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ヘルデンテノールのポリオーネ@ノルマ [オペラ映像]

再びkeyakiさんの記事に便乗です。
まだオペラに興味を持ち始めのころ、シチリア出身の若いイタリア人女性がこのオペラが大好きだと話したのが、見てみたいと思ったきっかけでした。ちょうど林康子さん主演の公演があったころです。作曲者ベッリーニはシチリア出身の大作曲家ということも彼女が「ノルマ」にはまっている理由です。林康子さんのノルマには全回通ったということでした。すばらしいノルマだったと大感激でした。テレビ放送があったので私も見ました。彼女のように感動、感激とはいきませんでしたが、現代の若い人にも大ファンがいるオペラとして注目でした。その後、このオランジュ音楽祭の映像、keyakiさんも紹介していらっしゃる録音を聴いたりしました。やはり大いに好みのオペラにはなりませんでしたが、音楽は魅力的だと思います。

オランジュ音楽祭は、野外劇場のため、強風にあおられているし、画像はかなり暗めです。こんな中で歌う歌手も、演奏するオーケストラも大変でしょう。でも、それもこの物語にはぴったりかもしれません。カバリエのノルマは、品がよくて素敵です。ローマの将軍であり、かつ、二人の女性に愛される男性を納得させてくれるテノールはめったにないようで、この映像のヴィッカーズも例に漏れないかとは思いますが、なかなかだと思います。

ジョン・ヴィッカーズは、ワーグナー作品の英雄的テノールとして名を成したテノールですが、私はどちらかというと、このポリオーネとか、サムソン@サムソンとデリラ、ドン・ホセ@カルメンなど違う作品でのヴィッカーズのほうが好きです。

「ノルマ」の映像はジョーン・サザーランドがノルマのシドニー・オペラ、その他も見ましたが、こちらのほうが、作品としてのまとまりという観点か ら、総合的に優れているように思いました。

ベッリーニ:ノルマ

ジュゼッペ・パタネ指揮
サンドロ・セークイ演出
オランジュ音楽祭 1974年

ノルマ:モンセラート・カバリエ
ポリオーネ:ジョン・ヴィッカーズ
アダルジーザ:ジョセフィン・ヴィジー
オロヴェーソ:アゴスティーノ・フェリン

あらすじ
「ローマ帝国の支配下にあったガリア地方のドルイド族の巫女の長ノルマはガリア総督として派遣されているローマの将軍ポリオーネと通じ、二人の子供を隠し育てている。ところがポリオーネはノルマに飽きて巫女のひとり、若いアダルジーザを愛するようになる。信仰と愛に悩むアダルジーザはノルマに告白し、ノルマは彼女を許すが、彼女の恋人がポリオーネであることを知り怒り、悲しむ。ノルマは子供を殺して自らも死のうとするが・・・」

おそらく母が口ずさんでいたのだと思いますが、子ども時代から耳に残っている歌、「万歳、万歳」はこのオペラから旋律を拝借したものだということで、ちょっとびっくりしました。調べたところ、女学校唱歌で、題は「祝歌」。なぜかよく覚えています。


「万歳、万歳、万歳。山辺も野辺も、かすみわたり、花わらい、鳥歌う。君が代の春の日に、桂を折りえし、わが友のその光栄。思えばその身の、光栄のみか、御代の光。御国の栄。(以下、記憶なし)」

「かつらをおりえし」は意味が理解できていなかったし、「コーエー」というのが「光栄」だとは、知りませんでした。 「声」だと思っていました。  

ジョン・ヴィッカーズ:テノール歌手、1926.10.29- [カナダ]

ほかの映像
1)リチャード・ボニング指揮 シドニー・オペラ 1978 LD
ノルマ:ジョーン・サザーランド
明るくて見やすい映像でした。

2)フリードリヒ・ハイダー指揮 ユルゲン・ローゼ演出 バイエルン国立歌劇場2006  クラシカジャパン2007.11
ノルマ:エディタ・グルベローヴァ、アダルジーザ:ソニア・ガナッシ、ポリオーネ:ゾラン・トドロヴィッチ、オロヴェーゾ:ロベルト・スカンディウィッツィ
劇場なら気にならないのかもしれないが、映像ではノルマの老けぶりが・・ 対して美人でもなんでもないアダルジーザの若さが輝く。メイキングがけっこうおもしろい。

3)ファビオ・ビオンディ指揮 エウローパ・ガランテ ロベルト・アンドー演出 パルマ王立劇場 2001  TV DVD
ノルマ:ジェーン・アンダーソン、アダルジーザ:ダニエラ・バルチェッローナ、ポリオーネ:シン・ヤン・フーン、オロヴェーゾ:イルダール・アブドラザコフ

4)マッシミリアーノ・カッラーロ指揮 マッシモ・ガスパロン演出 サヴォーナ・オペラ2000年11月、、シアターTV2006.5
ノルマ:マリア・ドラゴーニ、アダルジーザ:ラファエッラ・アンジェレッティ、ポリオーネ:ジャンルーカ・ザンピエーリ、オロヴェーゾ:ジョルジョ・ジュゼッピーニ

録音
1)ヴォットー指揮 スカラ座 1955  ライブ MELODRAM
ノルマ:マリア・カラス、アダルジーザ:ジュリエッタ・シミオナート、ポリオーネ:マリオ・デル・モナコ、オロヴィーゾ:ザッカリア、フラヴィオ:ジュゼッペ・ザンピエリ

2)チラリオ指揮 ロンドンフィルハーモニー管弦楽団 1972  RCA
ノルマ:モンセラート・カバリエ、アダルジーザ:フィオレンツァ・コソット、ポリオーネ:プラシド・ドミンゴ、オロヴィーゾ:ルッジェーロ・ライモンディ

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コメント 4

keyaki

私も映像はいろいろ見ましたが、ノルマとかアダルジーザがよければいいでしょ、といわんばかりのキャスティングが多くて、けっこうたいくつ。こういう有名歌手をポリオーネに持って来ている映像はないですよ。やっぱりどこか違うんですよね、名を成すというか名声を得た歌手って。ノルマのカバリエに負けてない、インパクトがありますよ。
このオロヴェーゾ役の歌手さんもなかなか立派、ザルツブルグでカラヤン指揮のアイーダで、ライモンディがランフィスで、彼が国王という配役の時があるんですよ。
ヴィッカーズともヴェルディレクイエムの録音で一緒のがあります。

わざわざ取り上げて下さってありがとうございます。こちらからもTBさせていただきます。
by keyaki (2006-10-01 09:05) 

euridice

DVDがありますが、品切れあるいは廃盤みたいですね。例のドリームライフです^^;;
by euridice (2006-10-01 20:23) 

TARO

林さんの「ノルマ」は見ました。声についてはせめてあと5年早かったら・・・と思わざるを得ませんでしたが、それでもイタリアでもっとも難しいベルカント物の第一人者として活躍してきただけあって、声の不備を補ってあまりある貫禄とプリマドンナの輝きを発してましたね。。ジャコミーニも良かったし。

録音で一番好きなポリオーネはムーティ盤のラ・スコラかな。声質もスタイルも申し分ないかと。ボニング盤のパヴァロッティも幾分声が衰えが感じられるとは言えさすがの歌唱ですが、キャラ的にちょっと違うような。
by TARO (2006-10-03 21:11) 

euridice

TAROさん
あのとき、よっぽど行こうかと思ったんです。

>声についてはせめてあと5年早かったら
オペラ歌唱にはまだまだ懐疑的だったころのせいもあって、テレビでも????でした。だいぶ後に新国の蝶々夫人に行ったんですけど、松本美和子さんのほうを選びました。林さんは「コジラが襖を押し倒し....」とかさんざんな言われようも目にしました^^; それで、林さんのほうに行けばよかったなんて..... 後悔しちゃったものです。
by euridice (2006-10-04 08:11) 

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