SSブログ

メトロポリタン・オペラ 英語の魔笛(小学生向け) [オペラ映像]

昨週末NHK-BShiでニューヨークはメトロポリタン・オペラから4演目も一挙放送されました。これは、METライブビューと言って世界に配信、日本では歌舞伎座をはじめ、各地の会場の大画面で最新公演を上映するという企画で取り上げられたものばかりだということです。とりあえず録画して、まずはモーツァルト「魔笛」を見てみました。録画前には知りませんでしたが、子ども向け短縮版(2時間)で英語歌唱。まさにその通り。大人が鑑賞するには、今までに視聴したどの映像、録音、舞台と比較しても、かなり物足りない演奏というべきでした。豪華絢爛、ど派手な舞台の様子は、配役は同じ歌手も違う歌手もいりまじってますが、メトロポリタン歌劇場のアーカイブ、ここここで見られます。追記:こちら、蘭丸さんのブログにアメリカでこの放送をご覧になった感想記事がありますので、どうぞ。

アメリカでの公演で、しかも子ども向けとあれば、「英語上演」は当然です。しかし、これを、日本、ヨーロッパなどに堂々配信する神経は、ひがみ根性もゼロとは言いませんが、言わせてもらえば、いかにも英語民族的ナイーブさ=傲慢を感じます。日本語同様、英語のオペラは非常に聞き取りにくいものですが、この「魔笛」に関して言えば、台詞の部分はもちろん、歌唱部分も非常に聞き取りやすくわかりやすい英語でした。子ども向けということで、これを鑑賞したアメリカの子どもたちがオペラ嫌いになっては逆効果ですし、それに外国にも配信前提ですからね、聞き取りやすいようによく工夫された訳詞、発音明瞭な台詞、そして注意深い歌唱が行われたのでしょう。

一番よかったのは夜の女王。以前、コヴェントガーデンの映像で、魅力的だったディアナ・ダムラウの夜の女王並みにおもしろかったです。知らない歌手ですが、エリカ・ミクローシャだそうです。それから、まさにコウモリだったモノスタトスが傑作でした。

ザラストロ:ルネ・パーペ
タミーノ:マシュー・ポレンザーニ
パミーナ:イン・ファン
夜の女王:エリカ・ミクローシャ
パパゲーノ:ネーサン・ガン

ジェイムズ・レヴァイン指揮
ジュリー・テイモア演出
演出はあのグロテスクの美に輝く映画「タイタス」の監督ですが、
そういう強烈さは皆無。そりゃ、子ども向けですもの当たり前ですね。


nice!(1)  コメント(22)  トラックバック(1) 
共通テーマ:音楽

nice! 1

コメント 22

keyaki

>ネーサン・ガン
彼のキャッチフレーズ「着ても歌えます... 」だったかな....
着てました? というか脱いでませんでした?
by keyaki (2007-06-22 09:36) 

euridice

そりゃあねぇ、お子様向けですから、着なくちゃ歌えませ〜〜んでしょ^^!? でも、かなりムキムキ強調で、子どもじゃない私はかえって恥ずかしかったりしましたけどね。アーカイブ、見てね。
by euridice (2007-06-22 09:44) 

Orfeo

あれれ?こんな放送があったんですね。
華麗にスルーしてしまいました(笑)。
もっと丁寧に番組表をみるようにしよう。。。
by Orfeo (2007-06-22 19:59) 

あるべりっひ

こんばんは。
『マンハッタン72』で放送していた公演ですか?
内容のチェックが甘かったようです、見逃しました。
by あるべりっひ (2007-06-22 22:42) 

euridice

Orfeoさん
私もたいていは見逃すんですけど、今回はいつもおじゃましているブログでお知らせを載せてくださったので、知ったというわけです。BShiは直前に内容が変わることもよくありますし、ネット上でも予告はすごく遅いし、不親切な感じですね。
by euridice (2007-06-22 22:46) 

euridice

あるべりっひさん
完璧にかぶりました。

>マンハッタン72
そう、「ニューヨークまるごと72時間」という番組名だったみたいです。
これじゃ何のことやらわかりませんね。私もかぶったコメントに書いたように、詳しく教えていただいたお陰で録画したようなわけです。
by euridice (2007-06-22 22:52) 

なつ

edcさん、TBありがとうございました。こちらからもTB返しさせていただきました。

なんでも、METはこの上演を全米の小学校に無料で放送したそうで、そういった啓蒙活動は、まことにけっこうなことだと思います。
でも、これだけのスタッフと歌手をそろえたのだから、小学校配信と並行して、原語・ノーカット版を上演・世界配信すればよかったのに、と思うのですが…コスト面等で難しかったのでしょうか。
by なつ (2007-06-23 00:14) 

蘭丸

「魔笛」にはMETで以前使った英訳テキストが存在しますが、今回は子供向けとなので解りやすい英語に変える工夫はされています。この演出でJulie Taymor, James Levine, J.D. McClathcu(英訳担当)が結構労力を費やしたらしいです。

自分も英語版「魔笛」は舞台や歌手は別として満足しませんでしたが、全米で上映された映画館がほぼ満杯だったのでPeter Gelb(METの総監督)の目的はたっせられたのでしょう。

演出は気に入ってるのでリタイヤされる前ドイツ語原版を観ににMETに行きたいとは思ってます。

因みに今年の英語版お子様向けオペラは「ヘンゼルとグレーテル」です。
by 蘭丸 (2007-06-23 02:07) 

TARO

エリカ・ミクローシャはアバドの「魔笛」CDでも夜の女王を歌ってる人ですね。
歌手は英語の歌詞を新たに覚えなくちゃいけないわけで、大変ですね。特に非英語圏の歌手さんは。
映画ではまもなくケネス・ブラナーの「魔笛」が公開されますけども、これも英語歌詞。こちらでもルネ・パペが歌ってるみたいです。
by TARO (2007-06-23 02:56) 

euridice

TAROさん
>アバドの「魔笛」CD
そうですか。以前ご紹介いただきましたね。聴きましたが、歌手名チェックしませんでした。今度は意識して聴いてみます。

>ケネス・ブラナーの「魔笛」
世界的に公開するんですから、原語でやってほしいですが、英語は世界語だというわけで、英語普及の一端を担っているというところかも。「魔笛」で英語のお勉強^^!tte toko ne?!
by euridice (2007-06-23 07:32) 

euridice

蘭丸さん
>解りやすい英語
やっぱりそうなんですね。子ども(+外国人←こっちは邪推^^;)を意識しているのは一目→一耳瞭然。METの総監督の熱意、すばらしいです。

>ドイツ語原版
こちらは短縮なしなのでしょうか。
by euridice (2007-06-23 07:40) 

euridice

なつさん
TB&コメント、ありがとうございます。

>啓蒙活動は、まことにけっこうなこと
そうですね。国内的には、すばらしいの一言に尽きます。が、非英語人まで啓蒙の対象にしてもらいたくない・・・って感じ......

>原語・ノーカット版を上演・世界配信
こうすれば、全面的に感心しちゃいます。経済的な問題ではありえない。お金の問題なら、やらなきゃ済むことです。アメリカが世界だと思って疑わないから、自然の成り行きってところでしょう。
by euridice (2007-06-23 07:50) 

蘭丸

edcさん

はいドイツ語原版の魔笛は短縮なしで、この演出は確か2004年のデビュー以来METの人気演目です。

古い記事ですがTBさせて頂きました。よろしければ許可をお願いします。
by 蘭丸 (2007-06-23 10:18) 

euridice

蘭丸 さん、ありがとうございます。TBは受付設定になっていますので、できるはずです。よろしくお願いします。
by euridice (2007-06-23 12:45) 

おさかな♪

アーカイブ画像、すごい迫力(?)ですね!
色彩感覚が独特だなぁと思いました。
私もこちらで、子供たち向けにRAPとコラボの魔笛を演奏したのですが、
どうして '子供向けオペラ=魔笛' なのかな。。。
by おさかな♪ (2007-06-23 17:29) 

euridice

おさかな♪さん、
>色彩感覚が独特
そうですね。テレビだとちょっと目が疲れます。

>'子供向けオペラ=魔笛'
子どもむけというわけではないんでしょうけどねぇ・・
by euridice (2007-06-23 22:59) 

蘭丸

2回TBを送ったのですが失敗したみたいです。申し訳ありません。
by 蘭丸 (2007-06-24 10:36) 

euridice

蘭丸さん、TB、なぜかうまくいかないようですね。私のほうからも記事を捜してやってみましたが、反映されないようです。で、こちらにリンクさせていただきますね。

http://blog.livedoor.jp/operaandfood/archives/52098888.html#comments
by euridice (2007-06-24 13:23) 

蘭丸

自分のブログでのedcさんのTBは公開しておきました。リンクをわざわざ張っていただいて有難うございます。
by 蘭丸 (2007-06-25 09:46) 

keyaki

>まさにコウモリだったモノスタトスが傑作でした
彼が一番目立ってましたし、笑いも一番とってもしたし、一番よかったです。
ザラストロを完璧に喰ってましたね。
きっと、小学生にも人気だったとおもいます。
でも、これはコウモリではなくて、からす天狗じゃないかしら。
by keyaki (2007-06-25 16:54) 

ななこ

この放送は何かをしながら大体見てました。
なんて物足りないんだろう・・・とふと気がついたら英語なんでそれでかあ~
パペくらいしか歌手は知りませんでした。

舞台の色彩が印象に残っただけです。

モノスタトスが受けていましたね。
マイクが同じ所の音を録っているのでいつも男の人の笑い声が聞こえてました。
あちらの人には楽しい舞台だったのだと思います。

英語版オペラはヘンゼルとグレーテルは昔楽しく見ました。
あとドイツ語版アイーダも聞いたことがありますがこれは変でした。
by ななこ (2007-06-25 23:28) 

euridice

>いつも男の人の笑い声が聞こえてました。
楽しそうですね。動作もですけど、台詞が笑えるんでしょう。

新国ではじめて見たとき、舞台の上もほぼ全員日本人だったことも手伝って、
台詞は日本語でやってほしいと思ったものです。

>からす天狗
あの翼とお腹の具合とか・・、やっぱりコウモリのつもりだと思います^^!

>モノスタトス
見事な役者振りでした。
by euridice (2007-06-26 06:45) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 1