ローエングリン [オペラ]
昨年末、新国立劇場「ホフマン物語」にホフマン役で出演したテノール、クラウス・フロリアン・フォークトが5月3日、ニューヨーク、メトロポリタン歌劇場にローエングリン役でデビューしたそうです。
某サイトの投稿によれば、今シーズンのローエングリンはベン・ヘップナーがメインで、最後の2回だけ、メト・デビュー、すなわちアメリカ・デビューのフォークト。ほとんどの人は「誰、それ?」という感じで行ったはずだけど、あまりにも甘美で素晴らしくて衝撃的で、ニューヨーク辺のオペラファンの掲示板でもかなり騒然となっているとのこと。ヘップナーの調子が悪いというので、引き続いてのパルジファルもやってほしいという投稿もあったそうです。事前に誰も知らなかったので、どうやらニューヨーク・タイムズの批評家は来ていなかったようで未だにレビューが出ておらず、一部のファンは憤慨しているみたいだとか。
メトロポリタン歌劇場のデーターベースによれば、5月3日、6日
舞台写真を見ると、歌手の手指の動きまで決められた、手の振り付けばかりが気になる、あのタイ辺りの古典舞踊のような、決まった姿勢をとらせる、私としてはあんまり好きとは言えないあの演出のようです.... 歌手はきっとやりにくいと思います。
ベン・ヘップナー、ダイエット効果ありの容貌と体型ですが、老けてますねぇ・・^^; エルザ姫はカリタ・マッティラです。
ところで、P.ホフマンのメト・デビューは1980年1月24日で、やはりローエングリンで、メトロポリタン歌劇場には同じ役で9回(1980年2回、1985年3回、1986年4回)出演しました。全て1976年新演出、アウグスト・エヴァーティングの演出です。1986年1月の公演は、DVDになっています。
ホフマンのメト・デビューについて、伝記には、
「ペーター・ホフマンは、1980年のニューヨーク、メトロポリタン歌劇場にローエングリンで、デビューし、マスコミによって、『メトの歴史上、最高のローエングリン歌手』と呼ばれた。1980年1月25日付けのニューヨーク・ポストには『彼は夢の騎士だった』と書いてあり、デイリー・ニュースは、その翌日、次のように書いた。
『ホフマンが、全体として、今日、オペラの舞台で、最も騎士にふさわしい男であることは間違いない(若いころのエロール・フリンみたいだ)ところで、その最高の気品と劇的効果を引き出すために、その圧倒的な身体的存在を利用している彼は、だれもが長い間夢見てきたワーグナーの演じ方を具現した』」とあります。
マリア女史の論文には、「1980年1月24日のメト・デビューに際して、ジェンキンズはニューヨーク・ポストに、ペーター・ホフマンはローエングリンとして印象的なデビューを果たした。彼の息をのむほど表現力にあふれた、「はるかな国に」、そして、非常に強い印象を与えたエルザとの別れ。その最後の高いAの音は、最初のそれと同様に新鮮だった。と書いた。」とあります。
ドナルド・キーンは、「ニューヨーク音楽日記 - 1980年春」に、
「日本からニューヨークに帰って最初に観たオペラは、1月24日メトロポリタン歌劇場で上演されたローエングリンである。この作品は、特に好きというわけでもないし、昨年東京で観た二期会のローエングリンも、このオペラをもう一度観たいと思う気持にさせてくれなかった。しかし、その晩メトにデビューすることになっていたドイツのテノール、ペーター・ホフマンに関する好意的な記事を読んで、出かける気になった」と書いています。結果は期待に違わずすばらしく、「ローエングリン」に対する「信仰」を甦らせてくれ、ニューヨークで迎える春のさい先の良い年の初めとなったということです。(ついさきの歌声は ドナルド・キーン著 中矢一義訳 中央公論社刊)
Robert Wilsonって、アイーダのやつですね。
能面メイクに能の動きを取り入れた、、なんたらかんたらの。
しかし、全部これでやるって、お手軽演出ですね。
オペラ歌手は、自然な演技ができないから、いっそのこと全部決めちゃえってことのようにもおもえなくもない。
なんか退屈そうな演出ですね。
小指はたてて下さい!なんて指導してるのかしら。(笑
by keyaki (2006-05-12 10:20)
>事前に誰も知らなかったので、どうやらニューヨーク・タイムズの批評家は来ていなかったようで未だにレビューが出ておらず
なんだかねぇ…
せっかく新しいテノールがデビューするってのに、それはあんまりな気がしますが…
6月だったか?の、バーデン・バーデンのDVD、楽しみですね(^^!
>ヘップナー
>ダイエット効果ありの容貌と体型ですが、老けてますねぇ・・^^;
同感ですぅ…フォイクトの写真がないのが残念ですね。
>カリタ・マッティラ
も、以前に比べると痩せたんじゃないでしょうか?ホホ骨強調・影つきメイクのせいかもしれませんが、ちょっとコワイかも(ごめんなさい^^;)
残念ながらフォイクトの歌った日ではないですけど、4月29日の公演が、バルトークラジオのアーカイブで聴けますね。今、聴いてます…(^^;
(ここはホントに音質がいいですね!…再放送を聴くにはここが一番いいわぁ…)
by ヴァラリン (2006-05-12 10:37)
>アイーダのやつですね。
そうそう、これね.....
http://geocities.yahoo.co.jp/gl/euridiceneedsahero/view/20060402
同じ演出家だったかどうか、他のオペラでも、パリのオルフェオとエウリディーチェだったかしら? 似たようなのを観たことがあります。ムカシ、ホフマンが憤慨したアヒム・フレイヤー演出の「魔弾の射手」と一見同類かな....
http://blog.so-net.ne.jp/euridiceneeds/2005-06-06
by euridice (2006-05-12 10:50)
このローエングリンですか。折角のデビューなのにねえ~、と言われそうです。
keyakiさん>
>Robert Wilsonって、アイーダのやつですね
私はドミンゴも白塗り「パルジファル」(ハンブルク)とか、能の動きがなんたらの「ペレアスとメリザンド」(パリ)の舞台写真でぶっ飛んだ覚えがあります(笑)言語も時代背景も関係無しの、完全な彼の世界ですね(^_^;)
ちなみに、パルジファルの写真↓
http://www.laopera.com/home/photo.asp?productionid=194
一度なら面白そうですけどね~、いつも同じ手というのはどうでしょう?一発でウィルソン演出だって分かりますが、合うものと合わないものがあるでしょうに。
by Sardanapalus (2006-05-12 14:04)
>パルジファルの写真
蝶々夫人もそうですが、どれも同じで、
どの演目でも簡単に使い回しできそう・・・
顔も無表情を強制って感じですね..... 人形振りのつもりかな〜〜
by euridice (2006-05-12 17:25)
ヴァラリンさん
情報、ありがとうございます。私もつれづれなるままに聴きました。確かに音はいいですけど、ヘップナーは不調ですね。数カ所はお見事?!^^;
>ちょっとコワイかも
あの演出家のメイク、確かにコワイかも^^; おまけに終始無表情。上からつまみあげたような髪型もお決まりみたい.... 衣装も型紙原型。
by euridice (2006-05-12 21:28)
わぁ、あのみんなで固まってる(?)アイーダと、あのオルフェオとエウリディーチェ(カーテンの代わりに壁が四角く動くやつですよね?)と、、、それにこのローエングリン、みんな親戚なんですか!しかも続々増殖中とは。、、、ベルティがラダメス歌ったのが映像になったのかぁと思ったら、この演出だったとは、、、なんとも気の毒。
by (2006-05-12 23:11)
>固まってる
そうそう、「固まってる」って感じですね....
>増殖中
みたいですね・・
by euridice (2006-05-13 08:04)
お久しぶりです。クラウス・フロリアン・フォークトのメト・デビュー記事ありがとうございます。衝撃的デビューだったのですね~ よかった! ワーグナー作品で日本にまたぜひ来て欲しいですね。
by Sheva (2006-05-25 23:41)
Shevaさん
>ワーグナー作品で日本にまたぜひ来て欲しいですね。
ですね^^!
by euridice (2006-05-26 07:09)
初めまして。神戸のShoeと申します。
このGW、NYに行ってまして、4月29日のベン・ヘプナーと、5月3日のこの人の両方見てきました。お目当てのベン・ヘプナーが出る29日のチケットがSold Outだったので、仕方なく3日のを先に取り、直前になって29日のチケットも取れたので両方見ることになったものですが、この人ほんとに良かったです。今まで聞いたことのないような甘いいい声で、しかもあの厚いMETのオケに埋もれることなく、ドレスサークルまで届きます。ベン・ヘプナーの調子がもうひとつだったので、余計にその良さが際だちました。でも、装置はないに等しく、演出は最低でした。そのひどい演出が気にならないというか、より歌の良さが前に出た感じです。
Opera BrogのIshibashiさんの記事は、歴史的な瞬間に立ち会った!と興奮されてましたね。近い将来、バイロイトで歌うことになるでしょう。
by Shoe (2006-05-30 12:10)
Shoeさん、はじめまして。
コメント&TB、ありがとうございます。
おじゃまさせていただきました。
あの水中生活ショー、テレビで見ました。
フォークトのローエングリン、評判が良いですね。
>歴史的な瞬間に立ち会った!
とは!
こんなふうにして新しい歌手に出会えるのはオペラ通いの最高の楽しみのひとつでしょうね。めったにない幸運でしょう。
バーデンバーデンのローエングリンがDVD化される予定とか、楽しみです。美しい演出、衣装でありますように...
>甘いいい声
甘すぎないことも祈ります.....^^;
by euridice (2006-05-30 17:59)