P.ホフマンの近況 [PH]
昨年、2004年8月、60歳の誕生日を迎えたからでしょうか、ドイツのサイトには、だいたい同じような内容ですが、相当数の関係ページが容易に見つかります。大体の内容をまとめておきます。
以下、ネット上で見つけた複数の記事からの抜粋、要約です。
テノールのペーター・ホフマンは、パーキンソン病のため、もはや仕事を続ける可能性はないと考えている。医学的な奇跡がおこらない限り、オペラの舞台に再び立つことはないだろうと、59歳の彼は『新評論 Neue Revue』に語った。また、バイロイト音楽祭にももう行かない。『私の後ろで、ちょっと見てごらん、あそこにあのホフマンがいる。手が震えているよなどと、人々がひそひそ話すことになるのは本意じゃない』ということだ。 記録によれば、ホフマンは1976年にはじめてバイロイトの舞台に立ち、ワーグナーの音楽祭史上、最年少の『パルジファル』を演じた。現在のクリストフ・シュリンゲンジーフ Christoph Schlingensief 演出を歯に衣を着せずこう批評した。『むき出しの巨大な胸の女性が「パルジファル」にとって意味があるかどうか、私としては大いに疑わしく思う』とホフマンは強調した。『しかし、好みに関しては、周知のように人それぞれ異なるものだ。』 ホフマンは七年前にパーキンソンと診断された。現在、彼は妻のザビーネ(29)と娘のローラ・ゾフィー(1)とバイロイトで引退生活を送っている。8月22日60歳を迎える。 趣味の乗馬も震えのため断念したと語った。『乗馬中に発作がおこり落馬する危険があまりにも大きくなった。』病気の進行を遅らせるために、毎日4回各種の錠剤を服用している。 しかし、日常生活においてはまだ完全に問題がなく、『99%助けは必要ではないが、たまに弟のフリッツに靴のひもを結んでくれないかと頼むことはある』ということだ。 『声はできるかぎりいつも訓練しているけど、聴衆は家族と友だちだけです。公の場に出るストレスにはもう耐えられません。興奮しすぎるとまず両手が震えはじめ、それから全身に及びます。』 最初に問題が影を落としたのが1987年、ボン・オペラのパルジファルのプレミエのキャンセルだった。また同年バイロイト音楽祭のトリスタンのときも観察者の見解によれば納得がいかなかったということだ。 |
興味のある方は下記をご参照ください。
1) ある歌手の半生と意見
2) オペラ歌手
(どちらも私のHPです。1はホフマンに関する資料と私のオペラ体験が中心、2はホフマンについて、順次まとめ中というところです)
補足:
上記、記事のうち
また同年(1987)バイロイト音楽祭のトリスタンのときも観察者の見解によれば納得がいかなかったということだ。 |
に関連して思い出したことがあります。
1990年にNHK放送の来日演奏家特集番組で、ほんの1、2分ホフマンの歌う「冬の嵐は過ぎ去り」を視聴しましたが、「不調」などという生やさしいものではない、病的な異常さを感じました。非常に不可解というか不思議な気持ちがしました。 歌唱も録音で聴いたものとの落差は相当でしたが、それよりも、その様子の方に異常を感じました。歌唱に関しては不調ということはどの歌手にもあるとして納得できます。しかし、あれだけのベテラン歌手が、舞台であのようなぎこちない硬直した様子を見せるものだろうか?!というのが最も違和感を感じた部分でした。 その後、この実演に接した方々による「悪評・酷評」はネットをはじめ雑誌などで度々目にしていますが、実演に接した人たちの中に、「病気」を疑った方も多少はいらっしゃったのでしょうか? 私は実演に接したことは、心底残念なことですが、ありません。 |
泣けてきます ......
昨夜BS2の"Alias2"にルトガー・ハウアーが出てました。
何の関係が? って、やっぱり似てますよね。
by keyaki (2005-01-14 01:38)
お気の毒に・・・・としか言いようがありません。
人前に出てさらし者にされるのはたまらないだろうし・・・。
しかしまた若い奥さんをもらってお子さんが出来たんですね~!
by ふくろう (2005-01-14 06:35)
こういうの隠すべき・・みたいな感じもあって、それが○○的みたいな感覚もあるかな?とも思いましたけど、
人間ならだれでもありうる現実。
『恥』のような感覚を持つのは間違っていると思いたいです。
若い伴侶と(多分)はじめての女の子に恵まれて、
かつてとはまた別の幸福も感じていらっしゃると信じたいです。
写真、おそらくごく最近の撮影だと思います。
うちのハイデ、イキナリ?!ハツジョウ・・・
オオ〜〜ん、悩ましい・・・
by euridice (2005-01-14 07:34)
euridiceさん、メールの返事をコメントで
そうだったんですか。86年のバイロイト、ジャニーヌ・アルトマイアーとのコンビでは、さぞや美しい舞台姿だったことでしょうね。コロ版の映像しか見てませんが、ポンネルの舞台も綺麗ですものね。
ボン・オペラの「パルシファル」ってギュンター・クレーマー演出のでしょうか?プレミエで以上が出たのでは厳しかったでしょうね。そういえばかつてバイロイトのウォルフガング演出では、フランツ・マズーラが舞台上で槍を投げて、それをホフマンがパッと受け止めるという演出があったそうですが。
それにしてもホフマンの奥さんって30歳も若いんですね・・・
by TARO (2005-01-15 11:40)
TAROさん、いらっしゃいませ!
>さぞや美しい舞台姿
でしょうね〜〜 86年か、87年か、どっちだったのでしょうか?
三枝成彰さんが、『感動のあまり立てなかった』なんて書いてます。
>そういえばかつてバイロイトのウォルフガング演出では、フランツ・マズーラが舞台上で槍を投げて、それをホフマンがパッと受け止めるという演出があったそうですが。
これは1982−1985年のゲッツ・フリードリッヒ演出のでしょう。レヴァイン指揮で、正規盤CD(PHILIPS)がありますが、映像はないのが残念です。舞台写真はけっこうあって、なかなかおもしろそうです。ワーグナー年刊でも詳細な解説が読めます。
1983年刊の伝記に『槍投げ』に直接言及している部分があります。http://www.geocities.jp/euridiceneedsahero/8310.html#yari
>ホフマンの奥さん
三度目の伴侶でしょうか。経験的に(少ない体験知識ですが)欧米人って、年齢差の大きい結婚多いし、日本的感覚よりは普通のことのようですね^^;それにしても、息子さんたちより10歳も若いわけです。
by euridice (2005-01-15 15:03)
リゲンツァも舞台姿は綺麗ですからね。86、87いずれでも美しい舞台が展開されたことでしょうね。(映像版のヨハンナ・マイアーも舞台で見る分には問題ないですが。カメラでアップを撮られるとちょっと・・・ですけど。)
>1982−1985年のゲッツ・フリードリッヒ演出
あ、フリードリヒでしたね。なんかパルシファルは一族の占有物のような感じがして間違ってしまいました。
間違いといえば前のコメントで異常と以上を変換ミスしちゃいました。
失礼しました。
by TARO (2005-01-16 00:00)
初めまして、1時間以上もお邪魔してしまいました。
ホフマンの1ファンでございます。
初来日は、歌手の不調の原型トラウマとなって今も残っています。クンドリみたいです。
このような偉大なファンの方々がおられるなんて、本当に感動致します。
感謝!
by さっち (2005-09-04 14:48)
さっちさん
初めまして。ようこそ。
>初来日
&二度目の来日で、がっかりして、ファンやめちゃった人も少なくなさそう・・・ あの後、オペラでは、消息不明状態でしたし・・・
by euridice (2005-09-04 21:59)