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ワーグナー「ジークフリート」バイロイト1980年 [オペラ映像]

ジークフリート」(パトリス・シェロー演出、ピエール・ブーレーズ指揮、バイロイト音楽祭1980年収録)、ジークフリート役が、ルネ・コロだったらと言われています。確かにそうだったら、この映像ももっと売れただろうし、評価も高まったかもしれません。
コロが1976年から1980年まで上演されたこのプロダクションを、半ばで降りた経緯についてはこちら、ルネ・コロの自伝をどうぞ。
それはともかく、舞台はごちゃごちゃとした物がなくて、すっきりとしていて、わかりやすい。ミーメは陰険なくせに間抜けな感じで、喜劇的雰囲気が素直に楽しめて、おもしろい。ジークフリートは、歌、演技ともそれこそほれぼれとはいきませんが、そこそこいいと思います。他の人物も存在感があります。あらためてながめてみると、ジークフリートはやはり動きにそこはかとない不自然さがあります。どうしようもないことなのでしょう。イェルザレム・ジークフリートよりは少ないけど、無意味に手を揺らすのが気になるところもあります。動作もいかにも言われた通りやってますという、とってつけた感じが伝わってちょっと恥ずかしくなるところがありますね。でも、笑顔がたまに可愛いので子どもっぽい英雄という感じは納得できるというところ。後ろ姿がなかなかよろしいです。前半二作ほどではないけど、音楽との一致が心地よく、ほとんど退屈することなく、最後までかなり没入できます。

ワーグナー:ジークフリート
ピエール・ブーレーズ指揮  
パトリス・シェロー演出  
バイロイト音楽祭1980年

さすらい人:ドナルド・マッキンタイヤー
ジークフリート:マンフレート・ユング
ミーメ:ハインツ・ツェドニク
アルベリッヒ:ヘルマン・ベヒト
ブリュンヒルデ:ギネス・ジョーンズ
エルダ:オルトン・ウンケル

※マンフレート・ユング:1940.07.09- [ドイツ]
1977年、ジークフリート@「神々の黄昏」でバイロイト・デビュー。
この人、「バイロイト音楽祭」にずいぶんと執着していたようです。

ある本によると、バイロイトでは、いわゆる「音楽祭」の他に若者を対象とした講習会がひらかれているが、ここではワーグナーの若い頃の作品が上演されたりする。ユングは1967年にこの講習に参加して「妖精」の主役、王子アリンダル役を歌った。1970年からは四年間、バイロイト音楽祭合唱団のメンバーとして舞台に立った。それから、今度は演奏家としてではなく、裏方としてバイロイトの舞台裏で照明係のアシスタントをしていた。そして、1977年、78年と「神々の黄昏」のジークフリート、1979年からは「ジークフリート」のジークフリートも担当するようになった。1980年2月、ワーグナー作品をとりあげたホルスト・シュタイン指揮のNHK交響楽団定期演奏会で来日。そのときの演目、ローエングリンとジークムントの歌は、彼にとって全く新しいレパートリーで、シュタインがかなりしごいたが、四回のコンサートでの出来栄えは、日によってかなり波があったらしい。シュタインはバイロイトでジークフリートを歌った彼が、そういうものがお初とは思い及ばなかったようだという話です。(成澤玲子著 海外ライヴの贈り物 FM選書)

バイロイトでは、1983-86の「リング」でもジークフリートとローゲ、他にパルジファル(1977-81)ミーメ(1994-96)?ザルツブルク復活祭音楽祭ではカラヤン指揮のパルジファル(1980)?、トリスタンにも出演。
1971年からドルトムント、デュッセルドルフ-ドゥイスブルクのドイツ・ライン・オペラのメンバー。1980年からメトロポリタン歌劇場と5年契約、ジークムント、ジークフリート、シュトルツィング、トリスタン。世界各地にワーグナーの役で客演。50歳ごろから、「サロメ」のヘロデ王、「ばらの騎士」のヴァルザッキなど性格的な役をしているようです。(インターネット情報)


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コメント 13

ヴァラリン

久々に見せて頂きました。そうそう、
>子どもっぽい英雄という感じは納得できる
んですよねぇ。演出コンセプトにも合っていると思いますし、この作品でどれか一つ映像を…ということになると、やっぱりこれってことになると思うんですけどね。
皆でよってたかって、ジークフリートをそんなにいじめなくても…(^。^;

この映像、フィリップスから輸入版DVDが出てすぐに買って、そして何度も観ないうちに、ケースから出そうとしてディスクを破壊してしまったという苦い記憶が…(^^ゞ
可愛いミーメがお気に入りだったので、ショックだったんですよぉ(ToT)
後にクラシカジャパンで再放送したときに、録画し直しました。
by ヴァラリン (2006-08-25 10:59) 

TARO

ユングは結構変わった経歴の持ち主なんですね。合唱団は分かるとしても照明係のアシスタントとは。歌手としてのキャリアに役立つと思ったんでしょうか???そこからいきなりジークフリートというのもなんか凄いかも。
シュタインとのコンサートで来日していたというのは、まったく記憶から抜け落ちてました。残念ながら私が聞いたことがあるのはヘロデ王だけ。全盛期のユングは聞いたことがありません。でもヘロデ王はなかなか良かったと思いました。
by TARO (2006-08-25 11:35) 

euridice

ヴァラリンさん、同感です。
なかなかいいジークフリートだと思います。「夢のジークフリート」とはいかないけど・・ あれより後の映像については、もう悪口言うのやめちゃった見たいですよね・・・?!
>ディスクを破壊
そういえば、そんな話で盛り上がったことがありましたね^^!
by euridice (2006-08-25 21:23) 

euridice

>照明係のアシスタント
バイロイトとの縁をつなぎたかったんじゃないかと・・^^?
あの頃、変わった経歴の歌手が目立ったみたいですね。イェルザレムもですが、フリードリヒのタンホイザーのスバス・ヴェンコフもオーケストラ団員(ヴァイオリン)だったそうです。うそかほんとか知りませんが、ある時、歌手が急病で「歌手の真似がうまいからちょっとやってみたらどうだ」とそそのかされて、ちょっとやってみたら成功して歌手になってしまったのだとか。
by euridice (2006-08-25 21:30) 

たか

>カラヤン指揮のパルジファル(1980)、トリスタンにも出演

本当ですか? 1980年のパルシファルは確かホフマンも歌ったはずですがユングとダブルキャストですか? カラヤンがトリスタンを振ったのは72年頃のヴィッカース/デルネシュのプロダクションが最後ですがユングはメロートとか水夫とかでしたっけ?
by たか (2006-08-25 22:15) 

euridice

>>カラヤン指揮のパルジファル(1980)、トリスタンにも出演
>本当ですか?
http://www.operissimo.com/ からですが、やっぱり怪しいですね^^; 本人のサイトが見つかったのでざっと眺めましたが、ないです。カラヤンとは1975年にマイスタージンガー(ザルツブルク復活祭)でご一緒したとあります。何をやったかは書いてありません。

トリスタンは1989年ライプチッヒだそうです。

音楽の前に、高圧電流-電気技術者の仕事を習得しているそうです。
by euridice (2006-08-25 23:06) 

たか

パルシファルでなく聖杯騎士ならありえるかも。DGの録音ではクラエス・アーカン・アーンシェ(メータのタンホイザーのLDのワルター、トリスタンのDVDのメロート)が歌っていましたが。
ちなみにDGのパルシファルの脇役はクルト・リドルがもう一人の聖杯騎士、バーバラ・ヘンドリックスとジャネット・ペリーとドリス・ゾッフェルが花の乙女でアルトソロがハンナ・シュヴァルツというあり得ない豪華なキャストですね。このあたりの脇役はひょっとしたら実演では別の歌手が歌った可能性はあります。
ザルツのマイスターはコロがワルターだったと思いますが、ダービットは誰でしたっけ?
by たか (2006-08-25 23:58) 

keyaki

>1975年にマイスタージンガー(ザルツブルク復活祭)
Manfred Jung, Ulrich Eißlinger
René Kollo, Walter von Stolzing
Peter Schreier, David
by keyaki (2006-08-26 03:29) 

euridice

keyaki さん、ありがとうございます。
ネット検索で見事にヒットしたので、ついでに全部載せておきます。
1975, Salzburg, public performance

Karl Ridderbusch, Hans Sachs
Peter Lagger, Veit Pogner
Dieter Ellenbeck, Kunz Vogelgesang
Martin Egel, Konrad Nachtigall
Günther Leib, Sixtus Beckmesser
Jef Vermeersch, Fritz Kothner
Manfred Jung, Ulrich Eißlinger
Martin Vantin, Augustin Moser
Hans Christian, Hermann Ortel
Hannes Jokel, Hans Schwarz
Alois Pernerstorfer, Hans Foltz
René Kollo, Walther von Stolzing
Gundula Janowitz, Eva
Kerstin Meyer, Magdalene
Peter Schreier, David
Nikolaus Hillebrandt/Gerhard Stolze, Nachtwächter

Chor der Wiener Staatsoper - Berliner Philharmoniker
conducted by Herbert von Karajan
by euridice (2006-08-26 07:29) 

たか

keyakiさん、edcさんどうもです。私もスペリングを確認して引いてみようと思っていたところです。シュライヤーがダビットでしたか。ミュンヘンでも定番でしたね。ユングがやるとすればやっぱりアイスリンガーぐらいになってしまいますね。

ジークフリートは無邪気である意味では脳天気ですが(「子供っぽい」というのは多分そういう意味では?)、でも同時に無類にたくましくなければいけないと思うのです。この両方の要求を満たしているのはコロだけだと私は思います。

残念ながらフリードリヒの指輪はメイキングビデオしかないようなのでレーンホフの指輪の特集に行きませんか? コロがこの演出をどう思っていたか伝記には何か書いてありますか?
by たか (2006-08-26 20:15) 

euridice

>伝記には何か書いてありますか?
特に取り上げてないようです。

>レーンホフの指輪
ミュンヘンの映像はNHKが何度か放送したので、見ました。雷のせいで録画できなかった「ワルキューレ」以外はこれが初リングでした。「初」のうえに、小さなテレビ、3倍録画の画質の悪さ、単調な映像化等々、かなりがんばって最後まで見たものです^^;  再視聴ねぇ.... 今見れば、もっとおもしろいかしら?^^?
by euridice (2006-08-28 04:48) 

たか

>レーンホフの指輪
この映像はオリジナルのハイビジョン映像が大画面向きに収録されていて、ほとんどのシーンで頭から足まで写るようになっています。ブライアンラージのようなアップを多用する方法が比較的小画面を想定しているのとは正反対です。ですのでこの映像はある程度大きさの、ある程度高画質なテレビで見る必要があります。3倍モードの放送録画では顔などがつぶれてしまってよくわからないのではないでしょうか? 少なくともDVDをプログレッシブディスプレイで見てほしいとことですが、でもこの演奏のDVDは曲の途中で面が変わるのでそれが大問題です。東芝なのでそのうちHD-DVDで出てくるのでしょうが。
by たか (2006-08-29 21:09) 

euridice

たかさん、こんばんは
なるほど・・やはり
>小さなテレビ、3倍録画の画質の悪さ
がネックということですか。
いかにもNHKの歌舞伎か新劇の舞台中継みたいだと思ったものです。
by euridice (2006-08-30 00:27) 

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