バイロイト音楽祭2008年 ニュルンベルグのマイスタージンガー

映像を見ました。映像のほうが、音声だけより、歌手の声がよく聞こえます。ネットラジオ録音とは印象がかなり違います。特にワルター・フォン・シュトルツィング（フォークト）はずっといい感じです。見ながら効果もあるのかもしれません。でも、全体的には、設定がどうなってるのかよくわかりませんし、総じて騒々しいというかうるさいです。そうそう、フォークトって、フォーマルスーツ姿がとても似合って、かっこいいです。鮮明映像で見る顔、容貌魁偉の部類かも・・ですが、舞台ではこれぐらいでいいかと・・　声に迫力があればねぇ・・



以下は、2008年の記事です。
恒例、インターネットで。昨年と同じ演出、演奏もほぼ同じ人々でというわけで、昨年に引き続き、はっとするような演奏ではなかった。少なくとも視覚効果ゼロのラジオ鑑賞では、声による人物の区別もつきにくいし、そこはかとなくかったるいというか、要するに面白くない。つまらない。
左画像は指揮者、セバスチャン・ヴァイグレ（1961-　ドイツ　2004年からバルセロナ、リセウ大劇場音楽監督）

例えば１幕２場の終わりのほう。ダヴィッドのマイスタージンガーに関する長々しい説明を聞かされたワルターが、この上はマイスターになるだけだ！と叫びます。この宣言が際立たないとおもしろくないと思うのですが、なんだか埋没して・・ダビッドとの差別化成功してないと思います。（２、３度聴いて慣れちゃうとそれなりにいいような気もしてくるような・・　嗅覚のつぎに慣れやすいのが聴覚でしょう^^;;)

あきらかにワルターとわかるところでも、フォークトくん、声はきれいなんですけどね・・わくわくしない。歌はとにかくのっぺらぼうで気分は盛り上がりません。エーファのソプラノは今年バイロイトデビューらしいですけど、格別の魅力はなし。
この作品、ペーター・ホフマン出演の録音を聴いて、やっと繰り返し聴くようになったわけだから、その辺の偏見かもしれませんけど^^;;
それにしても、カセットテープ録音のはずもないのにカセットの回り具合が変なのかというような雑音が時々していたのは、どうも舞台で使われたという小道具、タイプライターの音のようでした。音だけ鑑賞では、完璧に興ざめ。

ワーグナー：ニュルンベルグのマイスタージンガー
セバスチャン・ヴァイグレ指揮
カタリーナ・ワーグナー演出

ザックス：フランツ・ハヴラタ
ポーグナー：アルツール・コーン
ベックメッサー：ミヒャエル・フォレ
ワルター：クラウス・フローリアン・フォークト
ダヴィッド：ノルベルト・エルンスト
エーファ：ミカエラ・カルネ
マッダレーネ：カローラ・グーバー
☆右の写真：ワルター＆ベックメッサー
☆2007年の記事☆

☆1988年バイロイト音楽祭
＊過去の記事：☆
ちょうど20年前ですねぇ・・
＊期間限定ラジオ放送録音NHK-FM
☆☆当分
＊サンプル：１幕２場より
（上の今年のファイルと同じ箇所）

コメント 10

フォークト君すっかりワグナー歌いになっちゃたのね。
３年前に新国のホフマンで、オペラ歌手にしてはめずらしい部類の容姿だったんですよね。
このワルターの衣裳、あら、グリゴーロ君のコンサートスタイルじゃないの...と思いましたが、襟をジャケットの外に出したり、靴がスニーカーだったりが彼風ではないし、今どき、音のするタイプライターなんてないでしょうし、何年くらいの設定でしょう。
by keyaki (2008-08-07 08:46) 

貴重な音源ありがとうございます。ホフマンのワルターを聴くのは初めてです。本当に好きな声で聴くとすぐ耳に馴染み、どんなメロディーにでも愛着を感じてしまいますね。役の言葉もメロディもそうなるしかないみたいに、すごく説得させられてしまう。
すべてのワーグナー作品を彼の声で聴きたかった。どの歌手を聞いても一向に胸に響いてこなくて。久しぶりに耳の保養をさせていただきました。楽しいひとときでした。


by momo (2008-08-07 20:12) 

本当に素敵なワルターですね。ワクワクする歌声です。もちろん、ペーター･ホフマンの方です。ホフマンと比べてしまうと、どんな歌手もかすむようです。
バイロイトは音源も映像もまだまだ秘蔵してあるに違いないと思います。
ホフマンの声と姿を堪能できるものなら、全部出てきてほしいと切に願います。

by ペーターのファンです。 (2008-08-07 20:49) 

keyakiさん
ドイツ人ですから、必然的な選択肢のひとつでしょうし、要求も多いんでしょう。あれだけの体格と容姿のワーグナーテノール、希少価値ありでしょうからねぇ・・
by euridice (2008-08-08 06:45) 

momoさん
＞ホフマンのワルターを聴くのは初めてです。
正規にはアリア集で一部を聴けるだけですものね・・
この録音はほんとに貴重です。ちゃんとCDで出してほしいものです。
全体的にも良い演奏だと思うんですけどねぇ・・

＞役の言葉もメロディもそうなるしかないみたいに、すごく説得させられてしまう
ほんとうに、こういう歌手はほんとに少ないです。

by euridice (2008-08-08 07:17) 

ペーターのファンです。さん
＞ワクワクする歌声
ですね！！

＞全部出てきてほしい
聴くたびにそう思ってしまいます。


by euridice (2008-08-08 07:23) 

ペーター・ホフマンのワルター、音源は絶対残っているはずですので何としても商品化して欲しいです。先日のパリ国立オペラ来日公演でクリフトン・フォービスのトリスタンを聴いて改めてホフマンのトリスタンの素晴らしさを痛感しました。

ただ、クラウス・フローリアン・フォークトには期待大です！！まあトリスタンやジークムントには進出しないでしょうが……。もしかしてもう進出しているのでしょうか？

目の覚めるようなトリスタン、登場しないもんですかね！？
by オデュッセウス (2008-08-08 18:45) 

オデュッセウスさん
＞ホフマンのトリスタンの素晴らしさ
トリスタンに限らず、大きな違いを感じざるをえません。
どちらかというと批判を通り越した非難を目にすることが
一時多かったので、
人の好みは様々としても
ほんとにあの素晴らしさがわからない人が
少なくないのが不思議です。

フォークトは、ワーグナーはローエングリン、マイスタージンガー、パルジファルみたいです。

＞目の覚めるようなトリスタン
ワーグナー作品はどれも、
とりあえず最後まで歌えます・・で満足って世界かも・・

by euridice (2008-08-09 07:26) 

この映像は見ました。
フォークトは先日のワルキューレ、ジークムント氏よりは容姿はまともなのかも知れませんね。
それにそれなりに役柄をつかんでいるようにも思いました。
ただ、その声と歌に大いに違和感あってむずむずします。
もうちょっとピシッと決まらないものでしょうか・・・
歌ってる時の表情も女性的というか・・・
どうも見てて落ち着きません。

by ななこ (2010-09-03 23:38) 

＞ピシッと
これですね、いろいろ言い方はあるのでしょうけど・・
＞ピシッと
決まる声の持ち主がいない・・


by euridice (2010-09-05 09:31)