうございました。
調子にのって画像だらだらの記事を書いてしまいました。
 わたしには、理解・解釈不能の舞台ですが、ワーグナーの音楽をさほど阻害していないところがよかったですし、歌手たちの素晴らしい歌が嬉しい「ローエングリン」でした。
G・フリードリヒ、ミューラー、K・ウォーナーらの美しい舞台の「ローエングリン」はかつての昔になりつつあるように感じましたが、舞台構成・背景だけはシンメトリーな美しさを持ってるように思いました。

by yokochan (2011-08-29 22:18) 

euridice

yokochanさん
TB、ありがとうございます。

>理解・解釈不能
ですね。
意味深なのかもしれないし、
全然無意味なのかもしれません。

普通に音楽劇を楽しめて、かつ斬新な演出は
すごく難しいんでしょう。

最後の醜悪胎児以外は奇麗な舞台でよかったですけど、
本来のストーリーを知らない場合はどういう感じになるのか
気になります。

by euridice (2011-08-30 13:29) 

Alouette

久々にお邪魔しました。 ローエングリンで盛り上がって居ましたので、ちょっとお邪魔しました。。。

最近のバイロイト~と言うか、ドイツ圏の演出は引いてしまう物も多く、昔の様に触手が伸びません。 バイロイトの≪醜悪胎児≫ってローエングリンもですか?? 

パルシファルも≪醜悪胎児≫で、途中で帰った~と言う友人が居ました。 
本来のストーリーと懸け離れた≪盲目のエルザ≫設定も、ウィーンで見ましたが、、、マザコン風のテルラムント、舞台はディズニーのお庭の様なメルヘンで、池には白鳥が~~ 歌手は素晴らしかったですが興醒めでした。

自己満足の演出家が増えつつある今日、まあ色々ありますが、やはり本筋通りに聴きたいですネ。 年取ったら(もう年ですが) ペーターのDVDで引籠り生活でしょう。  

今年の来日公演は震災の為だけでなく、殆ど全滅に近い状態でしたが、今秋来日のバイエルンのローエングリンは≪瓢箪から駒≫の実力派揃い。 声、演技共に是程キャストの揃ったローエングリンは、少ないでしょう。

相当昔、ウィーンで、ローエングリンとエルザが霞んだ、テルラムンド&オルトルートの、マイヤー&シュトルックマン。 ドラマティックな声量、演技共に同レベルのトップ。 デュエットは圧巻でした。 《ヴォゼックの共演も最高でしたが~ 好きなコンビです》

姿はカウフマンのWですが、声の美しさは負けないボータ、ベルリンでクップファー演出の≪エルザの夢≫のマギー。 全てベルリンSで活躍した、スター軍団。 素晴らし公演になるでしょう。 

由一の心配は指揮者と演出~ この演出は未だ観て居ませんが、、、

秋の夜なが~ 素晴らしいライブの声を満喫されますよう~!!!





by Alouette (2011-09-11 21:17) 

euridice

Alouette さん
またいつか感動して夢中になれるような新たな歌手や舞台に出会えればいいのですけど・・
by euridice (2011-09-22 10:42) 

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