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ワーグナー「パルジファル」メトロポリタン・オペラ1992年 [オペラ映像]

メトロポリタン歌劇場の「パルジファル」は、1992年にテレビ放送されたものがDVDで発売されています。メトのデータベースによれば、この公演の新演出は1991年3月で今も続いています。

最近、ペーター・ホフマン演じる「パルジファル」のラジオ放送録音(1982年と1986年)を聴くことができました。これは映像化された公演のひとつ前の演出で、1970年11月に新演出されたものです。

映像になっているメトの「パルジファル」、舞台装置担当は、ギュンター・シュナイダー・ジームセンで、カラヤンのザルツブルグ復活祭音楽祭のと同じ。映像の舞台装置は、ザルツブルグの舞台写真とそっくりというか、同じじゃないかと思います。ザルツブルクでは、2幕の花園に生花を使ったため香りがきつくて頭痛がしたという、実際にザルツブルグで鑑賞した方の感想があります。メトでは造花を使ったのでしょうか。まだまだ若いマイアーのクンドリが美しいです。パルジファルにもっと説得力があればいいのにと思います。

私、目にも耳にも、このパルジファル担当歌手さんがなんだか好きじゃない。この方、時代の巡り合わせでしょうか、映像も録音も(多分ファンも?)多い。1980年にアリア集(LP 録音は1978年ミュンヘン)が日本でも発売されています。ちなみに、そのジャッケットの惹句(もちろん日本語)です。
「オペラ・ハウスを圧する声量と豊かな表現力。全世界が渇望したヘルデン・テノールの出現!!」
さらに、1977年バイロイト音楽祭の「ラインの黄金」が初年度1976年の混乱とはうってかわって大成功だったのは、フロー(ラインの黄金)としてデビューしたこの歌手のお陰でもあると書いてある。確かにあの映像のフローは悪くないけど・・・所詮、小さな役だし・・ でも、ここまで絶賛されるのだから、実際に劇場で接したら、すごくいいのかもしれません。それにしても、録音と映像に限っては、好みじゃないです。
イェルザレムの正規発売パルジファルは他に1981年バイロイト音楽祭の映像、1990年バレンボイム指揮によるスタジオ録音(TELDEC)があります。

*メトロポリタン・オペラDVD
1992年パルジファル3幕フィナーレより(期間限定)

関連記事:
☆☆ゲイル・ギルモア 1986年メトロポリタン・オペラのパルジファル
☆☆パルジファル ザルツブルグ音楽祭
☆☆歌手になる経緯ジークフリート・イェルザレムの場合
☆☆1981年バイロイト音楽祭のパルジファル

視聴したメトのパルジファル一覧
   1982年1984年1986年1991年1992年
  ラジオ(2幕)ラジオ正規録音DGDVD 
指揮レヴァインレヴァインレヴァインレヴァインレヴァイン 
演出メリル   メリルシェンクシェンク
パルジファルホフマンホフマンホフマンドミンゴイェルザレム
グルネマンツハインズ  タルヴェラモルモル
アンフォルタススチュアート  クラークモリスヴァイクル
クリングゾールメレディスマツーラマツーラウラシハマツーラ
ティトレルバーベリアン  ロビンズロータリングロータリング
クンドリダンリザネクギルモアノーマンW.マイアー


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コメント 10

ななこ

メトのこの舞台、2001年の春だったか、ドミンゴ、ウルマーナで見ました。
見た目は(シルエット的には)ひょっとしたらイェルザレムの方がいいかも?
歌は当然(^^
ホフマンと比べる気にはなりませんが。

3幕のこの幕が開くとそれまでの雰囲気と全く違って暖かい春の空気を感じて目を見はりました。
紗幕効果だったと思います。
2幕で生の花を感じた覚えはないですが・・・

ドミンゴの後は誰かメトで歌ってるのでしょうか?

>確かにあの映像のフローは悪くないけど・
イェルザレムにとって最高の適役じゃないですか?


by ななこ (2008-05-08 20:18) 

euridice

ななこさん
>メトのこの舞台、2001年の春
>目を見はりました。
ニューヨークでご覧になったんですね^^+
さぞ美しい舞台だったことでしょう。

海外での観劇、完全に人ごとという気分でした・・
新国でも最安席狙い
(唯一例外が、ドン・キショット。RRだからというので、大奮発。
それでもB席・・今から思うとトホホです)のせいで
ほとんど行けていません^^;;;
2002年からなぜか急に気分が変わったのですけど、
海外観劇までは・・まだで、もうかな・・

>ドミンゴの後
2006年にベン・ヘップナー
2007年からは上演がないみたいです。

>イェルザレムにとって最高の適役じゃないですか?
よくぞおっしゃってくださいました^^+

おまけにメトのパルジファル、キャスト表をリンクします。
by euridice (2008-05-09 08:59) 

ななこ

配役表見せていただきました。
2003年の方がファルクシュトルックマンでよかったでしょうね!
ケテルセンはなんか茫洋として記憶がありません。
それにドミンゴも一年一年声の艶は衰えていますし。

ヘップナーはいつかこちらで載せてくださった年寄りパルジファルでしょうか?
思い出したのですが、まだ若いのにひどい容姿でした。

ニューヨークに3回も行けたのは幸運でした。
向こうに駐在の知人がすべて手配してくれて(^^
おそらくもうチャンスはないし、行きたいとも特に思いません。
でも、引っ越し公演は高すぎるし・・
新国立も結構なお値段ですしね。
テレビ放送の充実を願いたいです。


by ななこ (2008-05-11 00:10) 

euridice

ななこさん、
>配役表見せていただきました。
どうも・・です。

>ケテルセン
ぱっとしないですね。
ごく若い頃の映像では、ちょっと気をひかれましたけど・・
新国でもいまひとつでしたしね。

>ヘップナー
配役表にメトの舞台写真をリンクしました。老け過ぎですね。
小さいのが並んでいるの、なんだか奇妙な感じ・・で、
拡大写真、いくら三幕でも、老成^^?!しすぎですわ・・
グルネマンツと交代したほうがいいんじゃない?
by euridice (2008-05-11 07:42) 

ペーターのファンです。

メトに限らず、パルジファルを歌えるテノールがいなくなってしまったような
気がしてなりません。

何かの評論に「パルジファルは優れた演奏が多く、歌いやすい役では
ないか」みたいなことが書いてあって、あきれ返った覚えがあります。
どんな耳をしていればそう聞こえるのか、不思議でした。

一本調子な単なる大声(胴間声・・・)、盛りを過ぎたイタリアオペラのスター、
ずり上げの悪声テノール、こんなのしかいないのかと叫びたくなります。

ジークフリート・イェルザレム、彼がワーグナーを歌うテノールとして
評価される理由がまったく理解できないのは、私がヘンなのかと・・・。

愚痴というか、罵詈雑言に近いですね。すみません。
by ペーターのファンです。 (2008-05-11 12:29) 

yokochan

こんにちは。
メトの配役表、興味深く拝見しました。大劇場ゆえ、バイロイトとだいたい似通ってますね。
なかでは、95年のG・ジョーンズが大いに気になります。

イェルザレム氏のデビューLPは、復刻されてませんが、当時散々の評だったです。ファゴット吹きが歌手になった・・・・そんなことばかり言われてました。
それにしても、すごい宣伝文句ですねぇ。
私は数回、日本で観てますが、ジークムント役、見映えもよく声もしっかりしていて悪くはなかったです。
もちろん、ホフマンだったら、どんなによかったことでしょうか!
by yokochan (2008-05-11 16:18) 

euridice

「ペーターのファンです。」さん
>愚痴というか、罵詈雑言
言いたくなりますよねぇ・・^^+

パルジファルについては、

ドイツでのホフマンのパルジファル評(1980)に
「私たちは、やっと!この作品が『アンフォルタス』ではなく、『パルジファル』と名付けられた所以を理解したのだった」というのがあったそうですから
ほんとうに良いパルジファルはホフマンの前にはいなかったのでしょう。後にもいないみたいです・・ね。

そういうことが一因だとも思いますが、
この役を軽く思う人が少なくないという印象です。
上の評でもわかるように、主役は実はアンフォルタスなのだとか、
少なくとも音楽的な主役はグルネマンツなのだとか
こういう感想や批評をよく目にします。

>ジークフリート・イェルザレム、彼がワーグナーを歌うテノールとして
評価される理由
これは第一に何と言っても、本人も言っているように
「人手不足」に尽きるということでしょう。
by euridice (2008-05-12 08:10) 

euridice

yokochanさん
>メトの配役表
データベースは便利なのですが、一公演ずつクリックしては見なければならないのが面倒なので、並べてみました。一覧表の効用をいまごろ痛感しています^^;

>95年のG・ジョーンズ
これがメトへの最終出演ということです。

>当時散々の評だったです。
そうなんですか。
宣伝効果でよく売れた反面、
期待外れ感も大きかったりしたのかも・・^^;;

やっぱり生だと、臨場効果があるんでしょうね。
遠目にはホフマンと区別つかないぐらい似てそうだし。
声だって部分的には共通性あるし・・
一度ぐらい生鑑賞したかったですけど、
どちらも生は知らないから、これで公平ってものかも・・です。
by euridice (2008-05-12 08:50) 

サンフランシスコ人

サンフランシスコ・オペラの「パルジファル」(1988年)

http://archive.sfopera.com/reports/rptOpera-id495.pdf
by サンフランシスコ人 (2008-05-14 10:59) 

euridice

>サンフランシスコ・オペラの「パルジファル」(1988年)
ジョン・プリチャード式、ニコラス・ジョエル演出、ルネ・コロ(パルジファル)、クルト・モル(グルネマンツ)、ワルトラウト・マイアー(クンドリー)、ヨルマ・ヒュンニネン(アンフォルタス)、ワルター・ベリー(クリングゾール)なかなかのキャストですね。
by euridice (2008-05-15 20:47) 

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