林康子の蝶々夫人 スカラ座 [オペラ映像]
keyakiさんのところで話題のアンナ・カテリーナ・アントナッチが、スカラ座の「蝶々夫人」にピンカートン夫人ケイト役で出ているというので、見てみました。楚々としたケイトだったような記憶がありますが、歌手の名前までは確認しませんでした。ひさしぶりに再生して、注目しました。とても美しいケイトです。
有名な日本人ソプラノ、林康子さんの「蝶々夫人」ですから、けっこう早い時期に見て、かなりがっかりしました。日本人の演出、衣装や装置も日本人にしては、なんだかずれたというべきか、安っぽいというべきか、そんな印象です。着物の着付けも微妙にだらしない。しわしわの帯にどうしても目がいってしまいます。花嫁衣装にベールも違和感大。黒子もじゃまな感じ。全体的にも、音楽がスムーズに進んでいかないようなもどかしさがあって、肩が凝りました。さすがにフィナーレ近くでは、憐れを催して、じ〜んとしますが、全体がなんとなくぎこちない。日本舞踊を踊る蝶々さんを影絵で見せる場面があります。本物の舞踊家を使ってますから、シルエットが美しいですけど、歌手の蝶々さんと違い過ぎ。
プッチーニ:蝶々夫人
スカラ座1986年
ロリン・マゼール指揮
浅利慶太演出
衣装:森英恵
蝶々夫人:林 康子
ピンカートン:ペテル・ドヴォルスキー
シャープレス:ジョルジョ・ザンカナロ
スズキ:ハク=ナム・キム
ゴロー:エルネスト・カヴァッジ
僧侶:セルジョ・フォンタナ
ケイト:アンナ・カテリーナ・アントナッチ
ヤマドリ:アルトゥーロ・テスタ
新国立劇場ができて、最初の「蝶々夫人」公演では、林康子/松本美和子のダブルキャストでした。私は可憐な^^?!松本美和子さんのほうに行きましたが、今ほどにぎやかではなかったネット上で、林康子蝶々さんは、「ゴジラが襖を押し倒し・・」なんて揶揄されて、つい想像して笑ってしまいました。
それより前だったと思いますが、林康子@ノルマが多分オーチャードホールで上演されました。私はテレビで見ましたが、着物姿じゃないほうがいいと思ったものです。故郷の大作曲家ベッリーニを崇拝する、シチリア出身の若いイタリア人女性、全公演に出かけたそうで、すばらしいノルマだって感動してました。
ケイトは歌う場面ありましたっけ?
美しい姿だけは覚えています。
今では立派に主役を演じる歌手に成長されたのですね!
今シーズンもスカラ座ではこの舞台上演してて浅利さんと森さんが見にいらしててその間に座って緊張したって劇団関係で見に行った姪が言ってました。
蝶々夫人は最初見た映像がカラヤン&ウィーンフィルの映画風のドミンゴ、フレーニ、そしてスズキにルートヴィヒという豪華キャストのものでした。
それがあまりにひどい舞台演出だったので嫌になってこの作品は実演を見るのを避けていました。
見ようと意識しなくてもスカラ座のこの映像は見ることになってやっぱりまたがっかりして・・・
実演を見たのはずいぶん後になって新国立だったか、中村智子さんの蝶々さんでした。
素晴らしくて涙が止まりませんでした。
ノルマは映像的には(全曲ではありませんが)マリアカラスの亡霊から抜け出せません。
でも、グルベローヴァも凄かったし、他の方も聴くだけならそれなりに素敵と思います。
林さんのは聴いていませんが、ちょっとイメージしにくいです(><)
by ななこ (2007-04-17 13:46)
>ケイトは歌う場面ありましたっけ?
ソリストが担当する役ですから・・ 下の画像をクリックすると
ケイトが歌う部分が二カ所見られます。
>最初見た映像
たぶん同じ映像ですね。ポネル演出の。
日本人から見れば所詮変なのだから、思いっきり変なのほうがいいなんて
思いました。演奏はいいですし。悔しいけど胸がいっぱいになっちゃいました。
ルートヴィヒのスズキは最高ですし。
実演の最初は、新国の最初のです。正直、どうってことないってところでした。二度目は今シーズンと同じ演出の初演時ですが、感動しました。
by euridice (2007-04-17 23:49)
リンクとTBありがとうございます。
それにしても、ケイトさんの方が、つつましやかで、美しい....
ザンカナロのシャープレスもいいですね。
by keyaki (2007-04-18 09:15)
keyakiさんの記事のおかげで、興味深い発見ができました。ちょい役だと印象に残ってもだれか確認するところまではなかなかいきませんね。
>ザンカナロのシャープレスもいい
そうですね。ちょっとしたしぐさもいかにも紳士です。
by euridice (2007-04-18 14:00)
サンフランシスコでの林康子の蝶々夫人
http://archive.sfopera.com/reports/rptOpera-id731.pdf
by サンフランシスコ人 (2008-05-26 06:43)
>サンフランシスコでの林康子の蝶々夫人
1980年 チョンミュンフン指揮、マシュー・ファルッジオ?演出
ルイス・リマ(ピンカートン)、アラン・モンク(シャープレス)
ジュディス・フォースト(スズキ)
by euridice (2008-05-26 07:06)
日本人の指揮者は、 サンフランシスコ・オペラに、出演したことがないです。
by サンフランシスコ人 (2008-05-26 07:33)
モントリオールでの大村博美の蝶々夫人
http://www.theglobeandmail.com/servlet/story/LAC.20080526.OPERA26/TPStory/TPEntertainment/Music/
"Then, as Japanese soprano Hiromi Omura stood alone on the stage, the crowd applauded and cheered and whistled its approval and clearly didn't want to let her go."
by サンフランシスコ人 (2008-05-27 04:32)
新国の大村蝶々さんもほんとにすばらしかったです。
by euridice (2008-05-27 07:47)
「新国の大村蝶々さんも.....すばらしかった....」
サンフランシスコ・オペラの「蝶々夫人」には、日本人のソプラノ歌手は、大正時代の創立以来、たった二人しか出演したことがないです。
by サンフランシスコ人 (2008-05-29 05:30)
>日本人の指揮者は、 サンフランシスコ・オペラに、出演したことがない
>日本人のソプラノ歌手は、大正時代の創立以来、たった二人しか出演したことがない
サンフランシスコは日本人が多いと聞いています。これとそれとは無関係、あるいは、だからこそ・・なのかしらねぇ・・
by euridice (2008-05-29 06:30)
新国の日本人の蝶々さんは、みんな超一流なのですか。
by サンフランシスコ人 (2008-05-29 08:31)
>超一流
客観的評価については知りません。
by euridice (2008-05-30 08:13)