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ヴェルディ「ドン・カルロ」コヴェントガーデン2008 [オペラ映像]

クラシカ・ジャパンで放送中

ヴェルディ:ドン・カルロ(1886年版)
アントニオ・パッパーノ指揮
ニコラス・ハイトナー演出
コヴェントガーデン ロンドン 2008年6月
carlo.jpg
ドン・カルロ:ロランド・ビリャソン
エリザベッタ:マリーナ・ポプラフスカヤ
ロドリーゴ:サイモン・キーンリサイド
フィリッポ2世:フェルッチョ・フルラネット
エボリ公女:ソニア・ガナッシ
宗教裁判長:エリック・ハーヴァーソン
カルロ5世:ロバート・ロイド
小姓:プメザ・マチキザ
レルマの伯爵:ニコラ・マティシッチ
天の声:アニタ・ワトソン

舞台はなかなか美しいですし、衣装も奇をてらったものじゃないのがいいです。こういう時代物はちゃんと時代物でやってくれたほうが大概は落ち着きます。ドン・カルロとロドリゴの二重唱はやはりわくわくします。このドン・カルロは、大人になれない子どもっぽさを強く感じます。最後のチャンバラがいい。刺し殺されてしまうのですね・・ あれじゃ、王妃もただで済みそうもないけど、義理にしろ母だし、大事な政略妻ですから、無事なんでしょう。このエリザベッタは、フランスの王女、スペインの王妃として納得させられにくいところがあります。エボリ公女はなかなかの迫力。客観的に美貌の人には見えませんけど、そう言われて納得のところがあります。フィリッポ2世、きちんと衣装をつけていると威厳があります。ポーザ侯ロドリゴ、もうちょっと化粧して貴族らしくしてほしいところですけど、キーンリサイド様のまんまでもなかなか良いです。分別のある正義漢として納得の存在感があります。最後に登場のカルロ5世の亡霊?は、いかにも王様に見えました。さすが本物の貴族の面目躍如。一瞬なのがよかった。

久しぶりに長いオペラ「ドン・カルロ」をじっくり鑑賞しました。

↓ちょっとあんまりな字幕とポーザ侯ロドリゴの挙動不審




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コメント 7

耳に残るは彼の歌声

全くすごい字幕!! 
厳格なスペイン宮廷もかたなしですね。

カーレーラスとカプッチリの二重唱(ユーチューブでも視聴できますね)はなんとなく妖しく危ない二人といった雰囲気が魅力的です。

ドミンゴは大人ぽくって、庇護しなくってはといったカルロの弱き神経のようなものが出てこないように思えます。

やっぱりクラシカジャパン契約しなくては。
時間がとれなくて! と悲鳴です。
当ブログですっかり刺激され、オペラ熱再発です。
感謝!
by 耳に残るは彼の歌声 (2010-09-22 17:07) 

euridice

耳に残るは彼の歌声さん、いらっしゃいませ。

あの言い方は、今でも十分下品ですよね。
>カーレーラスとカプッチリの二重唱
なつかしいです。三倍録画したものです。

>時間
オペラ鑑賞はとにかく時間がかかります。
家では細切れ鑑賞になってしまいます。

このドン・カルロ、久しぶりになかなか見ごたえがありました。
宗教、政治、そして権力って・・ こういうものが人を幸せにしてない・・ 不条理〜〜 
とか、どうしてもそっちのほうに気持ちが行くオペラです。





by euridice (2010-09-23 06:51) 

Sardanapalus

クラシカジャパンは契約していないですが、この公演はDVDになったので早速輸入版を購入しました(日本語字幕なし)。ラジオ放送とBBCでのテレビ放送で聞いたフィリッポ役のフルラネットの素晴らしい歌唱と演技が忘れられなくて、首を長くして待っていました。

この公演、確かプリンシパル達が交代でキャンセルしたりしてごたごたしたんですよね。不調のヴィリャゾンとエリザベッタの歌唱には大いに不満がありますが、後はソリスト陣だけでなく合唱やオケに至るまでなかなか高いレベルを保って演出家の指示に応えていると思います。演出はあまりいい批評が出なかったのですが、私は最後のカール5世が出て来る場面で、カルロではなくフィリッポに向かって「魂の平安はあの世にのみある」と言葉をかけるという解釈が気に入っています。

>ポーザ侯ロドリゴの挙動不審
(笑)挙動不審ですね。でも、ティーンエージャーの男子って、こういうふざけあいを良くしていませんか?ハイトナーはシラーの原作の方を演出したこともあるからか、ロドリーゴとカルロは気の置けない友情関係にある、と随所で強調して描きたがっている様に思います。
by Sardanapalus (2010-09-24 00:33) 

euridice

Sardanapalusさん

>ロドリーゴとカルロは気の置けない友情関係
この関係はとりあえず伝わるのですけど、
ぼやけるところがあるようです。

他の演出でも二人の関係性が明確、強烈に伝わる映像って
なかったような・・ですが、今まで見た映像の中では
一番よかったと思います。

例えば、フランドルからの使者登場の場面、
たいていはロドリゴが第三者に見えてしまうのですが
カルロとの強い関係が感じられました。




by euridice (2010-09-24 08:35) 

keyaki

Sardanapalusさん
キーンリーサイドがなにかスタッフに合図を送っているようなところがばっちり写っちゃてますけど、DVDではどうですか?

熱血ビリャソンは、好感もてますけど.....ネモリーノと変わらないような.....

エリザベッタのポプラフスカヤって、顔が四角過ぎだし....かといって歌もなんだかな....だし....けっこう大劇場に出演しているようですけど、なんでだろう.....
by keyaki (2010-09-24 10:16) 

Sardanapalus

euridiceさん>
>ぼやけるところがあるようです。
そうですね、この演出は何か色々と中途半端な印象を受けます。フィリポは何だかんだで結構独りでも平気そうですし、エボリが本当にカルロに好意を寄せているとも思えないし、ちょっと登場人物の性格付けが弱いような…。ハイトナーは演劇の「ドン・カルロス」の方ではオリヴィエ賞もとっているのですけど、オペラの方は「いい線いってるけど…」って感じで、大絶賛とはいかないです。
by Sardanapalus (2010-09-25 17:13) 

Sardanapalus

keyakiさん>
>キーンリーサイドがなにかスタッフに合図を送っているようなところがばっちり写っちゃてますけど
0:37の辺りですか?えーと、これはスタッフじゃなくてカルロに合図送ってるとこです(^^)おそらく、失恋のショックで倒れそうなカルロを励ましてるということだと思います。その後、周りに人がいなくなったのを確認してから物陰から出てきてカルロとの友情をがっちり誓い合う流れになっています。

ビリャゾンは、全力投球なところが好印象ですが、どうしてもアトキンソンの顔がちらついてしまいます(^_^;)ポプラフスカヤは、ROHのヤング・アーティストの頃から何度も聞きましたが、1度も満足できる歌唱を聞いたことがありません。特に搾り出すような高音は、聞いているこっちが苦しくなります。何故か最近売れっ子ですね。ロンドンのオペラ仲間の間では、一番の謎です。今度のMETでの「ドン・カルロ」公演でもエリザベッタを歌いますよ…。
by Sardanapalus (2010-09-25 17:36) 

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