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R.シュトラウス「ナクソス島のアリアドネ」1979年ハンブルク [ムービー付き音声ファイル]

2010.4.16 追記:
ご近所で、カナダ人ヘルデン・テノール(Lance Ryan この夏バイロイト音楽祭にジークフリートでデビュー予定。素顔はともかく化粧映え舞台映えのするカッコいいテノールだそうですhttp://www.lanceryan.com/)ランス・ライアンが話題になっていたので、彼の歌うバッカス(メトロポリタン歌劇場2010年2月20日公演の放送)を聴いてみました。というわけで、この記事を上げます。
参考までにフィナーレの音声ファイルです。感想は言わずもがなで、とりあえず省略^^;
ソプラノはニナ・シュテンメ


ハンブルグ1979年のプライベート録音は、昨年5月公園で撮った写真のスライドショーにつけて☆ユーチューブ☆にありますが、ここにも載せます。ソプラノ:カタリナ・リゲンツァ/テノール:ペーター・ホフマン


ついでに歌詞の日本語訳
全てが私から遠ざかるのですか
太陽も星も
私自身も
私の苦しみは永遠に私から去ったのでしょうか
アリアドネに残っているのは息だけですか

さあ これから 私とあなたの生活がはじまる

世界は私の胸の上にあったのではないの? 
あなたが それを吹き飛ばした?
この中に哀れな雌犬が横たわっていた
芋虫やムカデと一緒に・・彼らより哀れな姿で

あなたの苦悩の奥底の快楽が 私とあなたの心にわき起こる

あなたは魔法使い 七変化
あなたのマントの影から のぞいていませんか
私を見つめる母の目が
これがあなたの影の国? こんなに祝福され
現世の束縛から自由なところが

あなたのもだ。あなたは自由だ
あなたは私の魔法使いだ

あちらへ行かないの?
私たちはもうそこにいるの?
どうしてこうなったのでしょうか
私たちはもうあの世にいるのでしょうか
私の洞窟は美しく
祝福された寝床を覆う
神聖な祭壇
あなたは なんとすばらしく変えてしまうのでしょうか

あなただ!すべてあなたがしたことだ!
私は前とは別の私
私の内の神性が目覚める
あなたの素晴らしさをしっかりととらえるために
四肢は神の喜びにあふれ
あのあなたの苦しみの洞窟を
あなたと私の深い喜びにしよう
****************

響け 美しい声
見知らぬ鳥よ 再び歌え
お前の声は生命を与え
その歌は私たちを魅了する

あなたの腕の中の私は いったい何でしょうか
あなたの息は 消え去る私の何をつかまえたの 
アリアドネに 何が残っているのかしら
私の苦しみは無駄ではなかった

新しい神の登場には黙るしかない

何にもましてあなたが欲しい
私は以前の私ではない

私の苦しみは無駄ではなかった
アリアドネをあなたのそばにいさせて

あなたの苦しみによって 私は豊かになった
四肢は神の喜びに満たされている
永遠の星たちがまず死ぬだろう
あなたが私の腕から離れて死ぬなら
****************

以下に元記事
2009.7.19 追記:
バッカス登場からフィナーレの部分をユーチューブにアップしました。プライベート録音ですから、咳その他怪しげな雑音もあり、録音状態は良いとは言えません。重唱部分、そして特にソプラノは、ことばが聞き取りにくいので、けっこう難しかったですが、とりあえず日本語字幕もつけました。字幕は、動画右下にある、「字幕ボタン」で出したり消したりできます。出ていない場合は「字幕ボタン」をクリックしてください。
☆ユーチューブ 再生リストへ☆

R.シュトラウス「ナクソス島のアリアドネ」のバッカス役で出演したということは伝記にあったのですが、録音はなさそうで、ほとんど期待していませんでした。ところが、お陰さまで、思いがけず、私的な録音、いわゆる膝上録音を聴くことができました。ラジオ放送録音などとは違い、音はいいとは言えません。立ち位置などの影響も大でしょう。声が遠くて残念な部分もありますけど、そういうことは仕方がないとあきらめれば、やはり「こんなバッカスを待っていました」状態。共演者情報は全くなかったのですが、とても豪華でうれしいです。

ツェルビネッタと道化たちの場面、お客さんも乗っちゃって大笑いしてます。しばらく笑いが止まらない人もいて、くすくす笑いや大笑いが続いています。とっても楽しそう。道化たちが笑わせているようです。舞台と観客が一体化してるっていいですね....

R.シュトラウス:ナクソス島のアリアドネ
1979年10月7日ハンブルク歌劇場
シーズン開幕公演新演出
指揮:デニス・ラッセル・デイヴィス

プリマドンナ/アリアドネ:カタリーナ・リゲンツァ
テノール歌手/バッカス:ペーター・ホフマン
作曲家:ハンナ・シュヴァルツ
ツェルビネッタ:エディタ・グルベローヴァ
音楽教師:フランツ・フェルディナント・ネントヴィヒ
舞踏教師:フリーダー・シュトリッカー
執事長:トニ・ブランケンハイム
ブリゲッラ:フリーダー・シュトリッカー
妖精:ヨーコ・カワハラ、アリシア・ナーフェ、ベアトリス・アルダ
ハレルキン:ウィリアム・ワークマン
スカラムッチョ:デイヴィッド・ソー
トゥルファルディン:ウーデ・クレコー

以下おなじみマリア女史のコメント。
『1979年10月7日、ハンブルク国立歌劇場の開幕公演で、ホフマンはリヒャルト・シュトラウスのバッカス(ナクソス島のアリアドネ)を引き受けた。ユルゲン・ケッツィングの 新演出初日の批評は慎重で、「ペーター・ホフマンは、明らかに体調が悪かった。彼のチェルセを呼ぶ声は弱々しく、はっきりしない響きだったが、後の複数の公演は、彼がもっと強い ロブストの声を有していることを明らかにした」だった。

この公演を私的に記録した録音テープを聞くと、問題の部分の高音域も心地よく輝かしい声であることは明らかだし、広大なオーケストラの響きをしのぐことができている。最後の二重唱における彼の声は、よく焦点が合って散漫なところがなく、英雄的である。その声は最高音のBフラットまで舞い上がり、Zauberinでは端正な弱音を響かせる。この私的な録音を聞いてさえ、彼の発散する存在感は強烈だ。ギリシャ神話の神の姿と声の古典的な美しさが伝わってくる。』〜We Need a Hero

リゲンツァとは声の相性が特に良いとの評もあります。今回も彼女との共演は、目にも耳にもすばらしかったことでしょう。写真はこの公演のものです。

このオペラをはじめて視聴したのははっきり覚えていないのですが、多分テレビで放送したメトロポリタン歌劇場の上演です。ジェシー・ノーマンのアリアドネで、口の中まで映ってるとの評を目にしたことがあります。ガラバゴス島のイグアナのように岩のごとく動かないアリアドネの周りをキャスリーン・バトルのツェルビネッタと仲間たちが跳ね回っていたという印象。でも、耳に心地よいメロディーが聞こえたので、次はCDに挑戦。たしかショルティ指揮、レオタイン・プライスのアリアドネ、ルネ・コロのバッカスでした。ツェルビネッタはエディタ・グルベローヴァ。けっこう好きでよく聞きました。歌詞の内容つまり物語は無視の流し聞きです。その次は、とっても気にいりました。ベーム指揮の映画仕立ての映像で、清楚な美しさのグンドラ・ヤノヴィツのアリアドネ、ちょっと暗めではかなげなツェルビネッタはやはりグルベローヴァ、素敵な若者、作曲家はトゥルデリーゼ・シュミット、バッカスは若くて可愛い(なんて言っては失礼な年齢ですが・・)ルネ・コロ(でも、道化たテノール歌手のプロローグが一段とおもしろかったです)それから、だいぶ後、テレビでたまたま見たザルツブルク音楽祭2001年のお騒がせ演出だったという公演。最初は過激な描写に目をそむけるという感じでしたが、それはともかく惹き付けられるものがあってじっくり見直したところ、道化一行のえげつなさにはやはり抵抗ありだけど、とてもおもしろいと思いました。単なる神話というか昔話に楽屋落ちが絡まったお話としか思っていなかったのですが、まあ、どうも精神病院が舞台か、精神を病んだ人たちがたむろしているどこからしい(違うかも??)のは安直にしても、う〜〜んなるほど人生の機微をついていると思わせられました。このオペラ、なぜかあれこれと映像を見てしまうようで、他にはドレスデン1999年ザルツブルク1965年
ナクソス島のアリアドネ視聴映像



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ななこ

ホフマンのバッカスの写真にほれぼれです~
歌手にしておくのは惜しい~

R・シュトラウスは大好きな作曲家なのですが、バラとアラベラとサロメは新録音新映像にとびつきますがあとはベームの映像以上のものはないとの思いこみが強くて他はあまり見ません。
メトのノーマンの口の中の紫色の舌がどうもトラウマになっていて・・・

これは私の勝手な素人の思いこみと笑い飛ばしていただきたいのですが、P・ホフマンはedcさんのHPで読ませていただくように人柄も誠実でひたむきでかわいいところがありますし、あの美形ですから女性歌手は年齢は関係なく彼との共演はきっと楽しく胸躍るものがあるのではないかと思います。
だからホフマンとの共演の時は普段以上の素晴らしい舞台になるのではないでしょうか?

歌手も人間。
ある程度は仕事と割り切るでしょうけれど、好きになれない相手と組んでいい歌が歌えるとも思えません(^^

度々お邪魔して勝手なこと書かせていただいて申し訳ありません。
こちらに伺うのが自分を取り戻す貴重な時間ですので。
by ななこ (2007-03-31 15:28) 

euridice

ななこさん
どうぞ遠慮なくお越し下さい。いつでも、何度でも大歓迎です^^!!

>メトのノーマンの口の中の紫色の舌
あれはいくらなんでも...ですね。カメラマンか映像監督、冗談にしても、過ぎるって感じ。

>歌手も人間
そう、素敵な相手役だと胸がときめいて一段と良くなるんだと思います。
もちろん双方がです。

さて、4月。当たりか外れか?!
by euridice (2007-04-01 07:33) 

TARO

凄いキャスティング!シーズン・オープニングということもあって、ハンブルクも張り切りましたね。アリシア・ナーフェあたりも70年代には、まだハンブルクで小さな役を歌ってたとは。
リゲンツァは綺麗だし、舞台で見ると特にカッコイイんですよね。これほどのキャスティングだったら、今は確実に映像に残されてるでしょうけど、79年ではねぇ、しょうがないんでしょうね。
by TARO (2007-04-01 15:16) 

euridice

TAROさん
>リゲンツァは綺麗だし、舞台で見ると特にカッコイイ
でしょうねぇ・・ まともな映像も残っていないのが残念です。
>今は確実に映像に
技術の進歩ですよねぇ・・・お陰で玉石混淆はなはだしいですけど、やっぱりないよりあるほうがいいわ。うらやましい・・・

>アリシア・ナーフェ
TAROさんのお好み女声のひとりですか。
by euridice (2007-04-02 08:25) 

ななこ

こんばんは
ホフマンのバッカス聞かせて頂きました!
R・シュトラウスを歌うホフマンは夢のようです。
ワーグナーとは違う華麗さに満ちあふれていますね。
リゲンツァももちろんグルベローヴァの声も瑞々しくてじ~んときてしまいました。

歌詞を載せてくださってありがとうございます。
まとまった詩として読むと感動が違いますね。

申し訳ないけどカナダ人のテノールさんのは初めは一瞬「おっ」でしたがすぐにフォームが全然できてないと思いました。


by ななこ (2010-04-22 22:51) 

euridice

ななこさん
>カナダ人のテノールさん
>一瞬「おっ」
いいかな?と思う瞬間があるのですが、
一瞬後にはずっこけちゃいます・・
>フォームが全然できてない
ということなんですね。
表現性なんてほど遠いと思います。
by euridice (2010-04-26 08:36) 

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