歌手対演出家 ゲッツ・フリードリヒ [人々]
演出家、ゲッツ・フリードリヒ(1930-2001 ドイツ)は、リューベック歌劇場でデビューしたばかりのペーター・ホフマンに、いちはやく目を付けていたようです。二人が初めて一緒に仕事をしたのは、シュトゥットガルトでの「パルジファル」でした。この時、ホフマンは、ほとんど同時期に、ヴッパータールとハンブルクでも「パルジファル」の新演出に出演しており、「連邦パルジファル」と呼ばれたということです。1976年３月のことです。
写真は、1982年バイロイト音楽祭「パルジファル」の練習風景 フリードリヒとホフマン
ホフマンはゲッツ・フリードリヒ演出で、バイロイト音楽祭のローエングリン
（1979-1982）、百年記念のパルジファル（1982-1985）、ベルリン・ドイツ・オペラでジークムント（ワルキューレ、1984）などを演じていますが、この演出家に対する気持ちは微妙なようです。1983年発行の伝記の中で、ホフマンは演出家について次のように述べています。
「たいての演出家は歌手と一緒に仕事をするのが好きで、歌手というものを知っている。彼らは付き合いやすい。けれども、違うタイプの演出家も存在する。オペラがすでに頭の中ででき上がっていて、それを自分だけでつくるのだという演出家が私の一挙手一投足を監視していることに気がついたら、これは嫌な気分だ。ゲッツ・フリードリヒは、こういうタイプで、そういうことを的確に述べたことがあった。ただし、彼は私を繰り返し使っている」
いずれにせよ、大勢の有名な演出家のなかで、フリードリヒを「彼の心に何もひらめかないときでさえ、とにかく演出界で名前が知れ渡っている他の幾人かよりははるかにいい」と評しています。
初共働のシュトゥットガルトのパルジファルでは、フリードリヒが三つのパルジファルの練習で忙しいホフマンに配慮しなかったこと、産業スパイ活動を懸念したのかホフマンにちゃんと説明しない部分があったこと、大音響のオーケストラの箇所で、後ろ向きで歌わせようとしたことなどが原因で、あわや決裂の大げんかをやったようですが、「雨降って、地かたまる」の結果に。以来、一緒に最高の仕事ができるようになったということです。
ベルリン・ドイツ・オペラの「ニーベルンクの指環」はテレビ放送されたメイキング映像があります。フリードリヒがホフマンが言うようなタイプだということが垣間見られるのも興味深いです。
面白い！
気弱そうにブツブツ質問しているのはコロですよね。ﾌﾌﾌ
ホフマンははっきり質問というか、提案していてヨロシイ。
最初のロープをまいて転がっているのがフリードリヒかとおもって、いやに若いなとおもったら違ってましたけど、似てますね。
ライモンディはフリードリッヒのトスカに出演してますが、「カヴァは、見せかけの銃殺というのは信じていない」という説は、フリードリッヒが最初だとおもいますヨ。だから、通行証をクシャクシャポイしたり、ちぎって紙吹雪にしたりするんですよね。
by keyaki (2005-06-08 10:43)
自分でもこの映像は持ってますけど、おまけ映像の編集！！
とっても素敵な編集で、見とれてしまいましたぁ(*＾＾*)バックの雑踏＆『ワルキューレ』のコンビネーション、しっくりきますねぇっ。実際にこういう舞台を見てみたいです。
この映像、途中から本公演の演奏に変わるんですよね。これがなんというか、最初に見たときすごく新鮮で、何回も何回も繰り返して見たのですけど、久々に当時の気持ちを思い出しました。うーん、やっぱりワルキューレの一幕フィナーレは、感動的だわ～～＾＾カタルシスを感じますね。
ヴァラディもホフマンのお相手として、アルトマイヤーに負けず劣らず、素敵ですよね！
（彼女がとっても小柄なので、体格差を見て、ああ～～やっぱりホフマンは大きな人なんだなぁ・・って思いましたよ＾＾）
by ヴァラリン (2005-06-08 11:48)
楽しんでくださってありがとう ^o^ )/
おまけもうひとつ追加しました。
同じメイキングから、ワルキューレ2幕。
ジークムントが殺されるところ。
サルミネン＠フンディングに、リゲンツァ＠ブリュンヒルデの槍の先があたってます。コツンとけっこう大きな音がして、殺されてる最中のホフマン＠ジークムントは、ふっふ、ふふ笑ってます。
by euridice (2005-06-09 09:59)
サルミネンが「なんだよぉーーもぉーー」って顔でしたね。
この演出は、サルミネンはホフマンの上に乗っかって死なないんですね。
ビデオクリップどこにあるのかとおもいましたが、上の"City iMovie2"をクリックするんですね。
by keyaki (2005-06-09 10:17)
やっだぁ～～
＞サルミネン＠フンディングに、リゲンツァ＠ブリュンヒルデの槍の先があたってます。
今まで全然気が付いてませんでした（＾＾； 何処を見ていたことやら・・
確かに、ホフマンの笑い声も聞こえますね(*＾＾*)
＞サルミネンはホフマンの上に乗っかって死なない
安心しました(笑)
だって、シェローの時は「つぶれちゃうじゃないのぉぉっ（＞＜； 」って、ハラハラしましたからね（＾＾；
by ヴァラリン (2005-06-09 12:38)
＞シェローの時
「どっしりと重い歌手が、あの時、ほんとうに私の上に落ちてきたときには、まるで肋骨を全部折られてしまったような感じがした」と本人も言ってます・・・
by euridice (2005-06-09 21:08)