ワルトラウト・マイアー

ワルトラウト・マイアー（1956.01.09- 　ドイツ）は1983年、1982年に始まったゲッツ・フリードリヒ演出の百年記念パルジファルにクンドリでバイロイト音楽祭にデビューしました。パルジファルはペーター・ホフマンでした。この生年月日が正しければ、マイアーは27歳だったんですね・・　1986年のバイロイト音楽祭では、ポネル演出、バレンボイム指揮の「トリスタンとイゾルデ」で共演。ホフマン＠トリスタン、マイアー＠ブランゲーネでした。

テレビで彼女のポートレートを見ましたが、バイロイト音楽祭のオーディションに招かれたとき、神々の黄昏のヴァルトラウテかフリッカならいいけど、例えば、ラインの乙女とか、ワルキューレの一人のような小さな役で夏休みを犠牲にしたくなかったそうです。クンドリはすでに歌ったことはあったけど、リザネクが担当していたし、まさかという気持ちだったそうですが、それでも希望はこれということでオーディションを受けたのだとか。

（レオニー・リザネクの記事のコメントで、助六さんが、名前の発音についておっしゃっていますが、この放送で、マイアーは、リュザネク - -ほとんどユザネクと聞こえる- -　と発音しているようです）

この放送によると、彼女は音楽好きの家庭に生まれ、幼いころから、リコーダーとフルートとピアノをやったそうですが、「指が思うように動かない」ので、ピアノはやめて歌を習います。「歌のほうが自然に表現できた」し「歌が好きだった」けど、プロになるつもりはなく、将来はフランス語か英語の教師になりたかったということです。

デビューは、歌の勉強を始めて一年ほどで、たまたま空きができたというので軽い気持ちでオーディションを受けて合格したヴュルツブルクの劇場で、カヴァレリア・ルスティカーナのローラ役だそうです。最初のワーグナーは、次の劇場マンハイムで、ラインの黄金のエルダ。マンハイムでいろんな役を来るものはこばまず「大量生産して」、レパートリーは30余りになったそうです。

ゲッツ・フリードリヒ演出、ジェームズ・レヴァイン指揮の百年記念のバイロイト音楽祭の「パルジファル」は1985年の上演が録音されました。目下、唖然のお値段の中古品しかないみたい・・・　参照

ホフマンの60歳の誕生日には、

「私の一番重要なパルジファルとして忘れられません。あなたとの舞台はものすご〜〜〜く楽しかった。今は遠くから、あなたの生き方に感嘆しています。あなたは同じ境遇の大勢の人たちに力と勇気を与えていますが、私にも人生の本質をいつも意識させてくれます....」

といった内容のお祝いの言葉がホフマンのホームページに載せられました。

今年2005年、上野でヴェーヌスのマイアーに出会えました。同じ演出の映像と変わらず魅力的なお姿でした^^!　（追記；2007年秋にはベルリン国立歌劇場来日公演「トリスタンとイゾルデ」のイゾルデで再び）関連記事

W.マイアーの映像:
ベルク　ヴォツェック
ダニエル・バレンボイム指揮、パトリス・シェロー演出
ベルリン国立歌劇場1994年
ヴォツェック：フランツ・グルントヘーバー
マリー：ワルトラウト・マイアー
大尉：グラハム・クラーク
私は行きませんでしたが、これと同じプロダクションの来日公演がありました。歌手も多分同じだったと思います。なんて書きましたが、来日公演にいらっしゃった オデュッセウスから、ヴォツェックはシュトルックマンだったというコメントがありました。

ヴェルディ　ドン・カルロス　五幕版
アントニオ・パッパーノ指揮　リュック・ボンディ演出
パリ・シャトレ座1993年　フランス語
フィリッポ２世：ジョゼ・ヴァン・ダム
皇太子ドン・カルロ：ロベルト・アラーニャ
王妃、エリザベッタ：カリタ・マッティラ
ポーザ侯、ロドリゴ：トーマス・ハンプソン
エボリ公女：ワルトラウト・マイアー

ワーグナー　タンホイザー
関連記事　ミュンヘン来日公演　

ワーグナー　トリスタンとイゾルデ
★ズービン・メータ指揮　ペーター・コンヴィチュニ演出　
バイエルン国立歌劇場　1998年
トリスタン：ジョン・フレデリック・ウェスト
イゾルデ：ワルトラウト・マイアー
ブランゲーネ：マリヤナ・リポヴシェク
クーベナル：ベルント・ヴァイクル
マルケ王：クルト・モル

★ダニエル・バレンボイム指揮　ハンナ・ミューラー演出
バイロイト音楽祭1992年　
トリスタン：ジークフリート・イェルザレム
イゾルデ：ワルトラウト・マイアー
ブランゲーネ：ハンナ・シュヴァルツ
クーベナル：ヘルマン・ベヒト
マルケ王：マッティ・サルミネン

ワーグナー　ワルキューレ
☆リッカルド・ムーティ指揮　アンドレ・エンゲル演出　
ミラノ・スカラ座1994年
ジークムント：プラシド・ドミンゴ
ジークリンデ：ワルトラウト・マイアー
フンディング：マティアス・ヘレ
ブリュンヒルデ：ガブリエレ・シュナウト
ヴォータン：モンテ・ピダーソン[Monte　Pederson 1958 - 2001 ]
フリッカ：マリーナ・リポヴシュク

☆ヴォルフガング・サヴァリシュ指揮　ニコライ・レーンホフ演出
バイエルン国立歌劇場1989年
ジークフリート：ルネ・コロ
ブリュンヒルデ：ヒルデガルド・ベーレンス
ワルトラウテ：ワルトラウト・マイアー

ワーグナー　パルジファル
☆ジェームズ・レヴァイン指揮、オットー・シェンク演出
メトロポリタン歌劇場1993年
パルジファル：ジークフリート・イェルザレム
クンドリ ワルトラウト・マイアー
グルネマンツ：クルト・モル
クリングゾール：フランツ・マツーラ
アンフォルタス ：ベルント・ヴァイクル

☆ダニエル・バレンボイム指揮　ハリー・クプファー演出
ベルリン国立歌劇場1992年
パルジファル：ポール・エルミング
クンドリ：ワルトラウト・マイヤー
グルネマンツ：ジョン･トムリンソン
アンフォルタス：ファルク・シュトルックマン
クリングゾル：ギュンター･フォン･カンネン
ティトゥレル：フリッツ･ヒューブナー

☆ケント・ナガノ指揮　ニコライ・レーンホフ演出
ベルリン・ドイツ交響楽団、バーデン・バーデン歌劇場2004年
パルジファル：クリストファー・ヴェントリス
クンドリ：ヴァルトラウト・マイアー
グルネマンツ：マッティ・サルミネン
アンフォルタス：トーマス・ハンプソン
クリングゾール：トム・フォックス

マスカーニ：カヴァレリア・ルスティカーナ
ラヴェンナ音楽祭1996年、リッカルド・ムーティ指揮、ボローニャ市立歌劇場管弦楽団＆合唱団、リリアナ・カヴァーニ演出、トゥリドゥ：ホセ・クーラ、サントゥッツァ：ワルトラウト・マイアー、アルフィオ：パウロ・ガヴァネッリ

コメント 5

お久しぶりです。

ベルリンの『ヴォツェック』来日公演、神奈川県民で観劇しましたが、表題役はグルントヘーパーではなくシュトルックマンでした。また、商品化された映像ではゴールドベルクが出演していたはずですが、来日公演ではキャンセルでした。

この公演、Ｓ席が購入できずにＡ席での観劇でしたが、Ｓ席よりいい場所では？なんて感じました。ＮＢＳの席割りはよくわからないです。
by オデュッセウス (2005-12-19 09:23) 

発音情報ありがとうございます。
彼女は仏ラジオで（さすがに仏語上手です）、自分でバイロイトに電話を掛けてオーディションを受け付けてもらったと語っていましたよ。
私にとってはここ20年間あちこちで、ヴァーグナーを初めとする色々なレパートリーで少々の失望や多くの感動を与えてくれた歌い手さんで、感慨があります。エントリで挙げられている上演中では、「ヴォツェック」「ドン・カルロス」バレンボイムとメータの「トリスタン」に接しましたが、高音のきつさを初め、クンドリを含め声の状態はいつも素晴らしいとは言えなかったと思います。最高の思い出はミラノのヴァルトラウテとサルツ・パリのイゾルデです。フランスものでの仏語ディクションも外国人歌手としてはいつも立派で、大変勤勉な人のようですね。
by 助六 (2005-12-19 10:22) 

edcさん、こんにちは。
思いっきりTBさせていただきます^_^;;
by Orfeo (2005-12-19 11:19) 

W・マイアーの初来日は、たぶんシノポリ＝フィルハーモニアの来日公演に同行してのものだったと思うんですが、「復活」は『風邪をひいてる』かなにかのアナウンスが入って、実際酷い声でした。
続くヴェルディ／レクイエムでは、しっかり持ち直していましたが。
他にも色々と聞いてますが、クンドリを聞いてないのは本当に残念。

「ヴォツェック」はSだったのに、駄目駄目席でした。。。
by TARO (2005-12-19 23:02) 

たくさんのコメント、うれしいです^^!

オデュッセウスさん、こんばんは。
来日公演の配役情報、ありがとうございます。

＞ＮＢＳの席割り
なんだかねぇ・・ですね....？？
by euridice (2005-12-20 00:32)