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ブリテン「ピーター・グライムズ」新国立劇場 [劇場通い]

ブリテン:ピーター・グライムズ
リチャード・アームストロング指揮
東京フィルハーモニー交響楽団
ウィリー・デッカー演出
新国立劇場2012.10.5

ピータ・グライムズ:スチュアート・スケルトン
エレン・オーフォード:スーザン・グリットン
バルストロード船長:ジョナサン・サマーズ
アーンティ:キャサリン・ウィン=ロジャース
姪1:鵜木絵里
姪2:平井香織
ボブ・ボウルズ:糸賀修平
スワロー:久保和範
セドリー夫人:加納悦子
ホレース・アダムス:望月哲也
ネッド・キーン:吉川健一
ホブソン:大澤 建


演奏もたぶん最高だったのでしょうし、出演者全員、とても良かったです。
それにしても、音楽も物語も怖い。不安と恐怖と疑問をかきたてる。かわいそうなのはあっという間に犠牲になってしまう少年。弱くてドジなのが悪い? エレンや船長のように真摯に他者に関わる人たちの善意に対して、実は無関心で悪質な好奇心だけで他者を攻撃しまくる人とそこに生じる群集心理この恐ろしさは、今やマスメディアとインターネットによって、田舎の小さな共同体をこえて広がっている。他人の悪事をあばくのが趣味のセドリー夫人のような人、すぐそれに乗る人、そして爆発する群集は、自分自身に内在する犯罪性を隠蔽し、自己の正当性を主張するためのスケープゴートを求める心理につきうごかされているということらしい。

このデッカー演出では、場所が教会のことが多い。教会という共同体の攻撃性、排他性を感じさせる。ピーター・グライムズはきっと礼拝には行かないのだろう。これは、以前テレビで見た演出とはずいぶん違う。こちらティム・アルベリー演出では、教会堂を感じさせる場面はない。デッカー演出では子どもたちが教会堂から追い出されるが、どういうこどもなのかよくわからなかった。アルベリー演出では、浜辺で遊ぶ少年たちが仕事に追い立てられる。他の漁師が使っている少年たちなのだろうと思った。

以前にテレビで見た映像:
ブリテン:歌劇「ピーター・グライムズ」Op.33(英語歌詞) [DVD]
ダヴィッド・アサートン指揮
ティム・アルベリー演出
イングリッシュ・ナショナルオペラ1994年
ピーター・グライムズ:フィリップ・ラングリッジ
エレン・オーフォード:ジャニス・ケアンズ
キャプテン、バルストロード:アラン・オピー
居酒屋のおばさん:アン・ハワード


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