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ある女性評論家のホフマン@トリスタン論あるいは讃(1) [PH]

以前にお知らせしましたが、バーンスタイン指揮のトリスタンとイゾルデが、国内版ではありませんが、再発売されました。値段もちょっと下がって、多少買いやすくなりました。英語、フランス語対訳付き歌詞のリブレットはありますが、解説も歌手紹介もなし、ものすごく小さい字のぺらぺら。
最後のページに一枚だけ、写真があります。指揮者と主役歌手、三人のスナップ。トリスタンは初めてで緊張気味。イゾルデは余裕の笑顔が美しい。指揮者は念願がかなって満足そうです。

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さて、ペーター・ホフマンのトリスタンはすばらしいですが、自分で論じる、あるいは、讃美する知識も文才もないので、ホフマン・フリークを自認するアメリカの音楽評論家のヘルデン・テノール論(1989年刊)から、その部分をご紹介します。

 ホフマンの役としてよく知られているヘルデンテノールの役のうちで、トリスタンはテノールに最高にやりがいのある難題をつきつける。ホフマンのこの作品の経験は1981年バーンスタインのコンサート形式上演にまでさかのぼるが、実際に舞台でトリスタンを演じたのは1986年からにすぎない。それでも、短期間のうちに、歴史に残るこの役の優れた演奏者たちのひとりであることを立証した。

 ホフマンが三幕を一幕ごと、ライヴで、テレビ用に録画、録音するという企画で、はじめてのトリスタンを歌ったとき、(バーンスタインの公演は、テレビ用のビデオ撮りとレコード録音しながら、聴衆を前にして舞台で歌われた)ヨアヒム・カイザー はこのように書いた。

『ペーター・ホフマンはこの十年間の偉大なトリスタンの仲間入りをした。彼はねたましいほどの若さだ。元気いっぱいで、エネルギーにあふれ、情熱的だ。楽譜の難しい部分も臆することなく表現した・・・ 凄いことだ』

そして、1983年にレコードが発売されたとき、ハロルド・ローゼンタール は 「オペラ」誌の批評で、『このレコードは、棚にしまうときは、メルヒオールの隣に並べるべきだ』とまで述べた。

 ヒルデガルト・ベーレンス、ベルント・ヴァイクル、イヴォンヌ・ミントンなどと共演したバーンスタインのトリスタンは、今までに作られたこのオペラの最高によくできたもののひとつだ。

あえての極めてゆっくりとした速度、歌手たちのレガートと呼吸に支えられて、そのテンポを維持することが可能になり、指揮者はこの世のものならぬ官能的な、めったにないような美しさを備えた世界を創り出した。

初のトリスタン役のホフマンは、この役の歌の美しさを強調した。最初の音から最後の音まで、非常に優美に歌うと同時に、複雑な心理描写をしている。バーンスタインの指揮の透明さと繊細さに併せて、ホフマンの声は月光のようなきらめきを示し、息をのむほどに抑えた強弱感を創出。この演奏は、暗い運命にとらえられた英雄を浮び上がらせる。はじめは、極端に抑圧された願望に悩まされているが、ついには、罪のうちに解放され、死に抱かれて恍惚のうちに、その願望は、成就する。(つづく)


余計なお世話^^; :こちらのほうが格段に安い・・

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ヴァラリン

わ!写真が大きい(^^!
>解説も歌手紹介もなし
とは、ちょっと寂しいですけど…廉価版だから仕方ないのでしょうかね。
でもこの写真、初出ですよね?多分…
by ヴァラリン (2005-11-10 08:19) 

euridice

^^; 取り込んだままで、OKかなって試してみたら大丈夫だったので・・・ まあね、新たな収穫はこれだけってことで^^!
by euridice (2005-11-10 08:27) 

keyaki

>新たな収穫はこれだけってことで^^!
これはファンにとっては嬉しいことですね。
私もミュンヘンのドン・ジョヴァンニ再発で、高いのでどうしようかと迷っていたら、写真が違うということを知らせて下さった方がいて買っちゃいました。
by keyaki (2005-11-10 09:21) 

おさかな♪

300個目の記事おめでとうございます~♪
・・・と書こう書こうと思っていて、見逃してしまいました。
気がついたら過ぎてました、ごめんなさいm(_ _)m。
これからも遊びに来ます☆☆☆
PS:トリスタンとイゾルデの「接吻」の絵、懐かしいです・・・。
by おさかな♪ (2005-11-10 14:15) 

euridice

おさかな♪さん
nice!もありがとうございます。
私も気がつきませんでした。いつのまにか越してましたね。
このブログはじめてもうすぐ一年ということです。
はやものです・・

>これはファンにとっては嬉しい
そうですね・・ 初めて見る写真だったし。
三人そろってよく撮れてますしね。
by euridice (2005-11-10 14:44) 

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