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カタリーナ・リゲンツァ [オペラ歌手2]

ドイツのある音楽評論家は、「ペーター・ホフマンの繊細で、バリトン的な声は、リゲンツァ(1937.10.18-  スウェーデン)の声とは特によく調和する」と書いたことがあるようです。
ホフマンとは、イゾルデ、ブリュンヒルデ、フィデリオ(レオノーレ)として共演したことがわかっています。
関連記事:バイロイトのトリスタン 1986年と87年

はじめて略歴を読んでみました。両親はオペラ歌手。デビューは1963年、リンツで「フィガロの結婚」の伯爵夫人。シュトゥットガルト、ベルリン・ドイツ・オペラ、ハンブルクのメンバーだったそうですから、ホフマンとの共演はかなりあったのでしょう。1988年に引退。リゲンツァは結婚相手の姓で、ドイツ人のオーボエ奏者。

トリスタンとイゾルデでの共演は、1986年と1987年バイロイト音楽祭、ジャン・ピエール・ポネル演出、ダニエル・バレンボイム指揮の公演です。1987年のラジオ放送録音で聞くことができました。

ブリュンヒルデでは、シュトゥットガルトのポネル演出でも共演していますが、上の写真は、1984年ゲッツ・フリードリヒ新演出、ヘスス・ロベス・コボス指揮、ベルリン・ドイツ・オペラのワルキューレです。メイキング映像で見ることができました。

『1984年2月10日は、ベルリン・ドイツ・オペラでの、ジャン・ピエール・ポネルの印象的な演出による『フィデリオ』の初日だった。指揮はダニエル・バレンボイムで、レオノーレはカタリーナ・リゲンツァ、ペーター・ホフマンはフロレスタン役を歌った。この公演のあとのように、評論家が全員一致で肯定的な結果を出すことは珍しい。ペーター・ホフマンは、不可能なことを成し遂げたに等しいほどの上出来だった。透明感のある表現力に富んだ声で歌いながら、そして、それにもかかわらず、地下牢に一人寂しく、飢えて、死を間近にした人が、横たわっていることを、納得させるに足るものだった。とても濃い化粧をしていたので、よく見ても最初は彼だとわからなかったほどだ。この『フィデリオ』については、オペラの初日などいつもは言及する価値はないと考えている大衆紙でさえ、熱狂的に書きたてた。続いて、ザルツブルグ音楽祭におけるヘルベルト・フォン・カラヤン指揮による『ローエングリン』が、同様の肯定的反響を得た』(伝記より)

他の映像:
歌劇「エレクトラ」全曲R.シュトラウス エレクトラ
カール・ベーム指揮、ゲッツ・フリードリヒ演出
ウイーン・フィル1974年 映画版
エレクトラ:レオニー・リザネク
妹、クリソテミス:カタリーナ・リゲンツア
母、クリテムネストラ:アストリッド・ヴァルナイ
弟、オレスト: ディートリッヒ・フィッシャー・ディスカウ
母の夫、エギスト:ハンス・バイラー

ウェーバー 魔弾の射手
デニス・ラッセル・デイヴィス指揮
アキム・フレイヤー演出
シュツットガルト歌劇場1983年
アガーテ:カタリーナ・リゲンツァ
マックス:トニ・クレーマー
オットカール:ヴォルフガング・シェーネ
関連記事:P.ホフマンが揉めた演出家

ワーグナー さまよえるオランダ人
ヴォルフガング・サヴァリシュ指揮
ヴェーツラフ・カスリック演出
バイエルン国立歌劇場1975年 オペラ映画
オランダ人:ドナルド・マッキンタイヤー
ゼンタ:カタリーナ・リゲンツァ
マリー:ルート・ヘッセ
ダーラント:ベニュート・ランドグレン
エリック:ヘルマン・ヴィンクラー


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TARO

リゲンツァがバイロイトでブリュンヒルデを歌いだした頃は、ちょうど私もオペラに興味を持ち出した時期で、よくNHKの年末のバイロイト放送を聞いていたものでした。
彼女の登場は『ついにニルソンの後継者が現れた!』という感じの、センセーショナルなものでした。
でも理由は分かりませんが、名声と実力の割にはあまり録音に恵まれてない人ですよね。

日本公演の「リング」を聞きましたが、素晴らしいブリュンヒルデでした。
by TARO (2005-12-21 11:31) 

euridice

>録音に恵まれてない
おっとりとした良家の奥様って雰囲気ですから、あえてのぞまなかったんじゃないかしら?^^? 51歳で、さっさと引退なさったようですし。

以前に紹介した1980年9月30日発行の「レコード芸術別冊 オペラのすべて」に、カタリーナ・リゲンツァについて「とうとうニルソンの後継者にはなれなかった」って書いてあります。音楽ジャーナリズムの常套句ですね^^;

http://blog.so-net.ne.jp/euridiceneeds/2005-05-12-2

>日本公演の「リング」
さぞ美しいブリュンヒルデだったことでしょう!!
by euridice (2005-12-21 20:04) 

TARO

>音楽ジャーナリズムの常套句ですね^^;

この常套句に関しては、逆に書いた人の不勉強さを示すことになりがちですね。
「第二のカラス」と一緒で、歌手の声質も持ち味も無視して、勝手に的外れな期待をすると、後で裏切られたとか思うのかも。
by TARO (2005-12-22 01:37) 

助六

83年にミュンヘンで一度だけゼンタを聴いたことがあります。前後して同役を歌っていた当時ほぼ無名のS・ハースに比べて、声も表現の恰幅の大きさも舞台姿の輝きも2倍位あり強い印象を受けました。イゾルデやブリュンヒルデで聴けなかったのが残念です。引退の理由も「家庭に戻りたい」とかいうもので、舞台で見せるスケールとちぐはぐな印象を受けたものです。文字通りピタリと公の場から消えてしまった身の引きぶりも彼女らしいと言うか…。
そのハースでさえガンで早世してしまいましたねぇ。死の数ヶ月前に聴いた演奏会形式「トリスタン」が素晴らしかったですが。
「これがヴァーグナー・ソプラノっていうものかも」という印象を受けたのは小生にはジョーンズでもベーレンスでもマイヤーでもなくリゲンツァでした。
by 助六 (2005-12-22 10:44) 

TARO

ワグナー・ソプラノですねえ・・・
サヴァリッシュとの「オランダ人」というオペラ映画があるんですか。これは知りませんでした。
by TARO (2005-12-23 00:40) 

euridice

助六さんのコメントで、テレビ映画を見たのを思い出しました。映像としてあまり上等ではなかったこともあったのでしょう、印象に残りませんでした。コロがローエングリンのぼけぼけ映像も見たことがあります・・ 
by euridice (2005-12-23 07:37) 

ヴァラリン

>コロがローエングリンのぼけぼけ映像
んー、ありましたね(^^;
まだブレンデル@伝令がわっかーい頃で、リーダーブッシュ@ハインリヒ王と御揃いの衣装が初々しく見えたのが印象的でした(はあと)
by ヴァラリン (2005-12-23 09:40) 

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