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ニュルンベルクのマイスタージンガー:バイロイト音楽祭1988年 (1) [ムービー付き音声ファイル]

2009.7.5
写真整理、BGMとしてこの録音が日本語字幕付きで全曲聴けます。ユーチューブ再生リスト
1幕全曲
★01 前奏曲
1場
☆02「花婿を見た人は誰もいない」まで
☆03 1幕1場の終わりまで
2場
☆04 ダーヴィットの歌試験解説-1
☆05 1幕2場の終わりまで(ダーヴィットの歌試験解説-2)
3場
☆06 マイスター組合の会合-1
☆07 マイスター組合の会合-2 「ポーグナーの演説」
★08 マイスター組合の会合-3
☆09「冬のさなか静かな炉端で」
☆10「はじめよ!」
☆11 1幕フィナーレ


2幕全曲
★2-1 1場-2場
3場-4場-1
★2-2「にわとこのモノローグ」
「にわとこ」と訳されて定着しているようです。原語のドイツ語では Flieder(フリーダー)です。フリーダーは通常リラのことだそうです。誤訳という説もあるようですが、新国立劇場の上演に際して、このバイロイト公演でハンス・ザックス役、新国では演出をしたベルント・ヴァイクル(Br)がオペラトークで
「この歌、Was duftet doch der Fliederの“Flieder”は通常“リラの花”のことを指しますが、この時期にはバイエルン地方ではリラの花は盛りを過ぎています。ただし、同じFliederでも“ニワトコの花”(Holunder/英語名はElder)を意味することがあり、この場合はこのニワトコについて歌われていることになります。実際にFliederという名前のワインがありまして、それに使われている実はHolunderニワトコなのです」と説明しています。新国オペラトーク
写真スライドショーで、「ニワトコが香る」のところの、アリマキまみれ、てんとう虫のお食事処になっている花は、ニワトコです。香りは感じませんでした・・。
ペーター・ホフマンのお父さんはこの歌をよくレコードで聴いていたそうです。いつも目に涙を浮かべていたとか・・
★2-3 4場-2New!
5場-7場
☆2-4 駆け落ちの相談〜ベックメッサー登場、ザックスが邪魔をする
☆2-5 続き
★2-6 ベックメッサーのセレナーデ?〜乱闘騒ぎ〜2幕終わりまで

3幕全曲
3幕1場:靴屋ザックス宅
★3_1 1場-1
★3_2 1場-2
3幕2場:
☆3_3 2場-1「歌比べの歌を作る」
☆3_4 2場-2「歌比べの歌を作る」
3幕3場:
★3_5 3場-1「ベックメッサー、ザックスの部屋で歌の原稿を発見→
★3_6 3場-2 歌の原稿をもらって大喜びで帰宅」
3幕4場:靴屋ザックス宅
「ザックスのところにエーファが来る→ワルターが3節を歌う→マイスターの歌の命名、ダーヴィット職人に→聖ヨハネ祭に出発」
★3_7 4場-1
☆3_8 4場-2
☆3_9 4場-2
3幕5場:聖ヨハネ祭
★3-10 5場-1
★3-11 5場-2
★3-12 5場-3「ベックメッサーの大失態」
☆3-13 5場-4「優勝の歌」
★3-14 5場-5 3幕終了

交通事故で休業した1977年を除いて、1976年から1989年まで毎夏バイロイト音楽祭に出演しました。演じた役は、ジークムント(ワルキューレ)、パルジファル、ローエングリン、トリスタン(トリスタンとイゾルデ)、ワルター・フォン・シュトルツィング(ニュルンベルクのマイスタージンガー)

ワルター・フォン・シュトルツィング(ニュルンベルクのマイスタージンガー)は、一番好きな役だということです。1984年12月のチューリッヒ歌劇場が初めて。プレミエ直前のリハーサルで足をひどく捻挫し、12月はじめの初日は出演できませんでした。ルネ・コロが代役を務め、これはテレビ放送されました。その後、12月23日にやっと出演、初シュトルツィングをやることができました。

バイロイト音楽祭では、1988年に初めてこの役を担当しますが、最後にもなりました。この年は、ヴォルフガング・ワーグナー演出による再演のこのマイスタージンガー、同様のパルジファル、そして、ハリー・クプファー新演出、ダニエル・バレンボイム指揮のワルキューレに出演しました。三つの役を受け持つことは大変なことだそうです。

以下、伝記からです。
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................1988年の春は、ボンの『マイスタージンガー』で始まった。そのあと、ニューヨークで『ジークフリート』を初めて歌う予定だったが、ひどい気管支炎のため、残念ながらキャンセルせざるをえなかった。このことは当然マスコミのかっこうのえじきになった。そこには、様々な言い方だったが、要するに『今度こそ、くだらないロックなどを歌ったせいで、声が完全にだめになってしまったのだ』と、書かれていた。それならば『マイスタージンガー』も歌えなかったはずだということは、議論にならなかった。今度もまた、記事ねたを手に入れたということが肝心だったわけだ。
 ペーター・ホフマンはマスコミのセンセーショナルな扱いに冷静さを失わず、いつものように最後には、たとえば、この夏にはバイロイトで、ジークムントとパルジファルに加えて、バイロイトでは初役である『マイスタージンガー』のワルター・フォン・シュトルツィングの三つの役を歌ったのだが、この時も批評は彼に好意的だったといった現実のほうが、正しいと認められるだろうと信じていた。ヴェルト誌は、彼のシュトルツィングとしての初出演を「芸術家として最高のコンディション」を示していたと書いたが、北バイエルン・クリーア誌には次のように書かれていた。

 「ペーター・ホフマンのシュトルツィング役はバイロイトでは初めての配役だった。ペーター・ホフマンがこの若い騎士役でまばゆいばかりの人物像を描き出すだろうことが期待されていたことは間違いなかった。だれにしろ、一見して難しい高いA音がたくさんあることで有名なこの役に自信満々ではありえない。それにもかかわらず、ホフマンは、テノールの英雄であることを証明し、この役を立派に歌いきった。彼の強いトレモロを伴ったバリトン気味な声には、かつてのような安定性はなかった。しかし、うまくコントロールすることによって、効果的にやり遂げることができた。靴屋の居間での三連の優勝の歌とお祭りが行われた草地での優勝の歌の盛り上がりは、表現力にあふれ、雄大だったし、その力強さは、一、二幕で、ホフマンがこの役のアウトサイダー性を強調して扱っていたことに対応していた」
 もしこの公演の録音を聴くことができれば、ペーター・ホフマンの声に関する「強いトレモロ」とか「安定性」の欠如などという評論家の評価を自分で聴いて理解することができるかもしれないが、残念なことにレコードはないので、当然ながら、確かめるすべはない。
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うれしいことに、NHK-FMの放送を聴くことができました。私は「強いトレモロ」とか「安定性」の欠如などは、感じませんでした。このオペラ、ワーグナーの主要作品の中で、もっともなじみにくかったのですが、現金なもので、ペーター・ホフマンの声があるというだけで、かどうかはまあ疑問として、すっかりなじむことができ、楽しんで繰り返し聴くことができるようになりました。

ワーグナー:ニュルンベルクのマイスタージンガー
ミヒャエル・シェーンヴァント指揮 W.ワーグナー演出
1988年8月3日 バイロイト音楽祭

ワルター:ペーター・ホフマン
ザックス:ベルント・ヴァイクル
ダービッド:ウルリヒ・レス
エーファ:ルーシー・ピーコック
マッダレーナ:マルガ・シムル
ベックメッサー:アラン・オピー
ポーグナー :マンフレート・シェンク
マイスターたち:
クルト・シュライプマイヤー
ローベルト・リーナー
ジェフ・ベルメルシュ
ウード・ホールドルフ
ペーター・マウス
ヘルムート・パンプフ
シャーンドル・ショーヨム・ナジ
ハインツ・クラウス・エッカー
ディーター・シュワイカルト

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コメント 12

わびすけ

確かにヴァルターは高音も多いですし、美しいアリアがありますが、それ以外の部分を聞くとけっこう難しい役だと思うのです。トリスタンが歌えるホフマンならこなせると思いますが。エーファも惚れ直すような、素晴らしいヴァルターだったのでしょうね♪第3幕の5重唱など、他のキャストとの兼ね合いもとても興味あります。
by わびすけ (2005-07-14 12:16) 

euridice

>ヴァルターは高音も多い
そうらしいですね。
それに、微妙に変化するメロディーや歌詞、覚えるのが大変そう・・・ 

>美しいアリア
アリア集で聴けますが、やはり全体の中にあると、おもしろさが増しますね。

[配役など]に♪♪があります。
by euridice (2005-07-14 20:52) 

ななこ

またまた貴重な録音を聞かせていただきました。
ホフマンのシュトルツィングはアリア集でしか聞いてないはずなのに、違和感なくこれが刷り込まれた声と感じるのが不思議です。
エファにささやく声も「Fanget an!」からのアリアもほんとうに素敵ですね。
映像はなくてもいろいろな舞台音のおかげでその姿、演技まで浮かんできます^^
ライブに勝るものはありませんね!
euridiceさんが撮られた写真も音楽のそのシーンによく合って。
ヨーロッパではリラとか菩提樹とかミルテは大切なものかも知れませんが、日本人はやっぱり桜ですね!
前奏曲の最後は梅でしたかしら?
どちらもこの壮大な音楽にぴったりだと思います。
冒頭のシラサギはエファのイメージでしょうか?
ベックメッサーはシメで決まりと思いました。
シメというのは獰猛そうでありながら、滑稽さも感じます。
続きが楽しみです。
よろしくお願いいたします。

1988年のこの音楽祭で3役!!!
しかもそれぞれのロールでこれ以上はないという完璧さを印象づけて。
さしづめギネスブッククラスというところでしょうか・・・
それにしても今の歌手は軟弱ですねえ・・・
by ななこ (2009-06-01 12:51) 

euridice

ななこさん
長大ですから、どうなるかわかりませんけど、
写真はたくさんあるので、ぼつぼつ進めます。
野鳥はだんだん不足しちゃいますけど^^;;

>シメ
ザックス以外の親方たちのもったいぶった声と
とても合っておもしろいです。

>シラサギ
そういえば、エファの雰囲気ですね。

>それぞれのロールでこれ以上はないという完璧さを印象づけて
ほんとに稀有の存在だと思います。



by euridice (2009-06-03 07:23) 

ななこ

西洋ニワトコ(エルダー)なのですね~
近くのお宅の庭にあります。
名前を伺っただけで間近に見たことはないのですが、遠目にはノリウツギの花みたいと思っていました。
こちらでようやくアップ写真を見せていただいて分かりました。
今の時期は緑の実ですね。
蟻がアリマキの出す甘い液に寄り集まり、テントウムシはアリマキを食べ、テントウムシは二つ星でも七つ星でもお構いなくなのでしょうか?
そういう関係ではなくただの通りすがり?
面白い茎はニシキギでしたね?
赤いウグイスカグラの花も今は赤い実になっているでしょうね。
ヴァイクルさんのモノローグを聞き流しながら画像の方に集中してしまいました。
これからゆっくり聴かせていただきます。
by ななこ (2009-06-16 22:24) 

euridice

>西洋ニワトコ(エルダー)
ニワトコという名札しか記憶にありません。
西洋ニワトコとはずいぶん違うのでしょうか?
この間見たときはもう赤い実がついていました。
第2ブログに写真を載せました。

>テントウムシ
七星以外は害虫・・なんて話を聞いた覚えがありますけど、
どうなんでしょうか。どれも同じに見える幼虫のサナギから
各種星の成虫が出てくるような気がします。
成虫も星違いが重なったりしていますし・・
仲良くしているのか、けんかしているのか、わかりませんけど^^;;

>面白い茎はニシキギ
葉が茂るとわかりませんから、茎が見える時期が面白いですね

>ウグイスカグラ
ありがとうございます。名前を知りませんでした。
雑木林の縁にあって、目にとまりました。
調べようと思いつつほっていました。
赤い実も目をひきます。

by euridice (2009-06-18 07:14) 

ななこ

一通り聞かせていただきました^^
優勝の歌の場面の鳥は「ウグイス」でしたか!
まさにはまり役でしたね!

エファが歌う場面(シラサギ)のバックの水面に白い粒が無数に光り輝いていました。
とても美しかったです。

ずっと気になってた黄色い花はメギの一種でしょうか?
銅葉色の葉っぱの木でしたが。
印象的でした。

マイスタージンガーのこの役は光り輝く英雄には違いないけれど、他のワーグナーの諸役と違って詩を吟ずるという型にはめられてる場面が多いので今ひとつグッとくるものがないのですが、好きな声で惚れ惚れとするような歌を聞かせてもらうととても幸せな気分に浸れます。
歌手にとっても演技力とか細かい歌唱の技量より歌そのものが勝負という感じではないでしょうか?
だからといって、というよりだからこそ、強靱なヘルデンテノールの声が不可欠で、メロディをなぞるだけのように歌われるとたまったものじゃありません。

ホフマンのシュトルツィングが聞けるなんて思いもよらぬことでブログのおかげと嬉しく思います。
本当にありがとうございました。


by ななこ (2009-06-30 18:23) 

ペーターのファンです。

いつも貴重な音源をありがとうございます。
マイスタージンガーは歌以外の部分でも高い音が要求されて、作品の印象よりも実は難役の部類に入るように思います。好きな役と言うだけあって素晴らしい歌唱ですし、ホフマンとヴァイクルの顔合わせが大好きなので、本当に嬉しい演奏です。
最近のバイロイトその他のテノールを考えると、ホフマンとコロが双璧だった時代をたとえ録音でも知っているのは、望外の幸福と言うよりありません。
by ペーターのファンです。 (2009-06-30 21:29) 

euridice

ななこさん
聴いてくださって、そして、見てくださって、うれしいです。

>黄色い花はメギの一種
そうです。名札にメギとあります。
魅力的な花ですね。

マイスタージンガーのおもしろさというか、
良さはなかなかわかりませんでした。
劇場鑑賞は別として
自分の感性にぴたっと合った声がないと
とても聴き通せません。

>ホフマンのシュトルツィング
他のシュトルツィングは私の感性に合わないだけかもしれませんが
>メロディをなぞるだけ
これが精一杯の歌い手さんが少なくないように思います。


by euridice (2009-07-02 08:18) 

euridice

ペーターのファンです。さん
いつもありがとうございます。やはり同好の方も
楽しんでいただけていると思うとうれしいです。

>実は難役の部類
ななこさんもおっしゃっているように
>メロディをなぞるだけ
といった感じで、ただ歌っているだけではやはりつまらないというか
退屈ですね。まあ、どのオペラも歌もそうなんですけど・・
そういうことに陥りやすい部類だと思います。

ヴァイクルもとても味がありますね。この役もシュトルツィング同様でしょう。人生の奥深さが表現されなければ、つまらないです。

>ホフマンとコロが双璧だった時代をたとえ録音でも知っているのは
そうですね・・どう考えても後進の方々は比べようもないです・・
世代の違い(そうは思えない・・)だとしても、なんだか寂しいです。
by euridice (2009-07-02 08:27) 

moderato

初めまして。
たまたまYoutubeを徘徊していて、ホフマンのヴァルターに出あい、さらにヴァイクルのザックスで狂喜しました。
二人の大ファンです。

ラジオが音源との事ですが、素晴らしい音質で全幕聴かせて頂ける喜びに浸っています。
これだけの作品ですから、全曲盤のCD発売を熱望しています。

動画アップ、本当に有難うございました。


by moderato (2011-06-18 22:23) 

euridice

moderatoさん、いらっしゃいませ。

>たまたまYoutubeを徘徊していて、
ファンの方に発見していただけて、うれしいです。

>全曲盤のCD発売
是非正規に出してほしいものです。




by euridice (2011-06-19 11:53) 

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