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ヒルデガルド・ベーレンス(S)リサイタル [オペラ歌手2]

ディオニソスさんからの情報のお陰で、ついにベーレンスを生で聴けました。おまけに、名高い草津温泉も初体験。

これも初耳だったのですが、草津ではもう30年近くも前から、毎夏、国際音楽アカデミー&フェスティバルが開催されていて、今年は第28回だそうです。

インターネットでの説明によれば、
「1980年、ヴァイオリニストとして著名な豊田耕児を音楽監督、音楽評論家遠山一行を実行委員長に始められた夏期の2週間にわたる音楽アカデミー(講習会)です。日本の若手音楽家に、世界の超一流の演奏家から直接指導を受ける機会を設けようと、設立されました。」で、続きを読みたいかたはこちら

そして、「草津は日本で最初の本格的な夏期の音楽アカデミーとしてスタートしました。が、これだけの演奏家が来て音楽会を聴けないのは残念で、また、生徒にとっても先生がどうステージの上で演奏するかは一番のお手本という訳でフェスティヴァルが企画されました。続き」ということです。
リサイタルが行われた素敵な草津音楽の森国際コンサートホールは、1991年、吉村順三設計で、608席だということです。以前、冬の旅を聴いた、こちらも会場もすばらしかった八ヶ岳高原音楽堂もどことなく似た雰囲気でしたが、同じ建築家の設計。

今年は声楽の講師としてベーレンスを招いたというわけ。昨年だったかは、エディト・マティスだったようです。知っていたら行きたかったです。残念!

宿のご主人の話によれば、今ではすっかり定着して、チケットも当日は取りにくいほどだけど、当初は「さくら」としての招集がかかっていたとか。クラシックにはなじみがない人が多く、大勢が居眠り状態だったりしたそうです。彼自身もアルバイトの若い人を代わりに行かせたりしていたとか。当分は、受講生、アシスタントなどの宿泊も引き受けていたそうです。近年は体力がついていかず対応できないので断っているとのこと。

ヒルデガルド・ベーレンス(S)リサイタル プログラム
1)E.マルクスセン:無言歌 ロ短調 作品37(日本初演)アントニー・シピリ(ピアノ)
2)R.シューマン:女の愛と生涯 作品42
ヒルデガルド・ベーレンス(ソプラノ)
アントニー・シピリ(ピアノ)
3)A.シェーンベルク:月に憑かれたピエロ 作品21
ヒルデガルド・ベーレンス(ソプラノ)
西田直孝(ピッコロ&フルート)、四戸世紀(クラリネット&バス・クラリネット)、パオロ・フランチェスキーニ(バイオリン)、ルカ・ラニエリ(ヴィオラ)、タマーシュ・ヴァルガ(チェロ)、アントニー・シピリ(ピアノ)、フランシス・トラヴィス(指揮)

シューマンの歌曲集「女の愛と生涯」は大好きというものではありませんが、ベーレンスのCDを持っています。生で聴くと一段と魅力的でした。詳細な歌詞、内容は知らないのですが、女の生涯のどういう状況を歌っているか、なんとなく伝わってくるようでした。「指輪」について歌われる4曲目が一番好きです。

後半、衣装も変えて登場。どちらもなかなかセンスの良い衣装で、よく似合って、美しく魅力的に見えました。映像よりもはるかに美しい人だと思いました。それに、やはり、さすがの存在感でした。

「月に憑かれたピエロ」が生演奏で聴けたのもほんとによかったと思います。楽器の音色がすばらしく美しかったです。特にチェロの音!

リサイタルが始まる前に、アルペンホルンを組み立てる様子も見られたし、その演奏も聴けました。



おまけ:写真(クリックすると大きくなります)

      


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keyaki

やっぱり吉村順三ですね。八ヶ岳の音楽堂とそっくりですものね。
小さなホールでベーレンスとはなんと贅沢な!
もう、歴史のある音楽祭で、定着しているということですね。
by keyaki (2007-08-23 19:29) 

ななこ

ベーレンス 変わらぬ美しいお姿でしたか!

温泉とベーレンス  いつか行ったコンサートホールでもらったチラシで見たような気がします。

トモワシントウとベーレンスのお子さんが結婚してるとかでお二人仲良くのコンサートを一度聴きました。
お元気で何よりですね!

写真!  どこか外国の夏の音楽祭という雰囲気ですね。
是非私も経験したいものです。
来年のプログラムまではまだわからないでしょうね・・・
by ななこ (2007-08-23 20:35) 

オデュッセウス

えうりでぃーちぇさん、トラックバックありがとうございました!!

なかなか味わい深い演奏会でしたね。シューマンではかなりジーンときました!!この規模のホールで聴くリートはいいですね。普段あまり聴かないジャンルですが、少し聴いてみたくなってきました。

翌日仕事でしたので温泉は経験できず。群馬県民なのに草津温泉は未経験です。意外とそういうもんなのでしょうね。
by オデュッセウス (2007-08-23 21:11) 

Forte

euridiceさん、お久しぶりです。また、TBありがとうございました。
そうですか~、草津にいらっしゃっていましたか!草津の温泉はどうでしたか?

さて、ベーレンス、僕も聴きました。姿も歌も素敵でしたネ。

特に、シューマン、抑制が効いていて、ほのかなロマンの香りさえ感じさせる歌で好感を持ちました。

声についても、さすがにイゾルデは無理なのかもしれませんが、衰えている感じはぜんぜんしませんでしたネ。声が体全体から響いてくるのはさすがでしたね。

一方、シェーンベルクは、嫌いな音楽ではないのですが、半分は爆睡してしまいました(笑)。

面白かったのは、終曲の少し前で、ヴァイオリンとヴィオラが「やったね!」というそぶりをしていたことです。もしかすると、リハーサルでは上手くいってなかったのかもしれませんね。高齢の指揮者も振り間違ったりしていたような…。

指揮者の方は、僕と同じホテルにお泊りでした!
by Forte (2007-08-23 23:03) 

蘭丸

小さいホールでのリサイタルは親近感があり好きです。ベーレンスを聴いてから温泉に入るとは何とも羨ましい体験です。
by 蘭丸 (2007-08-24 02:11) 

euridice

蘭丸さん
>小さいホールでのリサイタルは親近感があり好きです。
そうですね。小さな編成の演奏会は、小さな会場がいいですね。

>ベーレンスを聴いてから温泉
こういうプラスアルファがあるの、いいですね・・
by euridice (2007-08-24 07:34) 

euridice

オデュッセウスさん、 ディオニソスさん
>シューマン
オペラが好きになってから歌曲にはちょっとご無沙汰でしたが、良い歌手で生で聴くと深い味わいがありますね。CD、改めて聴いたりしています。

>群馬県民なのに
そういうものかもしれません。夫も群馬県出身なんですけど、草津温泉は初めてとか。

温泉に趣味はないのですけど、温泉のお風呂はやっぱり気持ちがいいですね。子どものころは、道後温泉によく行ったものです。肌がつるつるする感じが好きです。

>ベーレンス、
舞台姿も魅力的でしたね・・やっぱり美人だって思いました。
歌曲でも感情表現が豊かで、引き込まれます。

>高齢の指揮者
ほんと、いったいおいくつ?という感じでしたが、良い雰囲気の方でした^^!

>シェーンベルク
演奏者が舞台に登場してすぐ、ベーレンスと楽器のどなたかの楽譜が入れ替わっていたようで、取り替えてましたが、ふっとなごむ雰囲気が伝わってきました。あわてたり、神経質になる感じが全くないのはさすが。どんな曲でも演奏者の息が合わないと良い音楽にならないでしょうが、ああいうのは特にそうなんじゃないかと思います。

シューマンでも、ピアニストが一瞬咳き込んだりもありましたが、それが全く傷にならないというか、傷にしない、ベーレンスの人柄を感じました。

おかげさまで良い演奏会に行けました。来年も、ベーレンスでなくても、ぜひ行きたいです。
by euridice (2007-08-24 07:36) 

euridice

keyakiさん
八ヶ岳同様心地の良いホールでした^^!
by euridice (2007-08-24 07:37) 

euridice

ななこさん
>お二人仲良くのコンサート
素敵だったでしょうね。お子さん同士の結婚、どこかで読んだことがあります。

>来年のプログラム
忘れずにチェックしたいと思います。
by euridice (2007-08-24 07:37) 

TARO

えーっ!ベーレンスがピエロ・リュネールを歌ったんですか?
それは凄い聞き物でしたね。無理しても行けば良かった・・・
同じシェーンベルクでも「期待」なら、なんとか想像つくんですが。
ピエロをベーレンスがというのは、なかなかイメージわかないです。
by TARO (2007-08-25 00:35) 

euridice

TAROさん
>凄い聞き物
惜しいことをしましたね・・^^l

知らないソプラノ(確認→フィリス・ブリン・ジュルソン)の録音と、
シェーファーを映像でしか、聴いたことがないし、どうという思い入れがないので、そういう意味では、私が聴いたのでは、惜しかったかもしれませんけど・・

衣装も変えてシューマンとは雰囲気、違いました。
by euridice (2007-08-25 07:22) 

yokochan

こんにちは。
ベーレンスが来日してたんですかぁ!
草津の音楽祭の存在は知っておりました。ヘフリガーの印象が非常に強かったです。温泉の街で、小振りなホールで、室内楽や歌曲を聴くって最高ですね。
それにしても、皆さんご指摘のとおり、ピエロ・リュネールとは!
by yokochan (2007-08-25 10:52) 

Sardanapalus

温泉地での質の高いフェスティバル、素晴らしいですね!小さなホールで一流音楽家の演奏を聞ける幸せと、温泉でリラックスできる幸せを同時にあじわえるのですから!(^^)写真も見ました。私の勝手な草津温泉のイメージとは違う、イギリスを思わせる建物と庭ですね。イギリスの田舎に行きたくなってしまいました~。
by Sardanapalus (2007-08-25 11:26) 

euridice

Sardanaさん
>私の勝手な草津温泉のイメージとは違う
私も漠然と江戸時代か明治時代みたいな、いわゆる湯治場的イメージを持っていたので、ちょっとびっくりしました。町の中はホテルだかリゾートマンションだか、高層のビルが林立・・ 宿は町はずれの別荘地という感じでしたが、しゃれた雰囲気。
by euridice (2007-08-25 20:36) 

euridice

yokochanさん
>ヘフリガー
いらっしゃったんですねぇ・・知らなくて残念でした。

>ピエロ・リュネール
生演奏、いいですねぇ・・編成が贅沢ですし。
by euridice (2007-08-25 20:41) 

Forte

遅くなりましたが、ようやくベーレンスについてちょっとだけかきました。あまりきちんと書いていないのですが、TBもさせていただきましたネ。

>私の勝手な草津温泉のイメージとは違う
このアカデミーが発足した当時と今は、本当にイメージが変わりましたよ。
昔ながらの温泉のよさに、ヨーロッパ風の雰囲気が大胆かつ絶妙に入り混じっているのが草津の魅力です。

行ってみたい温泉地の投票で、毎年、日本一(あるいは最上位)になっていますが、これは幅広い層の人たちに評価されている証拠と思います。いらっしゃったことのない方は、ぜひ、一度お越しくださいネ!

なお、湯畑の周りには、江戸時代からの老舗旅館もありますが(これはハイクラスです)、お車でいらっしゃる方には、たくさんペンションがあって、手ごろなお値段で、素敵なお料理をいただけるところもありますから、こちらもお勧めです。

実は、今年の僕の行動パターンなのですが、草津で宿泊した後、軽井沢に行って、帰りは上信越自動車道で、というパターンはいかがでしょうか!!
by Forte (2007-08-26 19:12) 

euridice

ディオニソス さん、記事ありがとうございます。さっそく行ってきました。

>本当にイメージが変わりました
そうなんですか。やはり時代とともに変化してこそ、にぎわい続けるのでしょうね。もうかなり以前にがっかりした奥道後のような俗な感じがないのが素敵だと思います。

>草津で宿泊した後、軽井沢に行って
私たちも鬼押出し〜軽井沢経由で帰宅しました。美しい緑の中のドライブも気持ちよかったです。
by euridice (2007-08-26 19:52) 

neveu

euridiceさん、はじめまして。
ディオニソスさんのご紹介で、全てではありませんがブログ読ませて頂きました。ご自分の信ずるものを追求する姿勢に感服しております。

ディオニソスさんのブログでも一応書かせて頂きましたが、私もバーンスタインのトリスタンは特別だと思っています。ただ、エネルギーを吸い取られるので・・・しかも眠くなるような演奏でもなく完全に引き込まれるので、私的には「取り扱い注意」です(笑)。
ポラスキが好きなのでリセウ歌劇場のDVDを良く観ます。ベストフォームは過ぎていますが・・・・また、トリスタンがトレレーヴェンなのが問題でもあるのですが・・・・・

バーンスタイン盤にどちらかというと近いスタイルでは、ラニクルズ盤かグッドール盤があると思いますが、お聞きになった事はありますか?(と言っても全然違いますが。歌手が特に。)
あの「ホフマンのトリスタン」は、そう易々とは匹敵できませんね。違うスタイルで勝負しないと。
by neveu (2007-08-27 23:06) 

euridice

neveuさん、こんにちは。
>ブログ読ませて頂きました
ありがとうございます。これからもよろしくお願いします。

>リセウ歌劇場のDVD
ちらっと見たようですが、すぐ挫折しちゃったのか、記憶にありません。ポラスキには興味がありますが、トレレーヴェン・・やっぱり^^;引いてしまいます。でも、いつかまたみたいと思っています。

>ポラスキ
けっこういろいろ視聴しています。ザルツブルグのアリアドネがとても好きです。

>グッドール盤
グッドール盤、ずっと以前から評判を目にしていたので、この間再販されたのを聴きました。たしかに
>バーンスタイン盤にどちらかというと近いスタイル
を感じましたけど、声はちょっと・・ なんてメモがあります。そのうちブログに転載しようかと思ってます。

>ラニクルズ盤
こちらは未聴です。
by euridice (2007-08-28 08:09) 

Cecilia

こういう音楽祭に行きたいと思うのですが、受講生として行く事は到底無理(金銭面で)、せめてお客として行きたいものです。
若い頃に自分の学校関係の音楽セミナーに行ったのが似たような雰囲気(かなり小規模)だったと思いますが、地域の人をお呼びしての受講者コンサート、講師のコンサートはとても良い雰囲気だったと思います。
このような素晴らしい演奏家を身近に感じることができる音楽祭なのでしょうね。

ベーレンス、かなり興味が湧きました。

by Cecilia (2008-07-01 10:23) 

euridice

Ceciliaさん
>ベーレンス
なんと今年もいらしてくださるということなので、
出かける予定です。
by euridice (2008-07-02 06:33) 

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