新国立劇場「ファルスタッフ」 [劇場通い]
※舞台写真をつかったプログラムは、歌手が変わってもそのままというのは、ちょっと困ると思いませんか。そこで、再演用に作り直しました^^;;
ごらんの通り、今シーズンの最後は、ジョナサン・ミラーの新演出「ばらの騎士」と同じ演出家による再演の「ファルスタッフ」が交互に上演されています。「ファルスタッフ」は、映像、録音のおなじみ歌手、新国出演も初めてではない、ヴォルフガング・ブレンデルとカラン・アームストロングがお目当て。もうしばらくすばらしい「ばらの騎士」の余韻に浸っていたいところですが、シーズンチケットのセット券のため、公演日がけっこうくっついてしまいました。
新演出は2004年6月。ピストーラの妻屋氏以外の歌手は全員変わりました。もうはっきりとした記憶はないのですが、今回に比べると、もう少しおとなしいというか地味な感じだったような気がします。今回のほうが、にぎやかにとっても楽しく笑わせてくれたように思います。ファルスタッフは貫禄、尊大さ、皮肉っぽさが後退して、陽気さ、人の好さ、お気楽さが全面的に前面に。
同様に、フォード氏は謹厳実直居士から、あけっぴろげでちょっとそそっかしい太っ腹に。ブレンデル、この間は「こうもり」のアイゼンシュタインでしたが、喜劇になるともう乗りに乗って、楽しいです。カーテンコールでも、そんな雰囲気が伝わってきます。前のクイックリー夫人、全然記憶にありませんが、今回はカラン・アームストロングのクイックリー夫人をたっぷり楽しませてもらいました。そういうわけかどうか、ファルスタッフをはじめ、フォード氏もクイックリー夫人も、当然ながら、のっぽとちびのピストーラ、バルドルフォのコンビも、細かい笑わせ演技が目立つというか、乗り乗り・・。今回は、素直に人生笑い飛ばしたい気分で劇場を後にしました。前は、女声陣がとりわけ大人しかったと思いますが、今回は男性陣と互角に元気で生き生きとして、二組の重唱場面なども大いに盛り上がりました。オーケストラ、指揮者は同じですが、やっぱり今回のほうが勢いがあったかもしれません。
ヴェルディ:ファルスタッフ 新国立劇場
ジョナサン・ミラー演出、ダン・エッティンガー指揮、東京フィルハーモニー交響楽団
2004年 | 2007年 | |
ファルスタッフ | ベルント・ヴァイクル | アラン・タイタス |
ピストーラ | 妻屋 秀和 | 妻屋 秀和 |
バルドルフォ | 中鉢 聡 | 大槻 孝志 |
医師カイウス | ハインツ・ツェドニク | 大野 光彦 |
フォード氏 | ウラディーミル・チェルノフ | ヴォルフガング・ブレンデル |
フォード夫人アリーチェ | スーザン・アンソニー | セレーナ・ファルノッキア |
クイックリー夫人 | アレクサンドリーナ・ミルチェーワ | カラン・アームストロング |
ページ夫人メグ | 増田 弥生 | 大林 智子 |
フォード夫妻の娘 ナンネッタ |
半田 美和子 | 中村 恵理 |
ナンネッタの恋人 フェントン |
ジョン・健・ヌッツォ | 樋口 達哉 |
プログラムの比較、おもしろい!です。
前回のはもう3年前なんですね。もっと最近かと思ってました。
比較表も、なるほどで参考になります。
フェントンのその後が気になる私ですが、ジョン・健・ヌッツォさんもその後はどうなんでしょう。
TBさせていただきます。
by keyaki (2007-06-21 17:06)
>ジョン・健・ヌッツォ
そうそう、あのころ、紅白に出たりとか、話題でした。
ウィーンを中心にヨーロッパでご活躍なのだといいのですが・・
by euridice (2007-06-21 20:19)
こんにちは。同じ日に観劇してたんですね。
久々のヴェルディに大いに楽しむことができました。
歌手たちみんな乗ってましたね。真面目なブレンデルも飛ばしてまして目を見張りました。タイトスはアメリカンな動作でしたし。ほんと良かった。
キャスト対比、面白いです。全然違うキャラを揃えたもんです。
ツェドニクが登場してたんですね!
TBさせていただきました。
by yokochan (2007-06-21 23:51)
初コメントさせていただきます。
04年のフェントンは、ジョン・健・ヌッツォだったんですね。バリトン・フェチなくせにこのオペラでは何気にフェントンに注目しているので、ヌッツォでも聴いてみたかったです~。
CDではエヴァンスがファルスタッフをやっているショルティ盤を聴いています。フェントンはクラウスです♪
by しま (2007-06-23 03:07)
しま さん、コメントありがとうございます。
keyakiさんのところの話題で、ブラン氏を認識、しまさんのブログにもおじゃまさせていただきました。魅力的な声で、納得です。
ファルスタッフではフェントン&ナンネッタは大人たちの対照的存在として重要だと思います。軽快さ、明るさ、初々しさが必須要件ですね。新演出時と今回再演を比べると、今回のほうが、よりその要件を満たしていたように感じました。
by euridice (2007-06-23 07:20)
yokochanさん、TB&コメント、ありがとうございます(「ばらの騎士」のほうにも)
>久々のヴェルディ
ファルスタッフはどちらかと言うととっつきにくかったのですが、一旦好きになると、何度観ても楽しめるというか、飽きないです。新演出時、さすがにツェドニクのカイウス氏は存在感大きかったです。タイタスはサロメのヨカナーンでも観ましたが、今回のファルスタッフのほうがはるかによかったです。
by euridice (2007-06-23 22:53)