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新国立劇場 西部の娘 最終日 [劇場通い]

 最終舞台稽古鑑賞があまりにもピンと来なかったので、シーズンチケットを買った最終日までのおよそ2週間の間に、テレビ録画してろくに見ずにお蔵入りしていたスカラ座の舞台映像とかつて初めて観たレーザーディスク、メトロポリタン歌劇場の映像をかなりまじめに見ました。どちらもお芝居としてはおもしろかったですが、音楽はなかなか耳になじまない。心地よいメロディーがあらわれてもすぐ消えて、残らないという感じでした。でも、筋も台詞もかなりしっかり頭に入りました。コヴェントガーデンの映像もあったのですが、これは1幕の途中で挫折。

 さて、いよいよシーズンチケットの鑑賞日。まず、全然疲れませんでした。理由は様々なことの相乗効果でしょう。気持ちよく全幕終了。席は1階のとても前の方で、ほんとに人物が大きく見えました。指揮者の姿も自然に見える位置で、指揮者と舞台のコンタクトも感じられ、興味深かったです。字幕も意外に見やすく、まるで映画状態。

 「レンゴーの段ボールが埋め尽くした」舞台は置いておいて、大音響と大声が心地よかった。1幕、ホームシックで落ち込む仲間のためにカンパして、故郷に帰してやるというのが、カンパしたお金で安楽死用の薬を買ってあの世に送ってやるというのは、どうもブラック過ぎるし、なんとも唐突で、浮いた設定だと思いましたが、まあ無視、無視。

ディック・ジョンソンにもう少し個性というか存在感があれば、もっと引込まれたと思いますが、これもまあないものねだりというか、欲張りすぎかな・・・。なんと言っても終わったときに、これが、オペラ「西部の娘」だわと思われるメロディーが耳に残って頭のなかで鳴り響いたのが、うれしいです。保安官ジャック・ランスとその他大勢の、それからミニーの存在感がなかなかでした。ランスとミニーのジョンソンとミニー自身を賭けての大ばくち、なんとゲネプロではうとうとして見逃したのですが、今回は、その迫力、楽しみました。そう、全然眠くありませんでした。あっという間の三時間でした。

頭の中で当分なっていた旋律はこれ.....^^! この旋律、歌にもオーケストラにも何度も何度も出てきます。次のは1幕から.... 古いせいか音が良くないですが、某所で見つけました。デル・モナコ(スカラ座1957年)間違い判明につき→訂正:コレッリ(スカラ座1956年)です。上の女声はザンピエリ。


フィレンツェ1954年、こっちはデル・モナコ


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tsukune☆彡

euridiceさん、初めておじゃまします。(*^_^*)

>頭の中で当分なっていた旋律はこれ.....^^!
私もこの旋律をどこかで聴いたことがあるような気がして、ずっとずっと気になって気になって仕方なかったんですが、友人にオペラ座の怪人に出てくる旋律と同じと教えていただいてやっと謎が解けたんです。
by tsukune☆彡 (2007-04-28 22:38) 

yokochan

あのミニーの歌、なるほど、そうでしたか。全然気づきませんでした!

そして、あの安楽死の場面ですが、開始早々に出てきたものですから、やれやれ、どうなることやら、と暗澹たる気持ちになったのですが、あとは過激臭が薄れ、普通になってしまったので、忘れてしまいました。

わたしも楽しめた3時間でしたね。
by yokochan (2007-04-28 23:13) 

keyaki

TBありがとうございます。
こういう演出は、慣れが必要なようですね。
なんで捏ねくり回すんでしょう。
荒くれ男たちに慕われていたミニーの恋物語じゃだめなんでしょうか。
by keyaki (2007-04-29 01:57) 

ふくきち

コレッリに聞こえるような…。
by ふくきち (2007-04-29 02:22) 

euridice

tsukune☆彡さん、コメントうれしいです^^ll(実はたしか2度目です^^)
>オペラ座の怪人に出てくる旋律と同じ
そうだそうですけど、いまだにピンと来ません・・ 音形がここかしらと思えなくもないところもありますが、全然違う歌にしか聞こえません・・
私、何か勘違いしてるのかも・・・う〜〜ん、落ちつかない・・
by euridice (2007-04-29 07:56) 

euridice

yokochanさん
>あの安楽死の場面
一回目、いったい何なんだと、けっこう動揺しました。近未来のSF的展開になるのかっと一瞬思ったりもしましたが、それっきり・・ 演出家さん、遊び過ぎじゃない?!って感じ。
by euridice (2007-04-29 08:03) 

euridice

keyaki さん
>なんで捏ねくり回す
まあねぇ・・何かやらなきゃ・・目立ってなんぼの演出家ってところかも。
今回も話題には事欠かないという点、とにかく印象に残ったという点で「大成功!」なんじゃない? 

>荒くれ男たちに慕われていたミニーの恋物語
私にとっては結局のところ、これだったし、だから、2度目はおもしろかったわけです。
by euridice (2007-04-29 08:10) 

euridice

ふくきちさん
ブログ、いつも楽しませていただくだけで、失礼しています。コメント、ありがとうございます。

>コレッリに聞こえるような…。
ですか。
付けられた説明は一応、
Frazzoni-Del Monaco-Gobbi, Scala '57
Votto - conductor March 21 1957 となっています。
by euridice (2007-04-29 08:29) 

Sardanapalus

2度目は予習の甲斐があったのですね。せっかく劇場に行くのだからどこかで楽しめないと悲しいですものね。

>>オペラ座の怪人に出てくる旋律と同じ
>そうだそうですけど、いまだにピンと来ません
一応Music of the Nightの'Turn your face away from the garish light of day'の部分ですよね。この曲の中で3度繰り返されますが、メロディはかぶっていても音数が違うのでちょっと分かりづらいと思います。映画版のクリップがあったのでリンク張らせていただきます。(2:00辺り)
http://www.youtube.com/watch?v=GHAauiJwwmU
↓イタリア語吹替え版(1:03辺り)なんかは少し分かりやすいかと…
http://www.youtube.com/watch?v=H1XDVIydASM

はりつけてくださった音声ファイルのデル・モナコの方はいい感じに張り上げてくれていて比較しやすいと思います(^^)
by Sardanapalus (2007-04-29 17:45) 

euridice

Sardanapalusさん、ありがとうございます。

>分かりづらい
やはりそうなんですね。そして、やっぱりあそこなんですね。
そのまんまなのかと思ってました^^;;

>2度目は予習の甲斐があった
ですね。予習+演出に関しては慣れ でしょうか。
1回目は、幕が上がったときの衝撃が大きかったです。
もしかしたら、逆に、なまじあらすじと舞台設定を知っていたのがよくなかったかもしれませんね。でも、お陰で、いろんな意味で、大いに楽しませてもらったとも言えます。
by euridice (2007-04-29 21:40) 

斑猫

おじゃまします。
私も、どう聞いてもコレッリに聞こえました。

「西部の娘」は、大昔、イタリア歌劇団公演でデル・モナコがでるはず、だった舞台を見ましたっけ。デル・モナコのジョンソンの映像を見ると、代役だったのが返す返すも残念!
by 斑猫 (2007-04-29 23:02) 

euridice

斑猫さん、こんばんは。

モナコかコレッリか。
コレッリと書いてあるのも追加しました。

どちらもスカラ座、指揮者、他の出演者は同じだそうです。
モナコと書いてあるのが1957年、コレッリと書いてあるのが1956年だそうです。音源はオペラシェアです。
by euridice (2007-04-30 00:30) 

keyaki

>Frazzoni-Del Monaco-Gobbi, Scala '57
Votto - conductor March 21 1957 となっています。
1956年だとコレッリのCDがありますね。

1957年って、ライモンディが16歳で、ミラノのヴェルディ音楽院に行ってて、
「ミラノ・スカラ座で、「西部の娘」を見ることができました。同郷の有名なミニー役のジリオラ・フラッツォーニとマリオ・デル・モナコ主演です。」なんて書いてあるけど、これも勘違いとかあるから当てにならないですよね。

コレッリのファンの方が、コッレッリだっていうことはやっぱりコレッリのような気も。
マリオ・デル・モナコも聴いてみたけど、違うとも言えない、微妙、どっちなんでしょうね。気になるわ〜
by keyaki (2007-04-30 02:00) 

keyaki

この二つ、同じ人みたいだけど.......ということは両方ともコッレッリじゃないの?

こういうことには、つい一所懸命になっちゃうんですけど.....
デル・モナコのを私の記事のトップに置いておきます。
スカラ座のではないですけど、ちょっと聴いてみて下さい。コレッリとは違いますよね。
それにしても、やっぱり、Kissさんとは違うっていうか、比べちゃだめですよね。
by keyaki (2007-04-30 02:47) 

euridice

keyakiさん
>同じ人みたい
ですね・・^^;; 

あとでアップしたコレッリのほうは、投稿者、この録音を聞くためにはじめてCDプレーヤーを買ったんですって。La Scala April 4, 1956 だそうです。

配役の訂正もあがらないですけど、まあねぇ... やはり
人間の聴覚の「客観性」が、視覚に比べれば、格段に劣ってるってことでしょうか... アップされた音源と説明が一致してない可能性もありますね。

ちなみに、これらの音源は、フラッツォーニのミニーに注目!という感じでアップされています。

>Kissさんとは違う
^^! ですね〜〜 そりゃそうじゃなくちゃってところでしょう^^;;;
ピンキリの差の激しい分野のひとつだと思います。
by euridice (2007-04-30 08:01) 

euridice

keyakiさん、
>デル・モナコのを私の記事のトップに置いておきます。
ありがとうございます。う〜〜ん、違うような気もしますが、なんとも・・
コレッリもデル・モナコもそれほどきいてないし・・
ファンの方、耳に自信のある方におまかせします^^!

ところで、デル・モナコのジョンソンとしてアップの説明をよく見ると、
タイトルは
Frazzoni-Del Monaco-Gobbi, Scala '57
Votto - conductor March 21 1957

なんですけど、ファイル名が
Fa nciullaScala56.zip.001

で、この人は再アップで、オリジナルのファイル名は
Fanciulla-Frazzoni-D el_Monaco__57_1.zip

なんですね・・・
どこかにミスがあるのかもしれません。

ものはついで、フィレンツェ1954年もあったので載せます。
by euridice (2007-04-30 09:17) 

keyaki

>ものはついで、フィレンツェ1954年もあったので載せます
最後のですね。
最後のは、私がアップしたのとおなじですから、デル・モナコですよね。私のは、フィレンツェのではないです。ローマだったかな。

上の三つは、同じ人=コレッリでしょうね。
最後のところにはっきりわかる特徴がありますよね。
che ridire non so!
ノンソ というのを、ノ〜ホンソとホが強調されている。

デル・モナコは、普通にのんそノ〜ンソと歌ってます。
by keyaki (2007-04-30 09:42) 

euridice

ふくきちさん、斑猫さん、keyakiさん

みなさん、凄い!!

え〜〜アップした方に問い合わせました。
結果、1957年デル・モナコのをアップするつもりだったけど、
ファイルを間違えてアップしたということ。
つまり、あのファイルは1956年のコレッリ@ジョンソンのほう。

私の指摘ではじめて間違いに気がついたそうです。あとで1957年のデル・モナコ@ジョンソンをアップするということです。みなさんのお陰で^^!感謝、感心されてしまいました。

というわけで、
>1957年って、ライモンディが16歳で、
スカラ座で見たのはたぶんデル・モナコで間違いないでしょう^^!
by euridice (2007-04-30 11:56) 

keyaki

euridiceさん、お疲れさんです。
これですっきりしましたね。

その1957年のデルモナコのを、16歳のライモンディが見に行っているわけですから、それは、ぜひアップされたら、聴かなくては.....(笑
ボローニャのお父さんの友人の実業家がチケットをとってくれたそうですから、スカラ座でオペラを見るのは、つてがないと難しかったみたいですね。
その部分をリンクしますので、関心があれば読んで下さい。
http://blog.so-net.ne.jp/keyaki/2005-08-01
by keyaki (2007-04-30 12:26) 

keyaki

>1957年のデルモナコ
音声ファイルがアップされましたので、さっそく記事にして、リンクを貼らせていただきました。それからTB返しありがとうございます。
edcさんのおかげで、ライモンディが勉強中に見に行ったオペラを聴くことができて、感激です。
by keyaki (2007-05-01 18:55) 

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