新国立劇場 ショスタコーヴィチ「ムツェンスク郡のマクベス夫人」 [劇場通い]
ショスタコーヴィチ:ムツェンスク郡のマクベス夫人
ミハイル・シンケヴィチ指揮 東京交響楽団 リチャード・ジョーンズ演出
カテリーナ・イズマイロヴァ(マクベス夫人):ステファニー・フリーデ
カテリーナの夫ジノーヴィー・イズマイロフ:内山 信吾
舅ボリス・イズマイロフ:ワレリー・アレクセイエフ
新入使用人セルゲイ:ヴィクトール・ルトシュク
年老いた囚人:ワレリー・アレクセイエフ
使用人アクシーニャ:出来田 三智子
ボロ服の男(酔っぱらい):高橋 淳
司祭:妻屋 秀和
警察署長:初鹿野 剛
女囚ソニェートカ:森山 京子
字幕付きで真面目に?視聴したのは、映画版だけ。これは大幅なカットがあり、ほぼ半分の長さになっています。ソ連制作の映画も字幕付きでしたが、飛ばし見。リセウ劇場の舞台映像を英語字幕で見ましたが、ほとんど覚えていなかったわけで、このオペラのタイトルが「マクベス夫人」である理由が依然不明のまま、新国立劇場へ出かけました。「マクベス夫人」なわけをまずは納得。これが不明の短縮はちょっとまずいんじゃないかしら・・と思った次第です。リセウの映像の記事にも、このことを書いていないところを見ると、カテリーナが罪の意識と亡霊に悩まされる場面が全然印象に残らなかったようです。寝てたのかな・・
こういうオペラはやはり劇場鑑賞に限るようです。眠気ゼロ。時々舞台に向かって左手、2階席にやってきて、また、舞台に上って大咆哮の金管群。耳をつんざくの大音響は凄かった。不快ではなく、なかなかの快感でした。漫画チックというか、はっきりと戯画化された演出が音楽にぴったり合って、これも心地よい。音楽が詳細まで語り尽くす、これぞ音楽劇。フィナーレ近く、カテリーナの激しい悲しみの叫びが声ではなく金管なのは、実に感動的。その後の声による抑えた嘆きと対をなして、すばらしかった。
映画版のカテリーナのはかなげな美しさに慣れているせいもあり、カテリーナがもうちょっと若く見えるとよかったんですけど・・ シベリア送りの場面、メタボのお腹ぽっくりが強調されてちょっとつらかった。衣装のせいなのかもしれませんけど、ふとカテリーナ役のソプラノさん、それともカテリーナ・イスマイロヴァ、妊娠してるのかも・・と思いました。
鬼姑ならぬ鬼舅と、シベリア送りの老囚人は、同じバス歌手なのですけど、雰囲気ががらっと違っていました。さすがです。
これはリセウの映像でも同様でしたが、暗く陰惨な物語でありながら、人間と人間社会の可笑しさに、なんというか一種のカタルシスを感じさせられます。
ミハイル・シンケヴィチ指揮 東京交響楽団 リチャード・ジョーンズ演出
カテリーナ・イズマイロヴァ(マクベス夫人):ステファニー・フリーデ
カテリーナの夫ジノーヴィー・イズマイロフ:内山 信吾
舅ボリス・イズマイロフ:ワレリー・アレクセイエフ
新入使用人セルゲイ:ヴィクトール・ルトシュク
年老いた囚人:ワレリー・アレクセイエフ
使用人アクシーニャ:出来田 三智子
ボロ服の男(酔っぱらい):高橋 淳
司祭:妻屋 秀和
警察署長:初鹿野 剛
女囚ソニェートカ:森山 京子
字幕付きで真面目に?視聴したのは、映画版だけ。これは大幅なカットがあり、ほぼ半分の長さになっています。ソ連制作の映画も字幕付きでしたが、飛ばし見。リセウ劇場の舞台映像を英語字幕で見ましたが、ほとんど覚えていなかったわけで、このオペラのタイトルが「マクベス夫人」である理由が依然不明のまま、新国立劇場へ出かけました。「マクベス夫人」なわけをまずは納得。これが不明の短縮はちょっとまずいんじゃないかしら・・と思った次第です。リセウの映像の記事にも、このことを書いていないところを見ると、カテリーナが罪の意識と亡霊に悩まされる場面が全然印象に残らなかったようです。寝てたのかな・・
こういうオペラはやはり劇場鑑賞に限るようです。眠気ゼロ。時々舞台に向かって左手、2階席にやってきて、また、舞台に上って大咆哮の金管群。耳をつんざくの大音響は凄かった。不快ではなく、なかなかの快感でした。漫画チックというか、はっきりと戯画化された演出が音楽にぴったり合って、これも心地よい。音楽が詳細まで語り尽くす、これぞ音楽劇。フィナーレ近く、カテリーナの激しい悲しみの叫びが声ではなく金管なのは、実に感動的。その後の声による抑えた嘆きと対をなして、すばらしかった。
映画版のカテリーナのはかなげな美しさに慣れているせいもあり、カテリーナがもうちょっと若く見えるとよかったんですけど・・ シベリア送りの場面、メタボのお腹ぽっくりが強調されてちょっとつらかった。衣装のせいなのかもしれませんけど、ふとカテリーナ役のソプラノさん、それともカテリーナ・イスマイロヴァ、妊娠してるのかも・・と思いました。
鬼姑ならぬ鬼舅と、シベリア送りの老囚人は、同じバス歌手なのですけど、雰囲気ががらっと違っていました。さすがです。
これはリセウの映像でも同様でしたが、暗く陰惨な物語でありながら、人間と人間社会の可笑しさに、なんというか一種のカタルシスを感じさせられます。
こんなに面白いって予想外でした。演出がよかったんでしょうね。
>暗く陰惨な物語でありながら、人間と人間社会の可笑しさに、....一種のカタルシスを感じさせられます。
同感です。それぞれが言っていることが愉快でしたね。
TBありがとうございます。こちらからもTBしましたので承認お願いします。
by keyaki (2009-05-08 16:53)
お邪魔します。検索して来ました。
マクベス夫人、良かったですね!!
原作によると、カテリーナは最後、妊娠していたようですよ。
おなかぽっこりはそれを表していたんだろうね、と友人と語りながら帰途につきました。
つくづく、セルゲイって最低最悪(だけど男の一面をすごくよく表してる・・・どのキャラもそうですが)ですねえ。
by tsun (2009-05-08 19:00)
keyakiさん
>演出がよかった
いい演出でしたね!
夫殺しのリアルさには気持ちが悪くなりました。
発見者もついに気絶しちゃうのにも納得ですね。
by euridice (2009-05-09 12:11)
tsunさん
いらっしゃいませ。コメントありがとうございます。
本当に良かったですね。
音楽と舞台の動きがぴったり合ってすばらしかったです。
皆さん、随分練習なさったのでしょうね。
>原作によると、
そうなんですか。ありがとうございます。
衣装のせいにしては、他の衣装のときと違いすぎると思いました。
オペラじゃなかったら、すぐに妊娠だと思うのでしょうけど、
オペラって演じる歌手さんが役柄と視覚的にずれていることが
当たり前みたいなところがあるので、歌手さんの個人的問題かなんて
思ってしまうんですよね。やっぱりこういうのは問題ですから、
役に合った身体の歌手が演じるのが普通になってほしいものです。
by euridice (2009-05-09 12:18)
こんにちは。私も7日に観劇しました。実に良かったです。
予習なしで、予想以上の楽しみを得ました。
元来ショスタコが好きなものですから、交響曲にも通じるその音楽は、とても魅力的でした。
ブラスが2階からバリバリ響き、私もノリノリ、前のお方も体が揺れてました(笑)
フリーデのお腹ポッコリは演出だったのですね。
最初からポッコリっぽかったから、彼女本当に妊娠してるのかと思いました・・・。
調子に乗って長文書いてしまいましたが、TBさせていただきますね。
by yokochan (2009-05-09 13:37)
yokochanさん
TB、ありがとうございます。
>長文
舞台を思い出しながら、読みました。
もう一度見たいぐらいです。こういうのこそ、
テレビ放送してほしいんですけど・・
>ブラスが2階からバリバリ響き
もの凄い大音響が心地良かったです。
by euridice (2009-05-10 07:53)