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レオニー・リザネク [オペラ歌手2]

レオニー・リザネクは、オーストリア人で、1926.11.12生まれ、1998.03.08 に亡くなりました。やはり主としてリヒャルト・ワーグナーや、リヒャルト・シュトラウスなどのドイツ・オペラで活躍したソプラノ。

ペーター・ホフマン、大先輩の彼女とは、「ワルキューレ」の双子として、度々共演したようです。ホフマンが突然の客演で彼女と出会ったときの話が、伝記にあります。

「ミュンヘン音楽祭でのジークムントは、レンネルトの再演が記憶に残っている。バイロイト出身のフクロウたちが咳払いするのをきくのだからという理由で、この上演のために、二番目のジークムントの衣装が作られた。最初のは普通の毛皮製のもので、二番目のはベトナムの戦闘服みたいで、パラシュート用のブーツ付だった。 これがあんなに感銘を与えるなんてたぶん思いもしなかっただろう。いかなる考えもなしに、ただ単に時事的だというだけにすぎなかった。全然気分がのらなかった。しらけた気分が紛れ込んでくると、この無関心を振り切って、言う、さあ、張り切ってやろう。

レオニー・リザネク(ジークリンデ役)はバイロイトのジークムントで私をみたことがあったが、今度はミュンヘンで私にジークリンデみたいに懇願した。

『私たちもあんな風にしましょう。私があっちへ身体を動かす、あなたはそれに続いて動く、とにかく何かしてください、私はただすっかり自由に動くだけです。何もしないというのはだめです』

ミュンヘンでのこの公演は物凄い拍手喝采をまき起こした。ジークムントでは相変わらず非常にたくさんの客演をこなしている。」(ペーター・ホフマン)

Lohengrin: Metropolitan Opera私がはじめて出会ったのは、相当なお値段にも関わらず思い切って買ったメトロポリタン歌劇場の「ローエングリン」のレーザーディスク。関連記事
敵役、魔法を操る女、オルトルートを演じているのが、レオニー・リザネク。一般にオペラの最中に拍手はしないワーグナー作品にもかかわらず、ゲルマンの主神、ヴォータンに誓う彼女の歌の後、拍手が巻き起こっています。これは、彼女のオルトルートさよなら公演だったみたいですし、なにしろメトですから・・・

メトロポリタン歌劇場では、彼女のジークリンデさよなら公演(ワルキューレ1988年)でも共演。

1982年バイロイト音楽祭、ゲッツ・フリードリヒ新演出「百年記念パルジファル」では、クンドリでした。

ちなみに、1985年にこのプロダクションで、ワルトラウト・マイアーがバイロイトにデビュー、ライブ録音がありまます。

ほかにホフマンとは関係なしでも、エレクトラ(ゲッツ・フリードリヒ演出の映画版)も、すっかり年をとってからのベルリン・ドイツ・オペラ「サロメ」の王妃ヘロディアスもいいです。

歌劇「エレクトラ」全曲R.シュトラウス エレクトラ
カール・ベーム指揮、ゲッツ・フリードリヒ演出
ウイーン・フィル1974年 映画版
エレクトラ:レオニー・リザネク
妹、クリソテミス:カタリーナ・リゲンツア
母、クリテムネストラ:アストリッド・ヴァルナイ
弟、オレスト: ディートリッヒ・フィッシャー・ディスカウ
母の夫、エギスト:ハンス・バイラー

エレクトラ*歌劇R.シュトラウス エレクトラ
ジェームズ・レヴァイン指揮 メトロポリタン歌劇場1980年
エレクトラ:ビルギット・ニルソン
妹、クリソテミス:レオニー・リザネク
母、クリテムネストラ:ミニョン・ダン
弟、オレスト:ドナルド・マッキンタイヤー

SalomeR.シュトラウス作曲 サロメ
ジュゼッペ・シノーポリ指揮、ペトル・ヴァイグル演出
ベルリン・ドイツ・オペラ 1990年

王女、サロメ:キャサリン・マルフィターノ
預言者、ヨカナーン:サイモン・エステス
ヘロデ王 :ホルスト・ヒースターマン
王妃、ヘロディアス:レオニー・リザネク


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コメント 7

ふくろう

リザネクは生で聴きました。
その頃はかなりお年だったはずですが、
まだまだ良い声だったと記憶しています。
あの長い「ジークフリート」の愛の二重唱でした。
ジークフリートを歌ったのはイェルザレムでした。
完全に負けてましたね(笑)
by ふくろう (2005-12-11 12:59) 

TARO

リザネックというとウィーンを中心に活躍した人というイメージが強いですが、METでもとても人気があったそうですね。

70年代まで、彼女はスタジオ録音にはあまりめぐまれてなくて、生でないと真価が分からない歌手の一人とみられてました。それで日本ではあまり人気がなかったんですが、1980年の来日(サロメとクリソテミス)で、完全に日本の観客を征服した感じですね。

今はカラヤンやベームとのライヴ録音が次々と発売されて、むしろCDに恵まれた歌手という感じすらありますね。
いずれにせよ歴史に残る大歌手だと思います。
by TARO (2005-12-11 14:48) 

助六

この2人のヴェルズングも興味をそそられますね。どちらかと言えば若さが身上のホフマンのジークムントと、美声ではないかも知れないけど表現面で「永遠のジークリンデ」だったリザネックの取り合わせ…。
彼女は82年初めて舞台で聴いたクンドリの、第一声からステージに妖気が拡がるような迫力が忘れ難いですし、84年位の十八番「影なき女」の皇后も素晴らしかった。その後カバニハやクリテムネストラなど聴きましたが、スケールの大きい表現力はいつも変わらず、96年に接した70歳のサルツの舞台引退公演のクリテムネストラに至るまで、声に輝きがなくなりまあお婆さんの声になってしまったいうだけで、音符を性格に操っていく技術には最後まで全く衰えがありませんでしたから、脅威です。これはルートヴッヒも同じでした。声の色艶まで結構残っているフレーニはもう化け物ですね!
ところで名前の発音は「リュザネク」ではなくてやはり「リザネク」なのでしょうか。前から気になっています。
by 助六 (2005-12-14 07:39) 

euridice

助六さん
コメントたくさんありあとうございます。

>名前の発音
この名前の人に出会ったことがないので、なんとも言えません^^;が、印刷物の表記では「リザネク」しか目にしたことがありません。
実際はどうなのでしょうか?

>82年初めて舞台で聴いたクンドリ
バイロイトですか? うらやましいなぁ・・・^^!
by euridice (2005-12-14 08:22) 

euridice

助六さん

W.マイアーのポートレートを見ていたら、
彼女が、この名前を発音しました。
もっとも近い音で書くと、音としては、
やはり「リュザネク」でしょう.. ..^^;
[r]の音はほとんど聞こえないほどです。
by euridice (2005-12-18 19:14) 

サンフランシスコ人

レオニー・リザネクを、一度サンフランシスコ歌劇場で聴いたことがあります。

by サンフランシスコ人 (2008-04-07 07:44) 

euridice

レオニー・リザネクとペーター・ホフマンは
サンフランシスコでも共演しています。
1982年ローエングリン、リザネクはオルトルート
1983年ワルキューレ、ホフマンのジークムント、リザネクのジークリンデ
by euridice (2008-04-07 10:33) 

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