出会い〜ワルキューレ（1） [PH]
ワーグナーの大作「ニーベルンクの指環」は、ＣＤで一通り聞いたきりになっていたわけですが、NHKのハイビジョン 自慢のレーンホフ演出、サヴァリシュ指揮（ミュンヘン1989）が放映されたので、録画して観ることにしました。画像は、シェロー演出、ブーレーズ指揮 バイロイト音楽祭1980
かなり退屈しながら、観た記憶があります。３倍録画で画質があまりよくないこと、映像の作り方が、いわゆる舞台中継という感じで、単調なのが原因かしらと思ったりしました。それに、おおまかな物語の筋は知っていましたが、「ラインの黄金」の冒頭から、正直、舞台上の状況の把握、理解がちょっと難しい感じでした。
その上、この録画については、夏のことで、落雷という不測の事態に見舞われ、ワルキューレの録画ができなかったのです。ですから、「ワルキューレ」抜きの三作を、わくわくどころか、長い・・・とじりじりしながら、それでも、何故か一通り鑑賞しました。NHKの最初の放送のときのことです。その後、どのぐらい後か忘れましたが、再放送があり、「ワルキューレ」も観ることができました。
再放送のときは、解説付きで、ジークフリート役のルネ・コロ、ブリュンヒルデ役のヒルデガルト・ベーレンスのインタビューもあったので、また全部観ました。昔、解説役の先生にドイツ語を習ったものですから、懐かしかったです。それにしても、あれだけおしゃべりばかりしていた先生だったけど、ワーグナーの話は一度もしなかったのに・・・と、ちょっと不思議な感じがしたものです。
実を言うと、再放送が待てず、「ワルキューレ」だけは、すぐにレーザーディスクを手に入れました。そのころはシェロー演出、ブーレーズ指揮のバイロイト音楽祭のものしかありませんでしたから、とにかく「リング」が歯抜けなのが嫌で、出演者チェックもせずにさっさと買いました。
これは、実に衝撃的でした。これこそが出会いだったといえるでしょう。それまでに、相当数の映像を観ていましたが、こんなのがあるのかという思いでした。退屈とは無縁、一幕などは、前奏曲から、どんどん一直線に盛り上がって、あっという間の一時間。二幕、三幕も、自然に引き込まれ、感情移入してしまいました。映像としても実に丁寧に、映像だけで充分に理解し、臨場感を味わい、感情移入ができるように作られていると思います。そして、実際に舞台を観たら、もっと美しく、すばらしいだろうと思わせられます。フリードリヒ演出のローエングリン同様、この舞台を観ることができた人は、本当に運がいいと思います。
ジークムントが、先に見たメトロポリタン歌劇場のローエングリンだったわけですが、雰囲気がずいぶん違うように感じ、へぇー、同じ歌手なんだと、ちょっと意外な感じがした覚えがあります。そこで、バイロイトのローエングリンも、すぐに見たくなって買ったように思います。みっつともそれぞれかなり印象が違うと思ったものです。どのP.ホフマンが一番魅力的かと言えば、ジークムントでしょうね。あのころも、今もそう思います。
「ワルキューレ」がとてもおもしろかったので、後の三作もまもなく観ましたが、それはまた別の話です。・・・・・ 次へ
私のワルキューレ入門？は、メト→バイエルン→シェロー でした。
メトのは、亭主がお友だちに頂いたビデオが家にあったので、オペラに関心を持ち始めの頃に見たのですが、本当に長く感じて、『リング』の中でこれが一番人気がある！という理由がわからないままでした・・
バイエルンのとシェローのは、図書館での視聴でした。
バイエルンの方は、メトのに比べたら、オケの感じが随分違って聴こえたので、面白いと思えました。オペラだから、歌手はこのくらいの容姿でも良しなのかな～～と思いましたし（＾＾；
その後でシェローの方を見たのですが、これには唖然としました。
何て素敵なジークムント！この人は本当に歌手なの？！俳優じゃないの？！・・って、驚き桃の木状態で一目＆一耳惚れに陥ってしまいました。
ご紹介の海外版DVDが売り出される直前の頃の話です。図書館では時間切れで、全部見ることが出来なかったので、もどかしくって、売り出された途端に速攻で買い求め、暫くの間、毎日コレを繰り返し視聴していましたよ（＾＾；
by ヴァラリン (2005-05-24 22:18)
＞メト→バイエルン→シェロー
私の場合は、雷さまのお陰で、
シェロー →バイエルン→メト→クプファー（バイロイト1988〜）
となりました。
＞一目＆一耳惚れ
ご同様です^^;
>毎日コレを繰り返し
飽きないんですね〜〜これが.........
by euridice (2005-05-24 22:59)
サヴァリッシュのリングはワーグナー協会のサントリーホールでの上演会にて見させていただきました。
それなりに面白かったのですが、もしこれが原体験のリングだったら・・・・法悦を知らぬままに過ごしてしまうのではという危機感に襲われる作品です。
初心者は手を出してはいけないモノというレッテルを惜しげもなく貼ってあげたい作品です。
by 武神妖虎 (2005-07-23 13:26)
それなのに、NHKはハイビジョンで撮ってきたのが自慢らしく、しつこく再放送しましたね^^;
by euridice (2005-07-23 20:49)