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ワーグナー「パルジファル」バイロイト音楽祭1981年 [オペラ映像]

オペラ鑑賞開始時期に見たのですが、まったく受け付けない状態。一通り流しただけでした。同じ演出の、ペーター・ホフマンがパルジファルの放送録音を、1978年度、1976年度と聞くことができたので、十数年ぶりに再生しました。外国版だけみたいですが、DVDが出るようです。

オーケストラと合唱と特にグルネマンツがすばらしく、感動的。特に一幕に引き込まれたのには、驚き。アンフォルタスにも同情できます。パルジファルを追い出すグルネマンツの最後の台詞の字幕が、「嫁捜しでもするがよい!」なのは目が点になりましたけど・・・ そうなの??
二幕、悪人クリングゾールの生白い気色悪さもなんだか説得力があっていいです。

このグルネマンツ、聞き惚れ、ちょっと大げさですが、見ほれ(時に口が曲がるのはちょっと気になりますが、無視できる範囲)、引き込まれます。HMVの視聴者コメントの「この作品の音楽的な主役は実はグルマネンツなのではないか」に同感したくなります。また、往々にして、このオペラ、主役は閉じない傷に苦しむアンフォルタス王だ思う人が少なくないようです。ペーター・ホフマンのパルジファルに対する批評に、『私たちは、やっと!この作品が『アンフォルタス』ではなく、『パルジファル』と名付けられた所以を理解したのだった』というのがあったそうです。この物語の主題は、一人の人間の成長であるはずなのに、主役がパルジファルと思えないのは困ります。それこそ、同コメントの「パルシファルがホフマンだったら世紀の名盤だったのに.....」に同感です。

この映像のパルジファル、もどかしいというか嘘っぽいというか、しらけ鳥が飛ぶのです。大声の一本調子、単調で説得力不足。美しいクンドリーも誘惑しがいがないのか、二幕後半があまり良くない感じ^^?; そうは言っても、このパルジファル、視覚的に、とても品のよい、やんごとなさそうな雰囲気を醸す部分もありますから惜しいです。

ワーグナー:パルジファル
ホルスト・シュタイン指揮
ヴォルフガング・ワーグナー演出
バイロイト音楽祭1981年

アンフォルタス:ベルント・ヴァイクル
ティトゥレル:マッティ・サルミネン
グルネマンツ:ハンス・ゾーティン
パルジファル:ジークフリート・イェルザレム
クリングゾール:レイフ・ローア(Roar, Leif)
クンドリー:エヴァ・ランドヴァー

おまけ:おっとっと・・・^^! 



おまけ2:ホフマンの声も聞いてもらっちゃおう... 同じ演出で1976年




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コメント 14

ななこ

ここまではっきり書いていただくとスカッとしますね。
なにしろ天下のバイロイトの名舞台(のはず)ですから、品のよいやんごとなさそうな坊ちゃまという雰囲気だけで無理矢理納得させてきた感があります。
他の歌手の充実度が絶品なので初めて観た映像ですし思い入れはありました。
私は概ねアンフォルタスに惹かれます。
ヴァイクルといいファルクシュトルックマンといい、危険な色気がありますよね!?
by ななこ (2007-06-06 22:57) 

keyaki

なにもつまづくものがないのにぃ、
なんで、どうして、おっとっと・・・^^! なの!?
段差に足をとられたってことかな。
DVDでは、なにか細工をするのかしら?
by keyaki (2007-06-07 01:03) 

euridice

ななこさん
>危険な色気
パルジファルにも欲しいです^^l

keyakiさん
>なにもつまづくものがないのにぃ
そのまんま出しちゃうんだぁ・・
観客入れない特別収録なんだけど、あくまでライブだってことなんでしょうか。ブライアン・ラージ、シェローのリングのメイキングで言ってました。

後のフリードリヒのパルジファルでは、投げられたのを受けたわけでもないのに、槍を落っことして、手探りでさがして、客席から笑いがおこったという話もありました。

作曲者自身が「舞台神聖祝祭劇」と呼んだ深刻劇がお笑いコントになっちゃう....
それはそれで楽しいかも^^;; 
by euridice (2007-06-07 08:22) 

オデュッセウス

ようやくDVD化されますね。オデュッセウスはLDでは未見なので楽しみです!!つまづき(?)も楽しみです。
イェルザレムの評判が悪いようですね。まあ、確かにホフマンのどう考えてもよさそうですよね。
by オデュッセウス (2007-06-07 08:42) 

Sardanapalus

>「嫁捜しでもするがよい!」
えっ、そんなせりふありましたっけ?一度しか通して見たことがないので、今度他の演出ですが見直してみたいと思います。

>おまけ:おっとっと・・・^^!
おっとっとぉ!頑張ってフォローしてますけど、これはおもわず噴出してしまいました。平らなところなのにどうしたんでしょうね?せめて足元が映らなければそういう演技かと思ってくれる人もいるでしょうに、見事にこけてますね。
by Sardanapalus (2007-06-07 08:54) 

H

横からお邪魔します。

>「嫁捜しでもするがよい!」
und suche dir, gaenser, die Gans !
「鵞鳥のような愚かさだ。雌の鵞鳥でもさがすがいい!」

Gansは雌の鵞鳥ですが、愚かな女性に対する軽蔑語でもあるので、「鵞鳥のように愚かなお前に、似合いの娘でもさがすがいい」という意味を含んでおり、まったくおかしな訳ではないのです。
by H (2007-06-07 20:02) 

H

すみません、ヘンな日本語でした。
誤 まったくおかしな訳ではないのです。
正 まったくおかしな訳というわけではないのです。

あと、gaenserはGaenserに訂正。
by H (2007-06-07 20:17) 

euridice

Hさん
ありがとうございます。
ご説明で、すんなり納得です。

いきなり「嫁さがし」と言われるとびっくりです。
これは訳語選択の問題というか、
「ヘンな日本語」の部類ですね^^;
by euridice (2007-06-07 21:03) 

euridice

Sardanapalus さん
舞台、滑りやすいのかもしれませんね・・
傾斜舞台かもしれませんし。

シェローのワルキューレの1幕でも
ジークムントが危ない!って感じるところがあります。
さすが持ちこたえてますけど。
by euridice (2007-06-07 21:06) 

euridice

オデュッセウスさん

>ホフマンのどう考えてもよさそうですよね。
でしょ?^^!
by euridice (2007-06-07 21:15) 

ななこ

贅肉のない、なんとすがすがしい美声!
聴かせてくださってありがとうございます!!
カラヤン盤は1980年頃?
それで我慢するしかありません。
それにしても、何故ホフマンの歌う映像をバイロイトは残さなかったのでしょう?
誰が考えたって聴いても観ても理想的なパルジファルの登場だったのに。
by ななこ (2007-06-10 00:28) 

euridice

>何故
なぜ?なぜ?です・・・

当時発売になった「ワルキューレ」「ローエングリン」がホフマンなので、十分、全部同じ歌手ってのも具合悪いってところだったのかしら・・ねぇ?
なんて思ったりしてましたが、結局、イェルザレム氏ばかりやたらに多いという結果ですわ・・おそらくだれ一人思いもしなかったことでしょう......
by euridice (2007-06-11 07:47) 

おさかな♪

あっはははは、、、、^^。
すみません、大笑いしてしまいました!
今、おっとっとMOVIEを見ているところです。
:-O
by おさかな♪ (2007-06-14 19:54) 

euridice

おさかな♪ さん、こんにちは^^!
あれだけ派手に転んじゃってるのはめったにみられないでしょう。
バナナの皮もないのに・・・
by euridice (2007-06-15 08:20) 

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