SSブログ

フィガロの結婚 コヴェントガーデン2006年 [オペラ映像]

「フィガロの結婚」の新たな映像を観るのは、昨年ザルツブルグの映像以来です。ごくまともな演出。ザルツブルグのがつまらなくはないけど、なんだか違うお話みたいな感じがしたのに対して、いかにも「フィガロの結婚」という雰囲気で、とてもおもしろかったです。どうも好みらしく、大概は楽しめるマクヴィガーの演出です。そして、久しぶりにフィガロが印象的でした。シュロットが人気歌手であることを納得させられました。

フィガロの結婚では、存在感の強さが時によってフィガロだったり伯爵だったりします。今までに観た映像で、特に気に入って印象に残っているフィガロは、ヘルマン・プライ、ルチオ・ガッロ、ジョセ・ヴァン・ダムぐらい。

それに対して、伯爵は、フィッシャーディスカウ、R.ライモンディ、最近の歌手ではヤーコプス指揮のピエトロ・スパニョーリ、ちょっと記憶が薄れてますけど、観たときにはけっこう気に入ったアンドレアス・シュミット、ちょっと変わった雰囲気のガブリエル・バキエ、いけすかない奴という感じだったけど、フィガロよりはるかに印象的だったローマン・トレケル、ロドニー・ギルフリーもけっこうよかったし、いかにも若様のトーマス・アレン(ザルツブルグのじゃなくてメトのほう...残念ながら非正規映像。このときのフィガロはR.ライモンディでこちらもよかったけど、ライモンディはやっぱり伯爵でしょう)、ウィリアム・シメルの若くて精悍な伯爵も好き、という具合で、どうも伯爵に注目してしまうことが多いみたいです。

スザンナは、ミレッラ・フレーニが刷り込み原型になってしまっていましたけど、マリー・マクローリンは実に新鮮でした。そして、ルチア・ポップ。

伯爵夫人も最初に観たキリ・テ・カナワ。他に印象的だったのが、チェリル・ステューダ、グンドラ・ヤノヴィツ、アネッテ・ダッシュ、ドロテア・レシュマン、まだ若くてひきしまって可愛かったキャロル・ヴァネス。

ケルビーノもそれこそ最初のマリア・ユーイング。これは最近になるほど、いかにも少年で、ほとんど女を感じさせないのが増えてきたような気がします。キルヒシュラガーは女盛りに見えちゃいましたけど・・・ 少女漫画的少年に見えるのが理想だと思いますが、ユーイングに続いて、ガブリエル・シーマ、フレデリカ・フォン・シュターデ。あとはいちいち名前まで覚えてませんが、今回最新視聴のケルビーノも含めてたいていのケルビーノが合格!かつてのいかにも女〜という女は、流行らない時代のおかげでしょうか。

最新視聴フィガロの結婚
コヴェントガーデン2006年
アントニオ・パッパーノ指揮
デヴィッド・マクヴィカー演出

フィガロ:アーウィン・シュロット
スザンナ:ミア・ペルソン
伯爵:ジェラルド・フィンリー
伯爵夫人:ドロテア・レシュマン
ケルビーノ:リナット・シャハム
バジリオ:フィリップ・ラングリッジ

序曲から幕が開いて、大勢の使用人の活気にあふれる伯爵家の朝が舞台上に出現。ここから様々の人間模様、人々の表情など、何かと好奇心を刺激されて、わくわくさせられます。もっと詳細を知りたい場合、ロンドンでの生で新鮮な鑑賞記が、FOOD FOR SOULにあります。Sardanapalus さん、よろしくお願いします。

関連記事:
最初に見た映像ベーム指揮、ポネル演出の映画版
次に気に入った映像アバド指揮、ジョナサン・ミラー演出 ウィーン
ヤーコプス指揮 パリ、シャンゼリゼ
パリ・オペラ座1980年
ザルツブルク音楽祭1991年
フィレンツェ2003年
ザルツブルク音楽祭2006年
新国立劇場


nice!(1)  コメント(4)  トラックバック(0) 
共通テーマ:音楽

nice! 1

コメント 4

Sardanapalus

わざわざリンクありがとうございました!私も好きなマクヴィカーの演出を気に入っていただけて嬉しいです(^^)もしあんな昔の記事でもよろしかったらTBもしてください。お待ちしています。

私がROHで見た時は
>いかにも「フィガロの結婚」
という演出は批評家にはあまりウケが良くなかったのですが、こういった元の話の筋に忠実な演出の「フィガロの結婚」が好きです。この演出では召使が大勢いるお城の生活が生き生きと感じられて、わくわくしながら見ました♪

>どうも伯爵に注目してしまうことが多いみたいです
私の場合はいつも伯爵に注目してしまいます(笑)顔も思い出せないフィガロも多数…(^_^;)
by Sardanapalus (2007-07-12 23:44) 

euridice

>TBも
しました。

>批評家にはあまりウケが良くなかった
そうなんですか?! 
ファッションショーの服は着られないのと同じですよね・・(違う^^?!)

>召使が大勢いるお城の生活
これだけでも充分、単なる「普通の演出」ではないと思います。

>顔も思い出せないフィガロ
これが意外と多い。狂言回し的な役どころのせいかもしれませんけど・・・
by euridice (2007-07-13 06:15) 

ななこ

2006年、ほんとに最新映像なのですね!

フィガロの結婚はいくつ舞台見て、いくつ映像見たかまるっきり覚えてないですけど、いつかの公演時のインタビューでスザンナ歌手がケルビーノは初めにさっさと2曲歌って拍手喝采浴びておしまいだけど、私は最後までばたばた走り回って歌って大変なのよ・・・と笑いながら話してたことが印象に残っています。
あれってマクローリンじゃなかったかなと思ってるのですが。

顔も思い出せないフィガロなのに、ヘルマンプライはフィガロそのものって強く感じるのはやっぱり偉大な歌手だったということでしょうね。

ブルーのアジサイが緑に変わってきましたね!
小さな庭ではもう花を切り取らないと来年の花芽が・・・というところですがこういう自然の場所では秋にバッサリなのでしょうか?
それでも毎年咲くのですね。


このブログから何となくふらふら飛んでいって大発見。
ハイティンクの魔笛でP・ホフマンの声が聴ける!?
全くもって今頃~ですが、ありがとうございました^^
by ななこ (2007-07-13 14:22) 

euridice

>ヘルマンプライはフィガロそのものって強く感じる
私も最初に観た映画版の「フィガロの結婚」「セビリアの理髪師」両方のフィガロが、が原型になってます。

>ブルーのアジサイが緑に
あの桜並木の下がアジサイだというのに、気がついたのは何故か今年がはじめてなんです。どうなっていくか楽しみです。

>ハイティンクの魔笛でP・ホフマンの声が聴ける!?
ただ魔笛だというだけで、配役チェックもせずに買ったので、
気がついたときびっくりしました。あのユニゾン、いいですね。
by euridice (2007-07-14 07:28) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0