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トリスタンとイゾルデ [PH]

楽しみに読んでいるblogで、バーンスタインの『トリスタンとイゾルデ』(CD PHILIPS) を買うなんてお金をドブに捨てるようなものなんて言っているヒトがいるという話題を目にしてしまったので、きょうはこの題でいきましょう。

バーンスタインの指揮、遅いとか、のろいとか、のびきったゴムだとか言うヒトがいますけど、緩急自在と言ってほしいもの。決して遅いだけではないです。ストップウォッチで測定したわけじゃないですけど・・。そういう問題ではないですね^^
ヒトによっては何も伝わってこないそうですけど、私にとっては、最高に官能的で情景と心理が手にとるように伝わってきます。なんと言う深い味わいと含蓄!思考停止で全身全霊を委ねられれば至福の境地にというもの。

バーンスタインの要求には、歌手も相当まいったようです・・・
これがP.ホフマンの初トリスタン。なにしろ超人的に難しい役だそうですから、当時から厳しい批評もあったのも事実。

P.ホフマンに対する悪口、否、辛口批評というべきなのでしょう、は耳たこですが、極めつけは、「顔と身体だけ」かしら。少なくとも、視覚面は認められているのだから、ファンとしては、喜ぶべきでしょう。

歌に「クセ」がありますか。私にとっては「個性」です。「美声」じゃない。何をもって「美声」と言うか、共通認識があるのかどうか疑問ですけど。私には「魅力的」で「官能的」な声です。

あんたの耳が悪いとか、聴き方が間違ってるとか、ホフマンの「顔と身体」に幻惑されているのだとか、それもまたよしです。世界に同じ音をきく耳は二つとないそうです。同じ耳だって、時によってきこえ方が違うのは間違いない。それはともかく少なくとも素人の聴き手にとって、歌手の好悪は、好みの問題だと思いますけど・・・ 違う!って意見もなくはないですね^^;

バーンスタインの「トリスタンとイゾルデ」
ワーグナー作曲 オペラ「トリスタンとイゾルデ」
トリスタンとイゾルデ バーンスタイン指揮 再発売
バーンスタインと共に....の一年
バーンスタインの「トリスタンとイゾルデ」テレビ放送
バーンスタインのトリスタンとイゾルデ ビデオクリップ


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ラダメス

勝手にトラバさせてもらいましたー。うれしいなあ、バーンスタイン盤が好きな方が身近にいたなんて。
何をもって”美声”というのか・・・仰るとおり個性の問題ですよね。
by ラダメス (2005-02-17 12:05) 

Esclarmonde

いつの間にかタイトルが変わっていて.「え?こんなブログ読んでたっけ?」って思ってしまいますた.
バーンスタインのマーラー「復活」が好きですが,確かに・・・・遅い.
by Esclarmonde (2005-02-17 21:14) 

keyaki

>バーンスタインの『トリスタンとイゾルデ』(CD PHILIPS) を買うなんてお金をドブに捨てるようなもの

二の句がつげません。ここまで言われるって、????

>「顔と身体だけ」歌に「クセ」「美声」じゃない
?????
こういうのって、言いたい放題なんでしょうけど、
どういう気持ちで言ってるのかな? 言うのは簡単

タイトルがいつのまにか雑記帳になっていて、
エスクラさん同様、知らない人のブログが・・とおもいました。
雑記帳なんて懐かしいひびきですね。
by keyaki (2005-02-18 00:03) 

keyaki

ラダメスさんがトラックバックした記事のコメント読みました。
これって、全部ミミっち@ローレンツ萌えさんのご意見だったんですか。(@_@)
でもね、「一世風靡した方々と較べる訳には…」って言っても、比べているのはミミっちさんじゃないんですかぁ。
ねぇ、ラダメスさん、そう思いませんか?
ラダメスさんも自分がいいとおもったものはいい!好き!って、言って欲しいなぁ。
ところでローレンツって誰ですか。
by keyaki (2005-02-18 09:24) 

ラダメス

はい、反省してます。ゴメンナサイ
by ラダメス (2005-02-18 18:55) 

euridice

keyakiさん
ローレンツって私もその声というか歌をきいたことはないと
思うのですが、お名前はきいたことがあります。ホフマンの伝記にも登場してますので、例によって引用します。

「実際、この百年、少なくとも高いC(ハ音)に届くヘルデン役では、有名なドイツ人テノールは、マックス・ローレンツとヴォルフガング・ヴィントガッセンの二人しかいない。・・・」(1983年の伝記)

「今をときめく有名歌手で構成された審査委員会が私たちを待ち構えていた。エリザベス・シュヴァルツコップ、アントン・デルモータ、マックス・ローレンツ、ルートヴィッヒ・ウェーバー、ジェス・トーマスという面々だ。(略)あとで、ジェス・トーマスが話してくれたことだが、マックス・ローレンツが彼にこう言ったそうだ。「だれかが『魔弾の射手』のマックスのアリアを歌ったが、それを聞いて、デビューしたころの自分が思い出されて・・・涙がこぼれた」(1983年の伝記)

「『魔弾の射手』からマックスのアリアを歌った第一部のあと、マックス・ローレンツに絶賛された。若いころの記憶が呼び覚まされたということだった。」(2003年の伝記)
by euridice (2005-02-18 20:00) 

keyaki

>ラダメスさん
ゴメンナサイなんていわれるといじめちゃったみたいで、エスクラルモンドさんに叱られそうだわ。

edcさんありがとうございます。
"一生を風靡した方々"って、マックス・ローレンツ以外にはどなたのことをおっしゃっているのかしら。
by keyaki (2005-02-18 20:19) 

ユルシュール

長らくネット落ちしておりました、ユルシュールです。大風邪でつらい……。
えうりでぃちぇさん、大好きな演奏をけなされて傷ついた時は、大好きな演奏を聴いて気分を直すのが一番です(経験者談)!ぐふっ……。

Keyakiさん、お久し振りです。ラダメスさん、はじめまして。
Keyakiさん、マックス・ローレンツは’43年バイロイトの『マイスタージンガー』(指揮:フルトヴェングラー)や、52年バイロイト『神々の黄昏』(指揮:カイルベルト)など、結構録音も多く残っています。パワフルな声を持ち、歌いまわしが強烈で、私は結構好きな歌手ですが(もちろん彼のトリスタンも大好き)、嫌だという方もおられるかも。今ではほとんど聴くことのないタイプの歌手ではないでしょうか。
"一生を風靡した方々"というのは、文脈から推す限りでは、メルヒオールやスヴァンホルム、ズートハウスなどでしょうか。
確かにこの時代のヘルデン・テノールをさまざまな録音で聴きなれている方にとっては、ホフマンやコロの歌唱はもの足りなく聴こえるのかもしれません。声の分厚さ、重量感、馬力などの違いは否定し難いものがあるように感じるので。逆に、ホフマンやコロのスマートな歌唱を聴きなれている方にとっては、あの時代の歌手たちの歌唱が重ったるく、古めかしく、野暮ったく聴こえるかな?うーむ。
……どちらにもそれぞれの良さがあると思うのですが……。
by ユルシュール (2005-02-19 09:47) 

ユルシュール

連続失礼いたします。少しつけたしをば。
>逆に、ホフマンやコロのスマートな歌唱を聴きなれている方にとっては……
云々と書きましたが、例えばスヴァンホルムの歌唱は、今でもそれほど古さを感じないのではないかと思います。重厚かつ引き締まった声、崩れのないスタイリッシュな歌唱です。

私が持っているローレンツの『トリスタン』のCDは、1949年のイッセルシュテット指揮・北ドイツRSOのもの(ARCHIPEL)ですが、より全盛期に近いものとしては1943年にヘーガー指揮・ベルリン国立歌劇場と録音したもの(Preiser)があります。
by ユルシュール (2005-02-19 12:54) 

euridice

ユルシュールさん、具合はいかがですか。インフルエンザ大流行のようですね。お大事になさってください。

歌唱スタイルの好悪は時代、国などで、おおまかな傾向があるようですが、録音に頼る部分が大きい日本では個人の感性の部分が大きくなるのではないかと思います。自分の感性に合う演奏や演奏家に出会えるのは幸せなことだと思います。
by euridice (2005-02-19 12:58) 

euridice

あら、ほとんど同時送信でした。
録音の紹介ありがとうございます。
1940年、50年代の録音は聴いたことがないので聴いてみたいです。
by euridice (2005-02-19 13:05) 

ふくろう

>金をドブに捨てる
捨てるも捨てないも人の勝手でしょうにね。
他人にとってはガラクタでもこっちにとっては宝物!
こういうのを“None of your business!”と言います。
私もバーンスタインの「トリスタン・・・」大好きです!

コロ、ホフマンの後、トリスタンをマトモに歌っているテナーは誰でしょうか?
ベン・ヘップナーくらい?ありゃあヘルデンじゃないですよ!
本人もそういってますけど・・・(^^;
by ふくろう (2005-02-19 14:02) 

YUKI

バーンスタインの指揮の事、かなりキツクけなす人がいるのですねぇ。。。
「のびきったゴム」は幾らなんでもけなし過ぎって感じ。。。(-_-")
指揮の場合って、それぞれの指揮者の音楽の解釈の違いが人によってあると思うので、バーンスタインは彼なりに独自の解釈の仕方をしているのでは?
と思うんですけど。。。(^^;)
確かにバーンスタインはカレーラスとキリ・テ・カナワ(だったかな?)の出演のウエストサイド・ストーリーで、カレーラスにかなり厳しかった・・・とかって言うのは過去に雑誌で観た事がありますねぇ。(^^;)
この時もこの雑誌には「いじめていた・・・」とかって書いてあった記憶があります。。。
by YUKI (2005-02-19 18:03) 

euridice

何にしろ満場一致はあり得ないし、あったらかえって気色悪いです。でも、まあ「言葉」は吟味して選びたいもの、自戒を込めて、というところしょうか。
>ウエストサイド・ストーリー
録音風景の映像、自分の要求をあくまでも追求&追究する面目躍如ってところでした・・・
by euridice (2005-02-20 00:17) 

ふくろう

あの時のカレーラスの場合は、
英語が下手なこともあって本人も不満だらけで、
カレーラスが自分自身に腹を立てて出て行ってしまったそうです。
芸術家のぶつかりあいはあって当然なことでしょうね。
by ふくろう (2005-02-20 02:30) 

euridice

>あの時のカレーラス
そうなんですね。自分自身に腹を立ててたんですよね。
CD、聴きましたが、『マリア』はともかく、言葉の数が多くて速い歌は大変そうにきこえます・・・
by euridice (2005-02-20 10:22) 

TARO

バーンスタインのテンポにたいする批判派の代表としては、石堂淑朗さんがあげられますね。石堂さんの言い分だとユダヤ人音楽家はおうおうにして、クラシック音楽の本質を理解できないので、ひたすら細部を彫琢するしか手が無い。だからテンポが遅くなるのだというようなことらしいんですが。

それもずいぶん変な意見だと思いますが、すくなくとも細部が徹底的に彫琢されているということは認めているようです。ただの伸びきったゴムとは、バーンスタイン嫌いで知られる石堂さんでも、思ってないようです。
by TARO (2005-02-21 02:41) 

euridice

>ずいぶん変な意見だと思います
はあ〜〜 『○○人はクラシック音楽の本質を理解できない』
勇気があるというか、スゴイ発言ですね。こういうタイプの言辞、音楽関連書物にはいっぱ〜〜〜いありますけど・・・ 

となると「日本人」はどうなるのかしら。で、もしかして「日本人」も同様だとしたら、「理解できない人」がこういう批評をすることも不可能になるから、自己矛盾。ってことは、「日本人」は理解できるわけね^^? 
by euridice (2005-02-21 08:49) 

Esclarmonde

>ずいぶん変な意見だと思います
>はあ〜〜 『○○人はクラシック音楽の本質を理解できない』
サザランド,ホーンをけなし続けた高崎某を思い出します.
by Esclarmonde (2005-02-21 18:52) 

TARO

日本人は理解できるみたいです。石堂さんの文章に寄れば。
ご承知かとは思いますが、石堂淑朗さんは脚本家で、主に「音楽現代」誌なんかに音楽エッセイも書いてる方です。
私は石堂さんとはほんのちょっとだけ面識があるんですが、普段は面倒見のいい、知的な紳士なんですが、音楽のことを書くときだけ異様に過激になるんですね。不思議です。

で、一応私が主張したいことを繰り返すと、石堂さんの思想はどうでもよくて、「そんな石堂さんでも、バーンスタインのトリスタンは細部が徹底的に彫琢されてるということは認めてるわけで、遅いテンポの中に何もないと思う人というのは、完全に『聞けてない』だけじゃないのか」ということです。

>Esclarmondeさん

確かに。石堂さんにとってのフルトヴェングラーを、高崎さんのカラスに置き換えると、似たところがありますね。
高崎さんは、ちょっと一面的ですよね。オペラへの接し方、特にベルカント・オペラへのそれが。
オペラについての知識・教養・作品理解と経験の蓄積はさすがにものすごいものがあって、彼の書いたものでは、ずいぶん勉強させていただきましたけども。
by TARO (2005-02-22 03:30) 

euridice

つまり、批判しつつ、あるいは、批判するつもりが、演奏の本質をついてくださったわけですね^^

>音楽のことを書くときだけ異様に過激に
車の運転をすると人が変わるってのに共通するものがあるのかしら。
石堂氏の文に限らず、いつも不思議に思うのは、日本人以外の反論も受けてたつことができるという次元で書いていらっしゃるのかしら?ということです。日本人以外読まないからと安易に書いているのではないとは思いますけど・・・
by euridice (2005-02-22 08:11) 

おさかな♪

こんにちわ!
トリスタンとイゾルデにはまってます、おさかな♪と申します。
私が聴いているCDは、CHRISTIAN THIELEMANNさんがウイーンフィルを振っているものです。先日ウイーンでホンモノを聴いてきました♪♪♪
音とは関係ないですが、ジャケットが何だかステキですね。
>思考停止で全身全霊を委ねられれば至福の境地にというもの。
→うう~ん、良い表現!トリスタンって不思議な魅力を持ってる曲ですね。
by おさかな♪ (2005-03-16 21:34) 

euridice

おさかな♪さん、いらっしゃいませ!!
ウィーンまで聴きにいらっしゃったなんて、うらやましいです。
>ジャケットが何だかステキですね。
そう、ジャケットも気に入ってます^^; ペーター・ベーレンスの「接吻」という作品だそうです。この二人、主役の歌手たちに似ているような・・・・
by euridice (2005-03-16 22:48) 

ぱきゅん

この度はトラックバックを頂いた上に、貴重な情報まで頂きまして
どうもありがとうございました。
今回8種類の“トリスタンとイゾルデ”を聴き比べるかたちとなりましたが
ボクはバーンスタイン盤が一番しっくりというか、感動しました。
バーンスタイン盤について、あ~だこ~だと言う方もおられるようですが
ボクは自分の感じ方を大切にしたいと思いました。
by ぱきゅん (2005-04-30 17:45) 

euridice

ぱきゅんさん、お越し下さりありがとうございます。
私も
>自分の感じ方を大切にしたい
と思います。
by euridice (2005-04-30 22:31) 

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