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トリスタンとイゾルデ グラインドボーン音楽祭2007年 [オペラ映像]

BShiで放送されたトリスタンとイゾルデ(グラインドボーン音楽祭2007年)一部居眠りしたみたいだけど、珍しく放送時間に録画しながら、最後まで視聴。ハイビジョンにしては画質があまりよくなかったような・・。全体的テンポに違和感がなかったせいか、この曲がやっぱり好きなのか、あっという間に時間がたちました。同じグラインドボーンのラジオ放送録音(2003年)があったのを思い出して、改めて聴いてみました。音質もあまり良くないのでしょうけど、音だけだとかなりかったるい・・ 

ワーグナー:トリスタンとイゾルデ
トリスタン:ロバート・ギャンビル
イゾルデ:ニナ・シュテンメ
マルケ王:ルネ・パーペ
クルヴェナール:ボー・スコウフス
メロート:スティーヴン・ガッド
ブランゲーネ:カタリナ・カルネウス
グラインドボーン音楽祭2007年
イルジー・ビェロフラーヴェク指揮、ニコラウス・レーンホフ演出
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団、グラインドボーン合唱団

すっきりとして美しい舞台は終始ほぼ変化なし。衣装、扮装は私好みではなかったし・・、人物もあまり動かないし、その上、どういう理由にしろずっと眺めていたい人物もいなかったから、パソコンでの雑用を片付けたら、あとは目を閉じていることも多く、それが自ずと意識の欠落に通じてしまった・・いつもながら、顔の大写しが多いのですが、どなたのアップもあまりぞっとしません。化粧が、死相系というか、無表情系というか・・ 加えて目をむく、あるいは、目がすわった表情が意図されているらしい・・のですが、それがどうも・・しっくり伝わってこないというか・・

イゾルデ、声は何度か耳にしているのですが、動く姿を目の当たりにするのははじめて。とっても若いころの写真なのかもしれませんが、いくつかの顔写真、もっと生き生きとして可愛い感じですが、このイゾルデから感じるのは、いかつさ。ジュネーブの映像のイゾルデが2幕で突如、女らしく美しくなったので期待したのですけど、演出意図ということなのでしょうか、終始、恐ろしげ。誤解でしょうけど、媚薬をのんだ後も、トリスタンを見つめる目つきと口元が疑いとあざけりに満ちているように見えることがあって困ってしまいました。外見に比べれば、声と歌ははるかによかったです。

トリスタン、映像も録音もいくつか視聴していまして、ほれぼれしたことはないけど、初映像の、背もすらりと高く、オペラ的には充分以上にハンサムだったリンドーロ@アルジェのイタリア女はちゃんと覚えてました。また、バイエルン来日のタンホイザーはなかなか精悍に見えました。似合うかつらに、白くてぷっくりた丸顔を緩和するような化粧でお願いしたいのですが、このトリスタンはむしろそれを強調、水ぶくれのキョンシーみたい〜演出家と化粧の責任、酷いよ〜。〜!)しかも、3幕はなぜかかつらなしになって、足のある達磨大師という雰囲気。達磨大師が煩悩に苦しむのは変ですけどね。白いばさっとした衣装に変わって膨れたお腹は気にならなくなりました。でも、終始一貫、ぼうっとした表情が武人らしくない。これも演出意図かしらねぇ・・ギャンビルはいまやおなじみワーグナーテノールなので、いろいろ聴いてますが、ワーグナーテノールとして好みの声ではありません。トリスタンの映像はお初。感情の変化、緩急、強弱感などが薄い・・という印象。

クルヴェナル、かなり激しくイメージ違い・・見ているこちらがなんだか落ち着かない人でした。3幕に登場の羊飼いは何でしょう。ライ病なの??? 侍女のブランゲーネもなんとなくぴたっとはまっていないような気が・・ メロートは陰険さが感じられました。2幕フィナーレ、トリスタンの自殺的決闘は、もうちょっと巧くやってほしかった。メロートではなくトリスタンに。自分の剣を取り落とすタイミングが早すぎじゃない? マルケ王、苦悩する様子がはまってましたけど、これも聞いてるトリスタンが王に抱きついたりと、どうも・・しっくりきませんでした。好みの問題でしょうけど・・。

2幕、あっという間に「ああ、降りて来い、愛の夜よ」の二重唱に。寝てたかしらと、後で録画を確認。やはりカットでした。とても好きな旋律があるので全部やってほしいです。この部分のカット、どのぐらいカットされるのか、はじめて確認してみました。およそ10分間でした。↓グラインドボーン音楽祭2003年、ラジオ放送録音より。指揮、主要歌手は映像と同じ。2幕、逢びき^^;の最初から・・

→およそ10分のカット部分→
←ああ、降りて来い、愛の夜よ・・

もうひとつ、気になったこと。「夢の念」という字幕に2度ほど気がついたのですが、意味がわかりません・・ ひとつは1幕、トリスタンがイゾルデのもとにやっと現れて、言い訳をするところと、もうひとつは2幕の終わり、マルケ王の歌詞・・ 
  

おまけ(期間限定)
カット部分、こちらに、内容(歌詞)とバーンスタイン指揮の映像付き


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コメント 6

ななこ

リブレットを真剣に見てしまいました^^
この訳者は畏れ敬うという謙譲語をどういう経緯で夢の念としたのか?ですね。

カットがありがたい時もあります。
この二人の2幕聴いてられないというか観てられないです;;

3幕のイゾルデが到着したところ・・・私も不気味に感じました。
あの不敵な笑みは???

2003年の方が声そのものは二人とも今年よりずっといいですね。
by ななこ (2007-12-03 20:04) 

euridice

>リブレットを真剣に見てしまいました^^
ね・・Ehrfurcht の訳と思われますが、辞書には
畏敬[の念],畏怖 とあり、今まで知っていた字幕は
全部このような訳でした。どうすると「夢の念」になるのでしょうか。
だいたい「夢の念」という日本語が分かりませんし・・

>カットがありがたい
そうですね・・;

>不気味に感じました
そう見えますよね・・1幕媚薬を飲んだあと、2幕でも
同様に感じるところがありました。まさかそういう演出とは思えない
んですけど・・ 演出じゃないとすれば、単に演技下手ということですが、
とんでもない誤解を招く表情は困ります。少なくとも映像化はやめるか、
相当の工夫が必要ではないかしら・・

>2003年の方
若さと疲労なしというところでしょうか^^;
お二人のスケジュール、知りませんが、すごそうです・・
by euridice (2007-12-03 21:38) 

Sheva

なんという偶然でしょう。今もけさもきのうもedc さまのサイトを見させていただいておりました。
なんというか、わたくし ギャンビルのトリスタンに狂ってしまいました…
タンホイザーを見て以来、ギャンビルのタンホイザーとジークムントとトリスタンが頭の中をぐるぐるぐる…
今は毎日トリスタンを聴いています!
とてもあしたフランス語のオペラを聴く雰囲気じゃないです(笑)。
2003年の音源をよくお持ちでしたね… 感涙…! 感謝です。2003年にもこのキャストで歌っていたとは驚きです。

ウィーンのプレミエの件、情報ありがとうございます。
ドイツ語読めないもんで…そんなことがあったとは! 大びっくりでございます。
by Sheva (2007-12-05 21:28) 

euridice

Shevaさん
そうですね・・バレーネタには全然ついていけないので、ちょっとご無沙汰したりしちゃうんですけど、この間来、オペラ関連だったので、とっても楽しく読みました。ありがとうございます。
>ギャンビルのトリスタンに狂ってしまいました…
興奮が伝わってきます^^! 現役歌手のファンの醍醐味ですよね・・
うらやましい!ワーグナーははまる人ははまりますね・・って、
ワーグナーに限らないんでしょうけど。
>ウィーンのプレミエ
オペラ歌手のお仕事、ほんと大変ですよね〜〜〜 
心底の楽天家で、心臓に毛が生えてないとやってられない感じです。
by euridice (2007-12-06 07:37) 

momo

お久しぶりです。先日は不慣れで失礼してしまいました。書き込み方法教えていただきありがとうございます。おさかなさんのblogを見てARTEテレビの「トリスタン」視聴できればと思って起きてみたのですが私では扱いかねてしまって^^;シェロー演出のようなので、残念です。
さて、グラインドボーンの「トリスタン」2幕め早々にリタイアしてしまったのですが、1幕目はすざまじいイゾルデでぐいぐい惹きつけられて聴いてしまいました。でもトリスタンの登場と共に、あれっ?が多くなり睡魔のとりこに。演出のトリスタン像ひどいです。3幕目は達磨大師??録画で残りを観なきゃと思いながら日が経って行っていきました。
カットのおかげでまたホフマンのトリスタン映像が見られて幸せです^^
by momo (2007-12-08 06:48) 

euridice

momoさん、どういたしまして。
シェローのトリスタン、ARTEテレビでのネット視聴、時差に挑戦する気がなくて最初からパスしました。そちらを録画、録音したものが近々あがると思います。
by euridice (2007-12-08 07:56) 

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